
インタビューの文字起こし工数を減らすなら、AIアプリやAIツールを活用するのが近道です。この記事では、文字起こしの種類(素起こし・ケバ取り・整文)の違いから、自動文字起こしの基本手順を解説します。
また、ツールの選び方・比較・注意点まで解説するので、インタビューの文字起こし業務の時短を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
インタビューの文字起こしとは

インタビュー取材で録音した音声を、そのままテキストに書き起こす作業が「インタビューの文字起こし」です。ライターや編集者・広報担当者にとって日常的な業務ですが、1時間の録音を手作業で起こすと3〜4時間かかるとも言われ、効率化の余地が大きい工程です。
AIアプリ・AIツールを活用すると、文字起こしの工数を大幅に減らせます。
録音したインタビュー音声をテキスト化する作業
1時間のインタビュー音声を文字起こしする工程をAIアプリ・AIツールに任せると、ツールや音声条件によっては、短時間でテキスト化できます。
手作業では、音声を一時停止しながらキーボードで入力するため、録音時間の3〜4倍の時間がかかります。インタビュー相手の話し方の癖や、複数人が同時に話す場面が多いほど、作業量も大きくなりがちです。
インタビュー音声のAI文字起こしでは、音声認識精度の向上により、日本語のインタビューでも実用的な精度でテキスト化できます。

素起こし・ケバ取り・整文の違い
インタビューの文字起こしには、目的によって3つの形式があります。用途を確認してから作業方法を選ぶと、後工程の手戻りを防げます。
- 素起こし
-
「えー」「あのー」などのフィラーワードや相槌も含め、発言をそのままテキストに落とした形式
- ケバ取り
-
発言内容を変えずにフィラーワード・相槌・言いよどみを取り除き、読みやすさを高めた形式
- 整文
-
話し言葉を書き言葉に変換し、意味を損なわない範囲で言い回しを整えた形式
AIアプリ・AIツールの自動文字起こしは素起こしに近い出力が基本です。ケバ取りや整文は、AI出力をベースに人の手で仕上げる流れが一般的です。
目的に合わせた文字起こし形式の選び方
文字起こしの形式は、最終的な成果物の用途で選びます。
- ニュースリリース・プレスインタビュー 整文
-
整文を選び、発言の意図を保ちながら読者に伝わる文章に整える
- 取材原稿・ウェブ記事 ケバ取り
-
ケバ取りを選び、記者・ライターが加工しやすい状態で発言の流れを残す
- 社内記録・議事録 ケバ取りまたは整文
-
後から参照するだけならケバ取り、上位者への報告・外部共有が目的なら整文を選ぶ
- 学術調査・ヒアリング調査 素起こし
-
素起こしを選び、発言のニュアンスや間・フィラーワードまで記録に残す
AIアプリ・AIツールで自動文字起こしした後、上記の目的に合わせて整える作業を加えると、最終成果物の品質が安定します。
インタビューの録音から文字起こしする基本手順

インタビューの文字起こしを効率よく進めるには、録音前の準備からAIアプリ・AIツールへの取り込み・仕上げの整文まで、各ステップで押さえるべきポイントがあります。
録音の段階でのミスが後工程の精度に直結するため、流れを順に確認しておきましょう。

