
画像生成AIで知られる米Midjourneyは、医療分野の新事業「MIDJOURNEY MEDICAL」を発表し、全身を対象とする大型の画像検査装置「Midjourney Scanner」を披露しました。同社は、MRIに匹敵する情報量を、スパを訪れるような気軽さで取得できる仕組みを目指すとしています。
Scannerは、同社が「全身超音波コンピュータ断層撮影(full body, ultrasonic, computational tomography)」と説明する技術を採用します。利用者は浅い水槽に入り、台の上で水中へゆっくり下降します。その途中で、約50万個の微細な素子から成る水中センサーリングを通過します。各素子はスピーカーとマイクの役割を兼ね、全方位から超音波を送り、身体を通過・反射した波を記録する仕組みです。

発表によると、スキャンに要する時間は60秒以内が目標です。センサーは毎秒数百万回の頻度で波を記録し、装置全体では毎秒テラバイト級のデータが生成されるといいます。同社は、1秒分のスキャンデータをHD動画に置き換えた場合、約500時間分に相当すると説明しました。集めたデータは大規模な計算基盤で処理され、水、皮膚、脂肪、筋肉、骨などを通る際の波形の変化から、体内の画像を再構成します。
同社は、再構成画像とAIによる領域識別を組み合わせ、ミリメートル未満の精度で身体の3Dマップを作成する構想を示しました。画像はMRIに近い見え方を持ち、MRIと比べてほぼ100倍の速度を目指すとしています。ただし、画質や診断性能は、今後の研究試験で検証される段階です。
Midjourneyは2027年、米サンフランシスコ中心部で「Midjourney Spa」を開設する計画です。ホットタブやサウナなどを備えた施設で、スキャンを日常的な体験に組み込む考えです。2028年には都市展開と第3世代機への更新を進め、2031年までに世界で5万台超を配備し、月10億回のスキャン能力を実現する目標を掲げました。
一方、診断目的の医療機能には通常、米食品医薬品局(FDA)の承認が必要です。同社は当初、詳細な身体組成マップの提供から始め、機能拡張に向けて試験結果をFDAへ継続的に提出する方針を示しています。現時点で、装置の価格、一般提供の開始時期、個別の医療承認状況は明らかにされていません。
