
Elon Musk率いるxAIが提供する「Grok」の動画生成機能は、画像やテキストから短尺映像を自動生成できる最新AIツールです。
Normal/Fun/Spicyといったモードが選べ、なかでも注目のSpicyモードでは、他社AIでは制限される自由度の高い表現も可能です。
この記事では、Grok動画生成のやり方からSpicyモードの使い方、さらに「表示されない」という場合の原因と対処法まで詳しく解説します。
Grokの動画生成とは?仕組みと特徴をわかりやすく解説

xAIの「Grok」に搭載された動画生成機能の仕組みを解説します。Grok自体については以下の記事で解説しています。

画像から短尺映像を作るプロセスや対応環境、動画仕様を整理して紹介します。
画像から動画を作るGrokの基本構造と仕組み
Grokの動画生成は、ユーザーが指定した静止画をもとにAIが動きを加え、6秒の短尺動画を生成する仕組みです。
風景写真なら木々の揺れや水面の動き、人物画ならカメラアングルの変化などを自動で補完してくれる点が特徴です。
動画には効果音やBGMも付与され、スマホで気軽に共有できるサイズに最適化されています。
対応環境と料金プラン(無料枠・有料プランの違い)
Grokの動画生成機能は、スマートフォン向けの専用アプリで提供されており、iOS版ではすでにフル機能が利用可能です。
Android版も順次対応が進んでいますが、2025年11月時点では、Web版やX公式アプリでは動画生成は未対応、もしくは限定的であったり機能が最新でない場合があります。
料金体系は基本無料ですが、1日あたりの生成回数には上限があります。なお、有料プランの「X Premium」や「SuperGrok」へ加入すると上限が大幅に拡張されます。
| 項目 | 無料 | X Basic | X Premium | X Premium プラス | SuperGrok (Web・アプリ) | SuperGrok ヘビー (Web・アプリ) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 月額料金 | 無料 | ¥344 | ¥918 | ¥6,080 | Web:$30 | Web:$300 |
| 年額料金 | 無料 | ¥287/月 | ¥765/月 | ¥5,003/月 | $300 | $3,000 |
| 利用制限 | あらゆる機能に制限 | 緩和 | 緩和 | ほぼ無制限 | ほぼ無制限 | ほぼ無制限 |
| 利用可能モデル | Grok 3 | Grok 3 | Grok 3 | Grok 4 | Grok 4 | Grok 4/Grok 4Heavy |
| 動画生成 / Imagine | 制限あり | 高速 | 高速+優先 | 最優先 |
また、Spicyモードは当初有料限定でしたが、現在は年齢確認済みの無料ユーザーにも段階的に開放されています。

動画の長さ・音声・保存形式などの仕様まとめ
Grokの動画生成(Imagine機能)では、出力される動画の長さは平均6秒前後の短尺クリップです。動画はループ再生に対応し、SNSで共有しやすい形式に最適化されています。
映像には自動で効果音や簡易BGMが付与され、内容に応じて波音や音楽などが挿入されます。
保存形式はMP4で、スマートフォンのカメラロールに直接ワンタップで保存可能です。
生成スピードは6秒動画なら数秒〜10秒程度で完了し、即座にX(旧Twitter)へ投稿できます。
| 項目 | 仕様 | メモ/注意点 |
|---|---|---|
| 動画の長さ(尺) | 6秒 | 内容やモードにより変動。 |
| 再生方式 | ループ対応 | 短いクリップを繰り返し再生する想定。 |
| 音声 | 自動付与(効果音/簡易BGM) | 雰囲気重視の簡易音。必要に応じて編集で差し替え可。 |
| 保存形式 | MP4 | スマートフォンのカメラロールへ保存可。 |
| 生成時間 | 数秒〜十数秒程度 | 長尺・高品質設定ほど時間が延びる傾向。 |
| 共有 | X(旧Twitter)などへ直接投稿可 | 端末保存後の二次編集・再エンコードも可能。 |
Grok動画生成のやり方をステップごとに解説(iOS・Android対応)

スマホアプリで実際に動画を生成する手順を詳しく紹介。
画像の選択から保存方法、各モードの違いまで、初心者でも迷わず使えるように解説します。
なお、機能やアプリのUIについては仕様が変更になる可能性があります。
Imagine機能を使った基本手順:手持ちの画像から生成する場合
手持ちの画像から動画を生成する手順を解説します。
Grokアプリを起動すると下のように最初に「話す」の画面が表示されます。
下にあるメニューから「Create Videos」を選択します。

