
OpenAIは7月9日、最新モデル群「GPT-5.6」を正式に一般提供しました。ラインナップは、最上位モデルの「Sol」、日常業務向けに性能とコストのバランスを取った「Terra」、大量処理に適した低コストモデル「Luna」の3種類です。ChatGPT、Codex、OpenAI APIで順次利用できるようになり、用途に応じてモデルと推論の強度を選べる構成になりました。
GPT-5.6は、コーディング、ナレッジワーク、サイバーセキュリティ、科学分野などで性能を高めたモデルです。OpenAIによると、最上位のGPT-5.6 Solは、より少ないトークン数と低い推定コストで高い成果を出すことを重視して訓練されました。長時間にわたる専門業務ワークフローを評価する「Agents’ Last Exam」では、GPT-5.6 Solが53.6を記録し、Claude Fable 5のadaptive reasoningを13.1ポイント上回ったということです。medium reasoningでもFable 5を11.4ポイント上回り、推定コストは約4分の1に抑えられました。

新機能として、より高い性能を引き出す「ultra mode」も導入されました。ultraでは、標準で4つのエージェントを並列に動かし、複数の作業を同時に進めながら結果を統合します。OpenAIは、BrowseComp、SEC-Bench Pro、Terminal-Bench 2.1などの評価で、並列エージェントによりスコアと処理速度の両面が改善したと説明しています。APIでは、Responses APIのmulti-agent betaを通じて、開発者が同様の仕組みを構築できます。
実務面では、資料作成や業務文書の生成にも重点が置かれています。Slack、Notion、Microsoft 365、Google Driveなどにある文脈を扱い、プレゼンテーション、文書、スプレッドシートといった共有可能な成果物に変換できるとされています。特にプレゼンテーションでは、参照デッキのレイアウトや文字組み、色、スライドマスターのルールを読み取り、新しい資料へ反映する能力が向上しました。
安全対策も強化され、OpenAIはGPT-5.6について、これまでで最も堅牢なセーフガードを導入したと説明しています。サイバーセキュリティや生物学の能力は向上した一方、どちらの分野でもCriticalしきい値は超えていないとしています。
API料金は100万トークンあたり、Solが入力5ドル、出力30ドル、Terraが入力2.50ドル、出力15ドル、Lunaが入力1ドル、出力6ドルです。GPT-5.6は、高性能化だけでなく、コスト効率、エージェント連携、実務成果物の品質まで含めて改善したモデル群と位置付けられます。
出典:GPT-5.6: Frontier intelligence that scales with your ambition | OpenAI
