AIを活用したいけれど、どのツールを選べばよいか迷っていませんか?
この記事では、Google AI Studioの特徴や使い方、そしてGeminiとの違いを詳しく解説します。
無料で利用できるGoogle AI Studioの始め方や、AIモデルの選び方、基本的な操作から料金まで、幅広くカバーしています。
この記事を読み終える頃には、Google AI Studioを使ってAIプロジェクトを始められるようになるでしょう。
Google AI Studioとは?Geminiとの違いやVartex AIとの違い
Google AI Studioは、Googleが提供する生成AI開発プラットフォームで、主に「Gemini」モデルを無料で試せる環境を提供しています。
AIモデルのプロトタイピングや開発を支援し、初心者から上級者まで幅広く利用されています。
ユーザーは、プロンプトの入力や出力の調整、APIキーの発行など、多様な機能を活用できます。
Google AI Studioで使えるモデル一覧
Google AI Studioでは、さまざまなAIモデルが利用可能です。
これらのモデルは、異なるタスクやプロジェクトに応じて選択することができます。
- Gemini 1.0 Pro
- Gemini 1.5 Pro
- Gemini 1.5 Pro 002 (New)
- Gemini 1.5 Pro Experimental 0827
- Gemini 1.5 Flash
- Gemini 1.5 Flash 002 (New)
- Gemini 1.5 Flash-8B (New)
- Gemini 1.5 Flash Experimental 0827
- Gemini 1.5 Flash 8B Experimental 0924 (New)
- Gemma 2 2B
- Gemma 2 9B
- Gemma 2 27B
Geminiとの違い
Google AI Studioを通じてGeminiモデルを利用することには、多くのメリットがあります。
まず、Studio経由であれば、最新のGeminiモデルの機能に即座にアクセスできるため、開発者は新しい技術をタイムリーに活用することができます。
たとえば、新たにリリースされたモデルを待つことなく、すぐに試すことができる環境が整っています。
さらに、Gemini 1.5 Proモデルは200万トークンのコンテキストウィンドウを提供しています。
この大容量のコンテキストウィンドウによって、一度に多くのデータや長文を処理することが可能となります。
長い文章や複雑なデータの分析を行う際には、この広いコンテキストが大きな助けとなります。
Geminiの詳細はこちらの記事で詳しく説明しています。
Vartex AIとの違い
Vartex AIは、Google Cloud上で提供される統合AI開発プラットフォームです。
このプラットフォームは、AIモデルのプロトタイピングからデプロイまでの全工程をサポートしています。
Vartex AIは、企業向けにカスタマイズされたソリューションを提供し、大規模なAIプロジェクトにも対応可能です
複雑なビジネスソリューションを求めるのであれば、Vartex AIが適していますが、手軽にAI技術を試したい場合はGoogle AI Studioが便利です。
Google AI Studioの料金は無料
Google AI Studioは、基本機能を無料で利用できます。
無料プランでは、使用できるトークン数やリクエスト数に一定の上限があります。
具体的には、Gemini 1.5 Proの場合、1分あたり2回のリクエストが可能で、1分あたり32,000トークンまで使用できます。また、1日に行えるリクエストは最大50回までです。
これを超えると従量課金制が適用されますが、多くのプロジェクトでは無料枠内で十分に活用できます。
使用するモデルによって上限は異なるため、詳細は公式サイトの料金ページをご確認ください。
Google AI Studioの始め方
Google AI Studioを利用するには、Googleアカウントの作成が必要です。
アカウントをお持ちでない場合は、作成後にログインを完了してください。
利用規約が表示されるので、同意のチェックを入れ、「続行」をクリックします。
以下の画面が表示されれば、ログイン完了です。
左側のメニューから次の機能を利用できます。
メニュー名 | 内容 |
---|---|
Create new prompt | 新しいプロンプトを作成し、AIに指示を与える機能です。 特定のタスクや質問に応じた応答を得ることができます。 |
New tuned model | 特定のタスクに最適化されたAIモデルを調整し、 より高品質な出力を得る機能です。 |
