
ChatGPTの深津式プロンプトは、note株式会社のCXOである深津貴之氏が考案したプロンプト形式です。
この方法は、生成AIを最大限に活用するために特化しており、初心者でも簡単に入力できるテンプレートが豊富に揃っています。
本記事では、深津式プロンプトの基本から、実際にコピペして使える具体例、さらに応用的な使い方までを詳しく解説します。
ChatGPTの深津式プロンプトとは?note株式会社のCXO深津貴之氏によって考案

深津式プロンプトは、note株式会社のCXO(最高体験責任者)である深津貴之氏が考案した、ChatGPTをはじめとする生成AIを効果的に活用するためのプロンプト設計方法です。
このプロンプト形式は、AIに対する指示をより明確かつ具体的にすることで、ユーザーの期待通りのアウトプットを得ることを目的としています。
深津式プロンプトは以下の動画で具体的に語られています。
要点をまとめると、以下の6つの内容を意識してプロンプトを作成するというものになります。
- 役割を明確にする
- 与えられた情報をもとに成果物を作る
- 何を出力するかを明確にする
- マークアップ言語を用いて本文以外を明確にする
- 命令を箇条書きで明快にする
- 条件を設定して出力結果をコントロールする
以下にそれぞれ解説します。
特徴①:役割を明確にする
最初のポイントは、ChatGPTに対して「役割」を定義することです。
例えば、「記事を書いて」とだけ頼むと、AIは一般的な知識から平均的な文章を作成します。
しかし、「あなたは100万PVを持つプロのWebライターです」と役割を与えることで、AIは選ぶ言葉、構成の組み方、読者への語りかけ方をその役割に合わせてチューニングします。
現在のChatGPTには、カスタム指示で「回答のトーン」や「パーソナリティ」を文章で指定できますが、それはあくまで全体を通したベースの設定です。

チャットごとに「Pythonの熟練エンジニア」「冷静なデータアナリスト」といった、用途に合わせた異なる具体的な職能を呼び出したい場合には、プロンプト内で明確に「役割」を指定する方法が効果的です。
具体的には以下のプロンプトを参考にしてください。
あなたは、データサイエンティストです。
以下の質問に対して、専門家としての視点から回答してください。
特徴②:与えられた情報をもとに成果物を作る
深津式プロンプトの大きな特徴は、「入力文(Input)」と「命令」を分けるという考え方です。
AIに対して「0から何かを生み出させる」のではなく、「与えられた情報をもとに、成果物を作る」という処理装置としての役割を意識させます。これにより、AIが事実に基づかない情報を勝手に作り出す「ハルシネーション」を減らす効果が期待できます。
特に現在は、長文の議事録や大量の資料データなど、一度に読み込める情報量が膨大になっています。
情報量が多いからこそ、「ここからここまでが参照すべき入力データですよ」と範囲を明確にするこのアプローチが、回答の精度を保つために不可欠です。
具体的には以下のプロンプトを参考にしてください。
#命令書:
以下の「#入力文」をもとに、要約を作成してください。
自身の知識で補足せず、入力文にある事実のみを使用してください。
#入力文:
(ここに要約したい議事録やニュース記事を貼り付ける)

特徴③:何を出力するかを明確にする
深津式の3つ目の特徴は「ゴール(成果物)の形」を定義することです。
単に「教えて」「まとめて」と言うだけでは、AIは箇条書きにするべきか、作文にするべきか、あるいは表形式にするべきか迷ってしまいます。
「要約を出力して」「HTMLコードで出力して」「表形式で比較して」と、具体的なフォーマットを指定することで、あとの修正作業を減らすことができます。
具体的には以下のプロンプトを参考にしてください。
#命令書:
ユーザーへの回答を作成してください。
#出力形式:
・重要なポイントを3箇条書きで出力
・その後に、200文字程度の解説文を出力
・小学生にもわかる平易な言葉を使うこと
特徴④:マークアップ言語を用いて本文以外を明確にする
人間は、文脈を見るだけで「ここは見出しだな」「ここは本文だな」と判断できますが、AIにとってはただの文字列の羅列に見えてしまうことがあります。
そこで、「#(ハッシュマーク)」などの記号(マークアップ言語)を使って、文章の構造を明示します。
「#命令書」「#入力文」のように見出しをつけることで、AIは「どこからどこまでが指示で、どこからが処理対象のテキストなのか」を正確に区別できるようになります。
特に、現在のような長文コンテキストを扱える環境では、この区切りがないとAIが指示と入力文を混同してしまうミスが起きやすくなります。
具体的には以下のプロンプトを参考にしてください。
#命令書:
あなたはプロの要約ライターです。
以下の#入力文を要約してください。
#入力文:
(ここに要約したい長い文章や議事録を貼り付ける)
特徴⑤:命令を箇条書きで明快にする
AIへの指示は、ダラダラとした長文で書くよりも、箇条書きにした方が認識精度が高まります。
「〜をして、その後〜をして、あ、それから〜もしないでください」といった話し言葉のような指示は、AIにとって優先順位がつけにくく、一部の指示を見落とす原因になります。
やるべきことをリスト化することで、AIは上から順に処理条件を確認でき、指示の抜け漏れを防ぐことができます。
具体的には以下のプロンプトを参考にしてください。
#命令内容:
以下のステップで処理を行ってください。
1. 入力文の誤字脱字を修正する
2. 「だ・である」調に書き換える
3. 重要なキーワードを3つ抽出する
特徴⑥:条件を設定して出力結果をコントロールする
深津式プロンプトの最後の特徴は「制約条件」です。
制約条件では「やってほしいこと」だけでなく、「やってはいけないこと」や「具体的な数値目標」を指定し、出力のブレを最小限に抑えます。
最新のAIモデルは非常に表現力が豊かですが、それゆえに勝手に話を広げすぎたり、長くなりすぎたりする傾向があります。「文字数」や「禁止事項」を制約条件として縛ることで、ビジネスですぐに使えるシャープな回答が得られます。
具体的には以下のプロンプトを参考にしてください。
#制約条件:
・文字数は400文字程度に収めること
・小学生でも理解できる平易な言葉を使うこと
・「しかし」「ですが」といった逆接の接続詞を多用しないこと
・出力形式はMarkdownの表形式とすること
コピペOK!深津式プロンプトの汎用的に使えるテンプレート