「作る」という画面に遷移しますので、動画にしたい画像を選択します。

下のように自動的に動画化が開始され、パーセンテージが進みます。

ダウンロードアイコンをタップすれば生成された動画をカメラロールに保存することができます。

また、「Edit Vedeo」の欄にプロンプトを入力して、好みの動作などを指示することも可能です。
今回生成された動画はこちらです。
Imagine機能を使った基本手順:画像生成から始める場合
プロンプトを入力し、Grok内で画像を生成してから動画を作成する方法を解説します。
先ほどと同じように「作る」の画面に遷移し、下の入力欄にプロンプトを打ち込みます。

いくつかの画像が表示されます。
動画化したいものをタップします。

「動画を作成」をタップすると動画化が始まります。

なお、画像一覧画面で各画像の右下にある矢印のアイコンを長押しすると動画モードを選択して動画化を開始することも出来ます。

動画が生成されます。
生成された動画は前述のように保存や「Edit Video」からの編集、「Options」からモードの切り替えが行えます。

Normal・Fun・Spicy各モードの違いと出力傾向
動画生成で選択できる3つのモードを解説します。
| モード | 主な用途・狙い | 出力傾向 (動き・演出) | 推奨ケース | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| Normal | 元画像に忠実で自然な仕上がりにしたい | 控えめで自然なアニメーションが中心。原画の構図・被写体を崩しにくい。 | 初回の試行、人物や製品写真など破綻を避けたい素材、基準比較用に最適。 | Normalで生成して品質を確認。必要に応じて他モードへ切り替える。 |
| Fun | 遊び心やインパクトを出したい | 誇張表現や派手な演出が入りやすく、想定以上に動きを盛る傾向。 | ミーム・SNS向けの目を引く短尺、ダイナミックな動きで印象を強めたい場合に最適。 | 元画像の忠実度が下がることがあり。過剰演出が不要な案件には不向き。 |
| Spicy | 表現の自由度を高めたい(ヌードなど大人向け表現が可) | ガードが他社AIと比較して緩く、刺激的な演出が通りやすい一方、最低限のモデレーションは作動。 | 自己責任でのクリエイティブ検証や、制約下で出せない表現の検討時に限り使用推奨。 | 年齢確認とセンシティブ設定が前提。違法・著作権侵害・実在人物の不適切利用などは厳禁。環境により利用条件が異なる。 |
動画保存・共有のやり方と注意点
Grok 動画生成の結果はプレビュー後、共有メニュー(上向き矢印のアイコン)からMP4としてXやInstagramへ投稿、もしくはURLの送信ができます。

Xは既定でミュート再生のため、効果音・BGMを聞かせたい場合は注記を添えると安心です。
Spicyモード生成時は、動画の内容によっては投稿時にセンシティブ設定を付与するようにしましょう。
Grok Spicyモードの使い方と有効化の手順

自由度の高いSpicyモードを使うための条件や設定方法を紹介。
年齢確認・センシティブ設定・サブスク要件など、利用前に確認すべきポイントを整理します。
利用前の前提条件(年齢確認・センシティブ設定・サブスク要件)
Spicyモードを利用するには、まず18歳以上であることの確認が必要です。
Xアカウントのプロフィール欄で正しい生年月日を登録しておくと自動で判定されます。
次に、センシティブコンテンツの表示設定をオンにしましょう。
センシティブコンテンツの表示設定は、Xの設定ページ内「Contents you see」のメニューから下のように変更できます。

この2つを満たすとImagine機能のモード選択にSpicyが表示されます。
なお、日本では段階的なロールアウトが行われているようで、環境によってはまだPremium+やSuperGrok加入者のみが利用可能な場合も考えられます。
Spicyモードの有効化
モードの切り替え方は簡単で、下のように生成画面の右下にある「Options」をタップするとモードを切り替えることができます(2025年11月3日時点では、筆者の環境では無料プランでもSpicyモードが表示されています)。

