
Geminiの「AgentMode(エージェントモード)」に興味はあるものの、使い方や料金がわからず、試せずにいませんか?
業務効率化への期待が高まる一方、情報が錯綜しており、どう始めればよいか分からない方も多いでしょう。
本記事では、AgentModeの概要や料金プラン、そして今すぐ日本で試せる使い方を解説します。
本記事を読むことで、GeminiのAgentModeを使いこなし、あなたのタスクを自動化する未来を体験できるでしょう。
GeminiのAgentMode(エージェントモード)とは?概要と技術基盤

GeminiのAgent Modeは、単なる応答型AIの枠を超えた存在です。
この章では、Agent Modeの概要と、その中核となる2つの重要な技術基盤について解説します。
Gemini AgentModeの概要
GeminiのAgent Modeは、高レベルの目標を達成するため、能動的に動作する「AIエージェント」です。
従来のチャットボットは、あくまでユーザーからの質問や指示に応えるだけの、受動的な応答にとどまります。
一方、Agent Modeは目標を複数のステップに分解し、必要なツールを使いながら自律的に計画を実行・修正可能です。
例えば、複数のウェブサイトを横断して情報を収集し、自動で旅行プランを作成したり、物件を探したりできます。
Use natural language to assign AI agents to handle time-consuming tasks, like research, planning, and data entry.
調査・計画・データ入力など時間のかかる作業を、自然言語で指示してAI エージェントに任せられます。
出典:Google DeepMind
高度な自動化を通じて、GeminiのAgent Modeは私たちの日常的な作業効率を大幅に向上させる可能性を秘めています。
Project Marinerが担う「自動ブラウザ実行エンジン」
Project Mariner(プロジェクト・マリナー)は、Google DeepMindの実験的プロジェクトです。
Geminiエージェントに、ウェブブラウジングとインタラクション能力を与えることを目的としています。
Project Marinerにより、Geminiエージェントはウェブ情報を理解し、ボタン操作やフォーム入力を自動で実行可能です。
Project Marinerには、以下のような機能が搭載されています。
機能名 | 概要 |
---|---|
自動ブラウズ操作 | 録画したユーザー操作をブラウザ上で完全に再現 |
Teach & Repeat連携 | 記録した手順を繰り返し実行 |
並列タスク実行 | 最大10タスクまで同時並行で処理可能 |
フローエディター | 操作手順を編集し、細かなカスタマイズが可能 |
フロー保存 | 記録した操作は保存してライブラリ化可能 |
上記の機能により、Geminiエージェントは従来のAIを超えた高度な自動化を実現しています。
MCP(Model Context Protocol)が担う「直結API」
MCP(Model Context Protocol)は、AIエージェントと外部ツールを標準接続するためのオープン規格です。
MCPは、AIにとっての「共通リモコン」のようなものです。
AIが各サービスのAPI仕様を個別に学習することなく、信頼性の高い連携を実現します。
MCPを通じて、サードパーティサービスが自社の機能をエージェントに提供できるため、堅牢で効率的なタスク自動化が可能です。
MCPには、以下のような機能が搭載されています。
機能名 | 概要 |
---|---|
API直結操作 | サードパーティサービスやGoogleの各種サービスと直接通信 |
コンテキスト共有 | 会話履歴やユーザー情報を理解し、APIリクエストに活用 |
リアルタイムデータ取得 | 必要な外部情報を即時に取得し、提案や実行に反映 |
スコープ管理 | エージェントがアクセスできる範囲をユーザーが細かく設定可能 |
ワークスペース統合 | Google Workspaceの各サービスと深く統合 |
上記の機能が連携することで、エージェントによるタスク自動化の効率と精度が高まります。

GeminiのAgentModeは日本で使えるのか?

多くのユーザーが注目するGeminiのAgent Modeですが、Agent Modeの提供状況は利用形態によって異なります。
2025年7月時点で、一般消費者向けのGeminiアプリに搭載されている「Agent Mode」は、日本国内では公式に提供されていません。
Agent Modeは現在、米国限定のプレビュー版として提供されており、利用するには「Google AI Ultra」プランへの加入が必要となっています。
日本での正式リリース日については、2025年7月現在でGoogleからの発表はありません。
Gemini AgentModeを今すぐ試す3つの方法

日本での一般提供はまだですが、開発者環境では、すでにAgent Modeの能力を体験できます。
この章では、今すぐGeminiのAgentModeを試すための3つの具体的な方法を紹介します。
Gemini CLI経由でAgentModeを利用する
開発者にとって最も強力かつ汎用的な方法が、コマンドラインインターフェース(CLI)ツールである「Gemini CLI」の利用です。
Gemini CLIは、ターミナルから直接利用できるオープンソースのAIエージェントです。
Gemini Code Assist拡張を通じて、VS CodeなどのIDE(統合開発環境)とも連携でき、よりシームレスにAI支援を活用できます。
複雑なタスクの自動化やコード生成、リファクタリングなどを対話形式で実行できるため、多くの開発現場で活用が期待されているツールです。
また、オープンソースであるため、開発者コミュニティによる機能拡張やカスタマイズも盛んに行われています。
Android Studio経由でAgentModeを利用する
Androidアプリ開発者であれば、Android Studioに統合されたAgent Modeが最適です。
Agent Modeは、IDEのサイドバーにあるGeminiタブから有効化できます。
プロジェクト全体のコンテキストを理解した上で、ビルドエラーの修正やリソース移行など、プラットフォーム固有のタスクを自動化します。
添付されたスクリーンショットからUIを実装するような高度なタスクも実行可能です。
タスクの自動化により、開発者はコード作成などの本質的な作業に集中でき、開発効率が大きく向上します。
NordVPN経由で米国版AgentModeを利用する
開発者向けツールではなく、一般消費者向けのGeminiアプリでAgent Modeを試す方法もあります。
GeminiアプリでAgent Modeを試す場合は、VPN(仮想プライベートネットワーク)を利用します。
信頼性の高いVPNサービス(NordVPNなど)を使い、米国サーバー経由で接続すれば、地域制限された機能にアクセス可能です。