STEP1:録音前に話者情報・固有名詞・専門用語を整理する
インタビューの文字起こし作業を始める前に、登場する人物・固有名詞・専門用語をリストアップしておくと、確認作業の大幅な時間短縮につながります。
事前に整理しておく情報は次のとおりです。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 話者情報 | 氏名・読み方・所属・役職 |
| 固有名詞 | 企業名・サービス名 |
| 専門用語 | 業界用語・英略語・カタカナ語 |
| 進行内容 | 質問リスト・想定話題の順序 |
特に固有名詞と専門用語はAIが誤認識しやすいため、手元にメモしておくと文字起こし後の確認をスムーズに進められます。
AIアプリ・AIツールは固有名詞や業界用語を誤認識しやすい傾向があります。事前に会社名・製品名・役職名・専門用語を手元に控えておくと、文字起こし結果の確認がスムーズです。
STEP2:録音環境とマイク位置を確認する
音声認識精度は録音の音質に直結します。AIアプリ・AIツールへの取り込み前に、録音環境とマイク位置を確認しておきましょう。
録音音質が低いと、AIの自動文字起こし精度も下がります。後から音質を改善する手段は限られるため、録音前の確認が最も重要です。
- マイクと話者の距離
-
卓上マイクなら話者から30〜50cm程度を目安に距離を調整する
- 周囲の雑音
-
エアコン・換気扇・屋外の騒音が入り込まないよう、静かな部屋を確保する
- 複数話者の位置関係
-
2人以上が話す場合、マイクを中央に置き、全員の声が均等に入るよう調整する
- テスト録音の実施
-
本番前に30秒程度テスト録音し、音質を確認してからインタビューを開始する
オンライン取材では、ZoomやTeamsの録画機能を活用すると音声が話者ごとに分離されて保存されます。
AIアプリ・AIツールへ取り込む際の認識精度が上がりやすくなります。

STEP3:音声ファイルをAIアプリ・AIツールに取り込む
録音が完了したら、AIアプリ・AIツールに音声ファイルを取り込みます。インタビューの自動文字起こしは、ファイルをアップロードするだけで開始できます。
録音デバイスから音声ファイルを取り出します。Plaud Note ProはBluetooth・Wi-Fi経由で専用アプリに転送、スマホアプリ型のNottaやRimo Voiceはアプリ内で録音から直接処理できる仕組みです。
対応ファイル形式(MP3・M4A・WAVなど)であることを確認し、アプリまたはWeb画面からアップロードします。
日本語を選択し、複数名のインタビューでは話者識別をオンにします。話者の人数を指定できるツールでは、実際の登場人数を入力すると精度が上がります。
ツールや環境にもよりますが、長時間の録音でも短時間で結果が出力される点が特長です。

STEP4:文字起こし結果を確認してケバ取り・整文を行う
AIアプリ・AIツールの自動文字起こしは、そのまま原稿に使えるレベルではありません。出力結果を確認し、用途に合わせてケバ取りや整文を行います。
確認時に重点的に見るポイントは以下の4点です。
- 固有名詞・専門用語の誤変換
-
事前に整理した固有名詞リストと照合し、会社名・製品名・業界用語の誤認識を修正する
- 話者ラベルの割り当て
-
声が似た話者や発話が重なった箇所は入れ違いが起きやすいため、自動付与されたラベルを確認する
- 聞き取れない箇所のタイムスタンプ
-
AIが出力した文字起こしに不自然な文章があれば、タイムスタンプを使って音声と照合する
- フィラーワード・相槌の処理
-
「えー」「あのー」「そうですね」など、成果物の用途に合わせてケバ取り・整文を施す

インタビュー文字起こしAIで効率化できること

AI文字起こしツールを使うと、手作業では数時間かかっていた工程が数分に短縮されます。時間短縮にとどまらず、話者識別や要約・検索といった機能が加わり、記事化や社内共有の流れも変わります。

手動の文字起こし時間を短縮できる
インタビューの文字起こしをAIアプリ・AIツールに任せると、1時間の録音を数分以内にテキスト化できます。
手動では録音時間の3〜4倍が目安です。AIを使うと文字起こしにかかる時間を大幅に短縮できます。浮いた時間を記事の構成や整文に充てられるのが、最大の利点です。
音声認識精度は音質に左右されますが、静かな室内でのインタビューであれば、手修正が最小限で済む水準の出力が得られるツールが増えています。
対面インタビューだけでなく、ZoomやTeamsのオンライン取材の録画からも自動文字起こしに対応するツールが多く、取材スタイルを問わず活用できます。