モード選択後、プロンプトで出力内容を調整することができます。
利用時に注意すべきガイドラインと著作権・肖像権の配慮点
Spicyモードは強力な一方で、倫理面・法的リスクへの配慮が欠かせません。
たとえ生成自体が可能でも、違法または規約違反のコンテンツを作成・共有することはxAIのポリシーにより禁止されています。
You are free to use our Service as you see fit so long as you use it to be a good human, act safely and responsibly, comply with the law, do not harm people, and respect our guardrails:
出典:xAI Acceptable Use Policy
- Comply with the law. For example, don’t use our Service or Outputs to promote or engage in illegal activities, including:
- Violating copyright, trademark, or other intellectual property law
- Violating a person’s privacy or their right to publicity
- Depicting likenesses of persons in a pornographic manner
- The sexualization or exploitation of children
- Operating in a regulated industry or region without complying with those regulations
- Defrauding, defaming, scamming, or spamming
- Espionage, spying, stalking, hacking, doxing, or phishing
上記に規定されている内容として具体的には、実在の人物(芸能人や知人)のヌードやポルノ的、暴力的なシーンの合成は厳禁です 。非合意のディープフェイクはプライバシー侵害や名誉毀損に当たるため、Grokの規制以前に法律上大きな問題となります。
また未成年を含む性的表現も絶対に禁止です 。
これらは生成しようとしてもGrok側でブロックされますが、万一すり抜けてしまった場合でも絶対に公開しないでください。
元画像には著作権を侵害しない素材を使い、自作またはライセンス上問題のない画像のみを利用してください。
また、露出度の高い動画をX上などで共有する場合は必ず「センシティブ」設定を付与し、不特定多数に公開しない慎重な対応を心がけましょう。
生成結果は自己責任で確認し、不適切な内容は破棄するのが安全です。
Grok Spicyモードがない・表示されないときの原因と対処法

Spicyモードや動画生成メニューが表示されない原因をケース別に解説。
アプリの設定・環境・サブスク要件など、順に確認できるチェックリストを提示します。
基本的なチェックポイント:アップデート・再ログイン・再起動
Spicyモードが表示されない場合は、まずアプリを最新バージョンに更新(App Store/Google Play)されているかを確認し、更新および再起動を行ってみてください。
次にGrokアプリとXの両方で一度ログアウト→再ログインします。
改善しないときは端末とアプリを再起動し、バックグラウンドの競合を終了してみましょう。
前提設定の確認:年齢制限・センシティブ設定・地域・サブスク要件
それでも表示されない場合は、まず年齢設定とセンシティブ表示の有効化を確認しましょう。
プロフィールに18歳以上の生年月日が登録されていないと利用制限がかかります。
次に、XアプリまたはGrokアプリの設定で「センシティブコンテンツを表示」をオンにしてください。
さらに、提供地域やサブスク要件も関係します。
日本ではPremium+またはSuperGrok加入者を中心に先行提供されており、無料ユーザーでは順次開放中です。
条件を満たしていないとSpicyが非表示になる場合があります。
環境差による提供状況:iOS・Android・Webでの違い
Grok 動画生成 アプリでは、iOS/Android/Webで提供状況に差が出る場合があります。
例えばiOS版では動画生成機能が既に実装されており、Android版・Web版では一部機能が制限されているという報告があります。
アプリの最新版確認や、機種・地域・契約プランなどの条件を見直し、設定欄で「Imagine」機能が表示されているか、モード選択画面が現れるかをご確認ください。
Grok動画生成に関するよくある質問(FAQ)

動画の長さや無料回数、テキスト生成の可否など、Grok動画生成で多く寄せられる疑問をまとめました。
初心者がつまずきやすいポイントをQ&A形式で解説します。
動画の長さ・音声の扱い・無料回数の制限について
Grok 動画生成では、出力される動画の長さは6秒ほどの短尺で、SNSでの共有を想定した設計になっています。
動画には自動でBGMや効果音が付与されますが、音声の有無を手動で選択することはできません。
無料ユーザーは1日あたりの動画生成回数の制限が低く、それを超えると翌日まで待機が必要です。
X Premium以上の有料プランでは生成回数が大幅に増え、通常の利用では制限を体感することは少なくなります。
エラーが出たときの対処法とモード変更・リトライのポイント
Grok 動画生成でエラーが出る場合は、まず通信環境とアプリのバージョンを確認し、最新版に更新してください。
生成が途中で止まる場合は一度アプリを再起動し、「Imagine」から再度動画化を試します。
モードによるエラーも多く、SpicyやFunで失敗する際はNormalに切り替えると安定しやすいです。
「Content moderated」などと表示されて処理が停止する場合は、AIによるモデレーション(生成内容の監視と拒否)が作動しています。
これは許容範囲を超えた表現の動画生成を試みた場合や、年齢未設定でセンシティブなプロンプトを入力した場合、禁止事項(実在人物の性的表現など)に抵触した場合に発生します。
生成できる範囲はサブスクリプションプランによっても変わる可能性があります。
この場合は年齢確認を済ませ、プロンプト内のNGワードや元の画像素材を調整して再試行してください。
まとめ
Grokでは、Imagine機能を使えば誰でも数秒で映像を作成できます。
NormalやSpicyなど複数のモードがあり、用途や表現の自由度に応じて選択できます。
もし「Grok Spicyモードがない」など表示上の問題が起きた場合は、年齢設定・センシティブ設定・サブスク要件を確認しましょう。
環境差もあるため、最新バージョンを保つことが安定利用の鍵です。