ただし、この方法にはGoogle AI Ultraプランへの加入が必要になります。
同じように米国限定のAIモードにVPN経由でアクセスする方法を以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。

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Gemini AgentModeの料金プランと無料枠

Gemini Agent Modeの料金体系は、開発者向けツールと一般消費者向けサブスクリプションで大きく異なります。
コスト構造を正確に理解し、自身の用途に合った料金プランを選択することが重要です。
Google AI ProプランとGoogle AI Ultraプランの料金比較
GeminiアプリのAgent Modeは、2025年7月現在、米国の「Google AI Ultra」プランでのみ利用可能です。
日本を含む他地域では、正式提供開始の発表を待つ必要があります。
Google AI Ultraプランは、Geminiの最上位プランであり、幅広い高度な機能と豊富なリソースを提供しています。
項目 | Google AI Pro | Google AI Ultra |
---|---|---|
月額料金 | ¥2,900 | ¥36,400 |
利用可能なモデル | Gemini 2.5 Flash Gemini 2.5 Pro Personalization | Gemini 2.5 Flash Gemini 2.5 Pro Personalization |
Flow動画生成 | Veo2連携 1000クレジット (上限あり) | Veo3連携 12500クレジット (上限最大) |
Whisk画像→動画変換 | Veo2連携 1000クレジット (上限あり) | Veo2連携 12500クレジット (上限最大) |
NotebookLM使用 | 上限5倍の音声概要 ノート作成サポート | 使用上限最大 |
Googleアプリ連携 | Gemini in Gmail Gemini in Google ドキュメント Gemini in Google Vidsなど | Gemini in Gmail Gemini in Google ドキュメント Gemini in Google Vidsなど (最大利用上限で使用可) |
ストレージ容量 | 2TB | 30TB |
YouTube Premium | 利用不可 | 個人プランが含まれる |
Project Mariner | 利用不可 | 早期アクセス可能 |

Gemini CLI/Android Studio経由での無料枠
開発者向けのGemini CLIやAndroid Studioは、ツール自体の利用が無料です。
さらに、モデルの利用に関しても、個人利用なら十分な無料枠が用意されています。
負担なく試せるため、プロトタイピングや学習用途に最適です。
ツール | 無料枠上限 | コンテキストウィンドウ | 備考 |
---|---|---|---|
Gemini CLI | 1分あたり60回 1日合計1,000回まで無料 | 最大100万トークン | 端末や VS Codeなど、任意のシェルで実行可能。 Gemini APIキーを設定し、公式の従量課金に移行可能。 |
Android Studio | 1か月につき18万回まで無料 (個人向け) | 最大100万トークン | コード補完・レビュー・チャットなど IDE 内機能が対象。 VS Code等の拡張版でも同じ無料枠が適用されます。 |
Gemini CLIで始めるGemini AgentModeの使い方

Gemini CLIは、ターミナル操作だけでGemini Agent Modeを試せる開発者向けツールです。
Windows環境を中心に、Node.jsの導入からインストール、認証、動作確認までを解説します。
Node.jsのインストール
まずは、Gemini CLIの動作に必要なNode.jsを準備しましょう。
ご自身の環境に合った内容を選択(ここでは「x64」「Windows」)し、「Windows インストーラー(.msi)」をインストールします。

インストールしたファイルを開き、案内に従い「Next」を押していきましょう。
このとき、npm(Node.js公式のパッケージ管理ツール)も一緒にインストールされます。

ターミナルアプリを開き、以下のコマンドを入力します。
node -v
npm -v
バージョン番号が表示されれば、Node.jsとnpmが正しく導入されたことを確認できます。

Gemini CLIのインストール
Node.jsの準備ができたら、Gemini CLIをインストールします。
ターミナルに以下のコマンドを入力・実行し、Gemini CLIをインストールします。
npm install -g @google/gemini-cli

インストール完了後、以下のコマンドでGemini CLIにログインします。
gemini

初回ログイン時には、ターミナル画面でカラー選択をします。
デフォルトカラーが選択された状態でEnterキーを押せばOKです。

続けて、アカウントのログイン画面が表示されます。
ここでは、Googleアカウントでログインします。

認証が完了すると、Gemini CLIが利用可能になります。


まとめ
本記事では、GoogleのGemini Agent Modeについて解説しました。
開発者向けと一般消費者向けの2種類があり、それぞれ特長があります。
主なポイントは以下の通りです。
- 一般向けは米国限定だがVPNで体験可能
- 開発者向けはCLIやAndroid Studioで利用可能
- 無料枠が用意されており、日本でもすぐ試せる
GeminiのAgent Modeは目標を理解し、自律的に計画・実行できるAIです。
ぜひ活用して、開発や日常タスクを効率化してみましょう。