話者識別・要約・検索で内容を確認しやすくなる
AIアプリ・AIツールには、文字起こし以外にもインタビュー業務を効率化する機能が豊富です。
話者識別では、複数人が登場するインタビューでも発言者を自動でラベリングするため、手作業での整理にかかる時間を減らせます。
AI要約では、1時間超の収録でも発言の要点を自動で抽出します。全編を聞き直さずに内容の骨格を素早く把握できます。
テキスト検索では、文字起こし結果からキーワードの出現箇所を素早く絞り込めるため、記事化の際の引用確認が効率的です。
共有や記事化までの流れをスムーズにできる
AIアプリ・AIツールで文字起こしした結果は、URL共有や編集機能でチームに展開できます。
NottaやRimo Voiceは、文字起こし結果をURLで共有する機能を備えています。編集者・校正者がオンラインで確認・コメントを入れられるため、ファイルのやりとりなしに後工程を進めやすい設計です。Otolioは社内向けの共有・閲覧機能を持ち、機密情報を扱う組織での利用に向いています。
インタビューの内容を記事化する際は、AI要約で抽出した要点をもとに構成を組み立てると、執筆の起点が作りやすくなります。文字起こし→要約→記事化という一連の流れをひとつのツールで完結できるサービスも珍しくありません。
インタビュー文字起こしAIアプリ・ツールの選び方と比較

インタビューの文字起こしに使えるAIアプリ・AIツールは、録音デバイス一体型とアプリ型に大きく分かれます。比較表で機能・料金・セキュリティを確認して用途を絞り込み、各ツールの詳細を確認してください。

主なAIツールの比較表
ツール選びには3つの軸があります。利用頻度(月数回か週1以上か)、利用シーン(個人の対面取材か法人のオンライン会議か)、セキュリティ要件(一般利用か機密情報を扱う組織か)で絞り込むと判断しやすくなります。
| 項目 | Plaud Note Pro | Notta | Otolio | Rimo Voice |
|---|---|---|---|---|
| タイプ | 録音デバイス一体型 | アプリ型 | アプリ型(法人向け) | アプリ型 |
| 話者識別 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 自動要約 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応(プロプラン以上) |
| セキュリティ | 暗号化 GDPR準拠 | ISO27001 SOC2 Type2取得 | ISO/IEC 27001取得 国内サーバー | ISO27001 27017取得 国内サーバー |
| 無料プラン | スターター:月300分 | フリー:月120分 (1回3分まで) | 14日間無料トライアル | 7日間無料トライアル |
| 月額料金 (目安) | Proプラン 年額16,800円 Unlimitedプラン 年額40,000円 | プレミアム 月額1,980円 年額14,220円 (月換算1,185円) | ライセンス料 10,000円/月〜 +AIパック別途 (法人向け・要見積もり) | 文字起こしプラン: 月額1,650円 年額13,200円 (月換算1,100円) プロプラン: 月額4,950円 年額39,600円 (月換算3,300円) |
録音から文字起こし・要約まで一台で完結させたいなら「Plaud Note Pro」
Plaud Note Proは、インタビューの録音から自動文字起こし・AI要約まで、専用ハードウェア一台でこなせる録音デバイス一体型のAIツールです。
Plaud Note Proはデバイスを置くだけで録音を開始できます。対面インタビューや取材の場で、機材操作を最小限に抑えたいシーンで活躍します。
話者識別・AI要約・テキスト検索に対応しており、文字起こし後の確認作業も専用アプリから行えます。対応言語は112言語で、日本語以外のインタビュー取材にも対応しています。
料金プランは以下の通りです。
| プラン | 料金 | 内容 | |
|---|---|---|---|
| 本体 (AIボイスレコーダー) | 30,800円 (税込) | 録音デバイス一体型AIツール スタータープランが付属 | |
| AI機能 | スタータープラン (無料) | 0円 | 文字起こし300分/月 話者識別 112言語対応(日本語含む) 要約テンプレート10,000種以上 PDF・DOCX・TXTなどへの出力に対応 カスタム用語登録 カスタム要約テンプレート マインドマップ生成 フォルダ管理 AI音声強化・スマート音声トリミング・録音の結合 ISO27001/27701・GDPR・SOC2 Type II・HIPAA準拠 |
| Proプラン | 年額16,800円 | (スタータープランの内容に加えて) 文字起こし1,200分/月 | |
| Unlimitedプラン | 年額40,000円 | (スタータープランの内容に加えて) 文字起こし無制限 | |
※料金は変動する場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。
本体価格とサブスク費用の両方がかかる点は、購入前に把握しておきましょう。