My library | 作成したプロンプトやモデルを保存・管理し、再利用できます。 |
Prompt Gallery | 多様なプロンプト例が集められたギャラリーで、 効果的なプロンプト作成の参考にできます。 |
Developer documentation | Google AI StudioやGemini APIの使用方法が記載された 開発者向けドキュメントです。 |
Developer forum | フィードバックや問い合わせを送信できる窓口です。 |
Gemini API for Enterprise | エンタープライズ向けに設計されたAPIで、 企業がAI機能をアプリケーションに統合する際に利用します。 |
Google AI Studioの基本的な使い方
このセクションでは、Google AI Studioの基本的な使い方について詳しく説明します。
モデルの選択や設定、チャットの入出力方法、チャット履歴の管理までを、初心者でも直感的に理解できるよう解説します。
これらの機能を活用することで、AIプロジェクトをより効率的に進めることができます。
モデルの変更とセッティング
「Create new prompt」画面の右側にある「Run settings」にてAIモデルの変更やその他の詳細な設定が可能です。
「Run settings」で設定できる項目は以下の通りです。
設定項目 | 内容 |
---|---|
Model | 使用するAIモデルを選択できます。 プロジェクトに応じて適切なモデルを選び、実験的な開発やデータ解析に活用可能です。 |
Token Count | 使用するトークン数を確認できます。 |
Temperature | 出力のランダム性を調整します。 値が高いと多様で創造的な出力、低いと一貫性のある出力になります。 |
Tools | 出力形式(JSON等)の変更ができます。 |
「Advanced Settings」では、さらに詳細な設定が行えます。
「Advanced Settings」で設定できる項目は以下の通りです。
設定項目 | 内容 |
---|---|
Safety settings | 生成されるコンテンツの安全性を管理します。 不適切な内容が生成される可能性に基づいてフィルタリングを実施し、 デフォルトでは中程度以上の確率でフィルタリングが適用されます。 |
Add stop sequence | 特定の文字列が生成された際にテキスト生成を停止させます。 |
Output length | 生成されるテキストの出力長を指定します。 |
Top K | 次に選ばれる単語を、確率が高いK個の単語から選択します。 Kが1の場合、最も確率の高い単語が選ばれます。 Kの値を大きくするとより多様な選択が可能です。 |
Top P | 累積確率に基づき、単語を選択します。 この設定は多様性と一貫性のバランスを取るために使用されます。 低い値だと決定的な出力、高い値だと多様性が増します。 |
チャットの入出力とSystem Instructions
プロンプト入力欄に質問内容を入力し、「Run」をクリックします。
今回は、以下のようなプロンプトを入力しました。
おすすめのAIツールを教えてください。
すると、AIが以下のように回答を生成します。
プロンプト入力画面にある「+」ボタンをクリックすると、ファイルをアップロードできます。
「System Instructions」を使用して、文章のスタイルや出力形式を指定できます。
例えば、「中学生でも理解できる文章にする」と入力すると、AIがそのスタイルに沿った文章を生成します。
チャット履歴の名称変更と保存
「Enable Autosave」をクリックし、Googleの認証を完了すると、チャット履歴が自動保存されるようになります。
「Settings」の「Save Settings」から自動保存を解除することも可能です。
上部の「鉛筆マーク」をクリックすると、編集画面が開きます。
「Prompy name」にチャットのタイトル、「Description」に説明文を入力し「Save」をクリックして、保存します。
「MY library」にて保存したチャット履歴をいつでも確認できます。
まとめ
Google AI Studioは、初心者から上級者まで利用できる無料のプラットフォームです。
Geminiモデルを活用してプロンプトのカスタマイズやモデルのチューニングが可能で、AI開発の新たな可能性を広げます。
モデルの選択やチャットの入出力、パラメータの調整など、基本的な使い方を理解することで、効果的にAIプロジェクトを進められるでしょう。
ぜひGoogle AI Studioを試してみてください。