
OpenAIは6月4日、ChatGPTにより高性能で拡張性のあるメモリシステムを導入すると発表しました。今回の更新は、ChatGPTがユーザーの好みや進行中のプロジェクト、制約などをより正確に把握し、会話ごとの文脈を引き継ぎやすくすることを目的としています。まずは米国のPlusおよびProユーザー向けに提供され、今後数週間で追加の国やFree、Goユーザーにも展開される予定です。
ChatGPTのメモリ機能は、2024年4月に「保存されたメモリ」として導入されました。当初は、ユーザーが「覚えておいて」と明示的に伝えた情報を今後の会話に反映する仕組みでした。ただし、保存されなかった情報は扱いにくく、時間の経過によって古くなった内容が残るなどの課題もありました。
OpenAIは2025年4月、過去のチャット履歴を参照しながらメモリを自動的に整理する「dreaming」と呼ばれる仕組みを導入しました。今回発表された新しいメモリアーキテクチャは、このdreamingを基盤にしたもので、複数の会話から得た情報を統合し、より新しく関連性の高い文脈を回答に反映できるようにしています。ユーザーが明示的に記憶を依頼しなくても、自然な会話の中で示された好みや状況を扱いやすくなる点が特徴です。
新システムでは、ChatGPTが把握している内容をメモリ概要ページで確認できます。ユーザーはそこから、自分に関する情報を追加・更新したり、不要な内容を修正したりできます。また、どのような話題をいつ扱うべきかを指示することも可能です。これにより、メモリの利便性を高めながら、ユーザー自身が記憶内容を管理・調整しやすい設計になっています。
OpenAIは、良いメモリの条件として、有用な文脈を引き継ぐこと、好みや制約に従うこと、時間の経過に合わせて最新状態を保つことを挙げています。同社の評価では、事実想起のタスク成功率は2024年の41.5%から2026年には82.8%に向上しました。

好みへの追従は31.4%から71.3%へ、時間経過後の正確性は9.4%から75.1%へ改善したとしています。

また、直近の改善により、dreamingを提供するために必要な計算量は約5分の1に削減されました。これにより、Freeユーザーへの展開が現実的になったほか、PlusおよびProユーザーのメモリ容量を増やすことも可能になりました。OpenAIは、今回の更新を同社で最も高性能なメモリシステムと位置付け、今後すべてのユーザーに共通するメモリ基盤として改善を続ける方針です。
出典:Dreaming: Better memory for a more helpful ChatGPT | OpenAI

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