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スマホで手軽に高精度な自動文字起こしをしたいなら「Notta」

Nottaは、iOS・Androidスマホおよびブラウザから使えるAI文字起こしアプリです。デバイスを新たに購入する必要がなく、すぐに自動文字起こしを試せます。
無料のフリープランでは月120分(1回3分まで)の文字起こしが使えます。月数回の短いインタビューであれば、無料の範囲で十分に活用できます。
話者識別はフリープランから使えます。複数人が登場するインタビューでも、追加費用なしに発言者を分けて記録できる点が魅力です。
料金プランは以下の通りです。
| プラン | 料金 | 内容 |
|---|---|---|
| フリープラン | 0円 | 文字起こし120分/月(1回3分まで) 話者識別 リアルタイム文字起こし Zoom・Teams・Google Meet連携 AI要約 共有リンク発行 |
| プレミアムプラン | 月額1,980円 (年払いなら月額1,185円・年額14,220円) | フリープランの内容に加えて: 文字起こし1,800分/月(1回5時間まで) 翻訳機能 カスタムテンプレート |
| ビジネスプラン | 月額4,180円 (年払いなら月額2,508円・年額30,096円) | プレミアムプランの内容に加えて: 文字起こし無制限(1回5時間まで) 画面録画 メンバー管理 Zapier・CRM連携 |
| エンタープライズプラン | 要見積もり | ビジネスプランの内容に加えて: AIデータ学習の無効化 SAML SSO 専用サポート |
※料金は変動する場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。
セキュリティはISO27001・SOC2 Type2を取得しており、法人利用にも対応します。ビジネスプランではIPアドレス制限やユーザー権限管理といった管理機能も使えます。
週1回以上のインタビュー取材があるなら、プレミアムプランへの移行が文字起こし時間の上限を気にせず作業できる点で現実的です。

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セキュリティ重視で法人利用したいなら「Otolio」

Otolioは、エピックベース株式会社が提供する法人向けAI議事録・文字起こしサービスです。旧称は「スマート書記」で、2025年12月1日に現在の名称に変わりました。
Otolio(旧スマート書記)累計8,000社以上の導入実績があり、経営会議・人事面接・商談・インタビューなど社内のさまざまな場面で使われています。
セキュリティ面では、ISO/IEC 27001(ISMS)の認証を取得しています。音声データ・文字起こしデータは国内(東京リージョン)のデータセンターに暗号化して保管されており、機密情報がAI・LLMの学習データに使われない設計です。
話者識別・自動要約・AI清書に対応しており、誰がいつどの発言をしたかを可視化したうえで議事録・文字起こし結果を出力できます。
| プラン | 料金 | 内容 | |
|---|---|---|---|
| 無料トライアル | 0円 | 14日間利用可能(機能制限なし) | |
| 法人プラン | ライセンス料 | 10,000円/月〜 | 録音・議事録エディタ 話者分離 フィラー除去 Zoom・Teams・Google Meet連携 国内サーバー(東京リージョン)保管 ISO/IEC 27001認証取得 AI学習不使用 |
| AIパック | 別途見積もり | 自動文字起こし 自動要約 AI清書 要点抽出 | |
料金はライセンス料10,000円/月〜に、AIパック費用が別途かかる法人向け見積もり制です。AIパックの費用詳細は公式サイトでお問い合わせください。個人利用や小規模チームよりも、セキュリティ基準が高い組織での導入を前提としたサービスです。14日間の無料トライアルで機能を試してから検討できます。
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編集・要約・共有まで一連の流れでこなしたいなら「Rimo Voice」