以下は、すぐに使える具体的な深津式プロンプトのテンプレート例です。
命令書:
あなたは、{特定の役割(例: SEOの専門家)}です。
以下の制約条件と入力文をもとに、最高の結果を出力してください。
制約条件:
- 文字数は200文字以内
- 日本語で回答してください
- 箇条書きで答えてください
入力文:
「SEOにおける重要なポイントを3つ教えてください」
出力文:
このテンプレートを利用すると、AIは具体的な役割を持ち、制約条件に沿った明確な回答を提供します。
例えば、SEOに特化した情報を求める場合、このテンプレートを使用して、具体的かつ的確なアドバイスを得ることができます。
以下、出力例です。

深津式プロンプトの応用

深津式プロンプトは、様々な分野で応用可能です。
例えば、コンテンツマーケティングやカスタマーサポート、製品開発などで、ターゲットに合わせた情報を生成するために活用されています。
また、逆質問やベストプラクティスの出力、点数評価などを組み合わせることで、さらに効果的なプロンプトを作成することができます。
【応用編】深津式プロンプトシステム①:逆質問を使う
自分のプロンプトに抜け漏れがないか不安な場合は、AIに「逆質問」をさせるテクニックが有効です。
プロンプトを作る際、人間側がすべての前提条件を完璧に言語化できるとは限らないため、「作業を始める前に、足りない情報があれば質問して」とAIに投げかけます。
これにより、AIとの間で前提条件のすり合わせができ、手戻りなく一発で精度の高い回答を引き出すことが可能です。
具体的には以下のプロンプトを参考にしてください。
以下の【タスク】を実行してください。
ただし、いきなり回答を作成するのではなく、最高の結果を出すために私から提供すべき追加情報や不明点があれば、先に箇条書きで逆質問をしてください。
【タスク】
(例:新入社員向けのビジネスマナー研修のカリキュラム作成)
出力例

【応用編】深津式プロンプトシステム②:ベストプラクティスを出力させる
ベストプラクティスの出力は、自分が正解やセオリーを知らない業務(新規プロジェクトの企画や、未経験の作業など)をAIに手伝ってもらうシーンで有効なテクニックです。
先にセオリーを言語化させることで、AIは回答を作るための道筋や注意点を自分自身で整理します。
「AI自身が書き出したセオリー」をルールとして守りながら最終的な回答を作成するため、ただ漠然と「これを作って」と指示を出すよりも高品質なアウトプットが得られます。
具体的には以下のプロンプトを参考にしてください。
以下の【テーマ】に関するベストプラクティスを3つ挙げ、それを基準にして【作成したいもの】を作成してください。
【テーマ】
(例:BtoB向けITツールの新規営業メール)
【作成したいもの】
(例:アポ獲得のためのメール文面案)
出力例

【応用編】深津式プロンプトシステム③:点数評価をさせる
AIに回答を作らせた後、その回答の質をさらに限界まで引き上げる「自己採点」のテクニックです。
単に「もっと良くして」と修正を依頼するのではなく、出力された回答をあえて「60点」と仮定し、AI自身に「100点の回答との差分」を分析させます。
この手法の最大のメリットは、人間側の想像力や知識を超えた「改善点」をAI自身に見つけさせることができる点です。
これは以下の動画で語られたプロンプトです。
具体的には以下のプロンプトを参考にしてください。
では、この出力を60点とします。これを60点とした時に100点とはどのようなものですか?
100点にするために足りないものを列挙した後に、100点の答えを生成してください
出力例

まとめ
深津式プロンプトは、AIを活用する上で非常に有用なツールです。
初心者でも簡単に使えるテンプレートを提供することで、より正確で役立つ情報をAIから引き出すことができます。
さらに、応用編で紹介したテクニックを組み合わせることで、プロンプトの効果を最大化し、ユーザーにとってより価値のある回答を得られます。
深津式プロンプトを使いこなすことで、ChatGPTをはじめとする生成AIを最大限に活用できるようになるでしょう。このプロンプト形式をベースに、自身のニーズに合わせた工夫を加えてみてください。