Rimo Voiceは、文字起こし・編集・AI要約・共有をひとつの画面でこなせるAIアプリです。インタビューの自動文字起こしから記事化・社内共有まで、一連の流れをまとめて処理したい方に最適です。
話者識別機能では、声の特徴から「声紋」を生成し発言者を自動で割り当てるので、事前に声を登録しておくと次回以降は話者名が自動で付与されます。
AI要約は複数のテンプレートから選べます。自社フォーマットに合わせたテンプレートを作成しておくと、インタビューごとの出力を統一しやすい設計です。文字起こし結果はURLで共有できるので、メールでのファイルのやりとりを省いて後工程を進められます。
ISO/IEC 27001・27017を取得し、全データを国内サーバーで暗号化し保管しています。全プランでAI学習不使用を明示済みです。
料金プランは以下の通りです。
| プラン | 料金 | 内容 |
|---|---|---|
| 文字起こしプラン | 月額1,650円 (年払いなら月額1,100円・年額13,200円) | 文字起こし2,100分/月 音声シンク(音声と文字の同期再生) URLで共有 話者分離 データ保管30日 AI学習不使用 |
| プロプラン | 月額4,950円 (年払いなら月額3,300円・年額39,600円) | 文字起こしプランの内容に加えて: Rimo Meeting Bot録画(無制限) 詳細AI要約 会議AIアシスタント Rimo AI 1,000クレジット/月 |
| チームプラン | 月額6,600円/アカウント (年払いなら月額4,950円・年額59,400円) | プロプランの内容に加えて: チーム管理機能 チームフォルダ |
| 法人プラン | 要見積もり | チームプランの内容に加えて: 利用ログ管理 SSO(シングルサインオン) 請求書払い対応 データ保管無制限 |
AI要約はプロプラン以上での提供です。文字起こしと共有だけなら文字起こしプランで対応できます。
\文字起こしから共有まで一画面/
AIでインタビュー文字起こしを行うときの注意点

AIは文字起こしの速度を大幅に上げますが、録音の音質・話者の重なり・専門用語など、人の確認が必要な場面は残ります。
個人情報や機密情報を含むインタビューでは、ツール選定の段階からセキュリティの確認も欠かせません。

録音音質が低いとAIの文字起こし精度も下がる
AIアプリ・AIツールの自動文字起こし精度は、音声データの品質に大きく左右されます。高性能なAIを使っても、録音が不明瞭であれば精度は上がりません。
屋外・カフェ・換気音が大きい会議室など、騒音が多い環境での録音は誤変換が増えます。話者とマイクの距離が遠い場合も同様です。
録音前のテストが最も有効な対策です。本番前に30秒程度テスト録音し、音質を確認してからインタビューを開始する習慣をつけると、後からの修正作業を減らせます。
話者の重なりや専門用語は人の確認が必要
AIアプリ・AIツールが苦手とする場面が2つあります。複数の話者が同時に話した箇所と、業界特有の専門用語・固有名詞が登場する箇所です。
発話が重なると話者識別が崩れやすく、誰の発言かラベルが入れ違いになる場合があります。インタビューの進行役が意識して話者の切り替えを明確にすると、精度の向上が可能です。
専門用語・固有名詞の誤変換は、音声認識精度が高いツールでも起きます。文字起こし後は必ず元の音声と照合し、固有名詞を中心に確認する工程を省かないようにしてください。
個人情報・機密情報の扱いに注意する
インタビュー音声には、氏名・所属・発言内容など個人情報に該当するデータが含まれます。未公開の事業情報や内部事情が登場するインタビューでは、機密情報の漏えいリスクも念頭に置いてください。
利用規約で確認すべき点は、音声・テキストデータが国内・海外どちらのサーバーに保管されるか、アップロードしたデータがAIモデルの学習に使われるかどうかの2点です。ISO/IEC 27001などのセキュリティ認証の取得状況は、ツールの管理体制を判断する目安です。
インタビュー対象者から録音・文字起こしの同意を得ることも忘れないようにしましょう。事前に目的・利用範囲・保管方針を説明することが、プライバシー保護の基本です。
誤字脱字や文脈のズレは公開前に修正する
AIアプリ・AIツールの自動文字起こしは、そのまま公開できる品質ではありません。誤字・脱字・文脈のズレが残った状態で記事やリリースに使うと、インタビュー対象者の意図と異なる内容になるリスクがあります。
公開前の確認ステップとして、以下の習慣化をおすすめします。
- 音声と文字起こしの照合
-
不自然な文章や文脈が途切れた箇所は、タイムスタンプを使って元の音声に戻り確認する
- 固有名詞・数値の再確認
-
事前に作成した固有名詞リストと照合し、誤変換が多い固有名詞・数値を優先的に確認する
- 発言の意図・文脈の確認
-
整文・ケバ取りの際に、意味が変わっていないかをインタビュー全体の文脈で確認する
- インタビュー対象者への確認
-
公開内容によっては、発言の引用箇所を対象者に事前確認する工程を設ける
インタビューの文字起こしを効率化するコツ

AIツールを導入しても、出力をそのまま原稿に使うのは難しく、仕上げの工数は残ります。録音前・文字起こし中・編集時のそれぞれで習慣にしておくと、後処理の時間をさらに短縮できます。
聞き取れない箇所はタイムスタンプで残す
文字起こし中に聞き取れない箇所が出た場合、空白にして先に進むより、タイムスタンプを残しておく方が後の確認が速くなります。
多くのAIアプリ・AIツールは、文字起こし結果の各発言にタイムスタンプを付与します。不明瞭な箇所のタイムコードを控えておき、後から音声の該当箇所だけを聞き直せば、全体を再生する手間を省ける点が便利です。
インタビューが長時間に及ぶ場合は、「00:23:15〜 固有名詞の聞き取り要確認」のようにメモを残しながら確認を進めると、作業が整理しやすくなります。
表記ルールと話者ラベルを統一する
文字起こし後の編集を複数人で分担する場合、表記ルールと話者ラベルの統一が欠かせません。担当者ごとに表記が異なると、後で全体を整合させる工数が増えます。
着手前に統一しておく4項目は次のとおりです。
| 確認項目 | 具体例 |
|---|---|
| 話者ラベル | A氏 インタビュアー |
| 表記ゆれ | AI 人工知能 |
| 数字表記 | 3,000万円 3000万円 |
| フィラーワード | 「えー」のみ 「なるほど」も含む |
AIの出力をそのまま使わず用途に合わせて整える
AIアプリ・AIツールの出力は、インタビューの目的と最終成果物の形式に合わせて整えてください。自動文字起こしの結果をそのまま記事化するのではなく、AIが作った下地として扱うのが適切です。
ウェブ記事・オウンドメディアに使う場合は整文を施し、「〜じゃないですか」「〜ですよね」など話し言葉を書き言葉に変換します。社内議事録・記録であればケバ取りにとどめ、発言内容を変えずに読みやすさだけを高めます。プレスリリース・広報素材ではAI要約で発言の要点を整理し、引用箇所では、インタビュー対象者への事前確認が欠かせません。
AI要約を骨格にして、文字起こし結果から具体的な発言を肉付けしていく流れが、インタビュー記事において実務でも取り入れやすい方法です。
インタビューの文字起こしによくある質問

インタビューの文字起こしにAIアプリ・AIツールを活用する際に、よくある疑問をまとめました。

まとめ
インタビューの文字起こしは、録音前の準備・AIツールへの取り込み・出力後の確認と編集という3つの工程で進めます。音質はAIの認識精度に直結するため、録音前のテストと環境確認は欠かせません。固有名詞や専門用語をあらかじめ整理しておけば、後からの修正作業を大幅に減らせます。
AIの文字起こし結果はそのまま公開できる品質ではありません。固有名詞の誤変換確認・話者ラベルの整理・ケバ取りや整文は、ウェブ記事・議事録・プレスリリースなど用途に合わせて人の手で仕上げる工程として残ります。AIを下書き作成の補助ツールとして位置づけ、浮いた時間を整文や事実確認に充てる使い方が合理的です。
まずは無料プランや無料トライアルで自分の録音環境に合った精度を試してから、継続利用するツールを選びましょう。

