
最近発表されたEleven Musicとはどんなツール?
そんな疑問に答えつつ、Eleven Musicの使い方から料金、商用利用の条件までを整理しました。
各プランの違いや注意点、生成楽曲を安全に活用するための手順やチェックポイントも解説。動画制作や広告音楽など幅広い場面で役立つ情報をまとめています。
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Eleven Musicとは? 特徴と競合比較

Eleven Musicは、AI音声分野で知られるElevenLabsが2025年8月に提供開始した最新のAI音楽生成サービスです。
テキスト入力だけで多言語ボーカルやBGMを自在に作曲でき、幅広いジャンルとムードに対応します。
ここでは、その特徴や機能、そしてSunoやSoundrawなど主要な競合サービスとの違いを見ていきます。
サービス概要
Eleven Musicは、2025年8月にElevenLabsがリリースしたAI音楽生成サービスです。これまで高品質なAI音声生成で知られてきた同社が、音楽分野にも本格参入しました。ユーザーはテキストで曲のジャンルやムード、歌詞を入力するだけで、数十秒〜数分でBGMやボーカル付き楽曲を生成できます。
ElevenLabsについては以下の記事を参照してください。

特徴的なのは、多言語のボーカル生成に対応している点です。英語や日本語はもちろん、他の主要言語でも自然な発音の歌声を生成可能で、グローバル展開を視野に入れたコンテンツ制作に最適です。BGM制作だけでなく、歌入りの楽曲もワンストップで完成させられます。
さらに、ElevenLabsが培ってきた音声合成技術がベースになっているため、ボーカルの自然さと表現力は競合の中でもトップクラス。単なるメロディ生成ではなく、感情や抑揚を伴った人間らしい歌声を再現できます。これにより、商業音楽や広告、映像作品にもそのまま使えるクオリティが実現されています。
モデルの主要機能
Eleven Musicのモデルは、ジャンル・ムード・言語・ボーカル生成の4つの要素を組み合わせて曲を構築します。これにより、ユーザーはプロンプトで非常に細かいニュアンスを指定でき、制作意図に沿った楽曲を短時間で得られます。
ジャンルはポップス、ロック、ジャズ、クラシックなど幅広く、ムード設定では「エネルギッシュ」「切ない」「幻想的」といった感情表現も可能です。これにより、広告BGMやゲーム音楽、YouTube用BGMなど用途ごとの最適化が簡単に行えます。
また、生成された曲はセクション単位で編集可能です。イントロ、サビ、アウトロを個別に生成・差し替えできるため、汎用的なBGMから構成のある歌モノまで幅広く対応できます。こうした柔軟性が、従来のテンプレ型音楽生成サービスとの差別化ポイントとなっています。
主な競合AI音楽生成サービスとの比較
AI音楽生成分野には、Suno、SOUNDRAW、Udio、Mubert、AIVAなど複数の競合サービスが存在します。これらはいずれも自動作曲機能を提供していますが、商用利用の可否や著作権の取り扱いはサービスによって大きく異なります。
以下の表で、主要なサービスの商用利用可否やボーカル対応、著作権形態を比較しました。
商用利用可否 | ボーカル対応 | 著作権形態 | |
---|---|---|---|
Eleven Music | 有料プランのみ | 多言語ボーカル | 商標ライセンス契約により 合法的にクリアな商用利用可 |
Suno AI | 有料プランのみ | 歌詞付き楽曲生成あり | 無料プランは非商用、 有料プランは楽曲の所有権がユーザー |
SOUNDRAW | 全プラン可 | ボーカル非対応 | 使用許可が広いが、 著作権はサービス側に帰属 (契約中は永続使用可) |
Udio | 全プラン可 ※無料生成はクレジット表記必須 | ボーカル生成あり | 著作権は生成者に付与されるが、 既存楽曲との類似性確認が必要 |
Mubert | 有料プランのみ | ボーカル非対応 | 著作権はMubertが所有、 使用権を購入する形 |
AIVA | 有料プランのみ | ボーカル非対応 | 標準プランでは著作権はAIVAが所有、 上位プランでは著作権が付与 |
Eleven MusicはMerlin社やKobalt社との提携による著作権クリアランスが特徴で、音楽の権利面で安心して利用できます。この点が、競合との大きな差別化ポイントになっています。
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Eleven Musicの商用利用について

Eleven Musicは、Merlin社やKobalt社との提携により、生成した楽曲を商用利用できるライセンス環境を整えています。広告や映像作品、配信コンテンツなど、ビジネスシーンで安心して活用できるのが大きな魅力です。商用利用の条件や注意すべき制限もあわせて整理します。
商用ライセンスが付与される仕組み
Eleven Musicでは、生成した楽曲に対して商用利用が可能なライセンスを付与する仕組みが整っています。ただし、これはすべてのユーザーが自動的に得られるわけではなく、契約プランや利用条件によって権利範囲が変わります。
無料プランの場合、商用利用は制限されるため、商業プロジェクトで使う場合は有料プランへのアップグレードが必須です。
このライセンス制度は、ElevenLabsがMerlin社やKobalt社といった音楽権利管理会社と提携していることにより実現されています。これにより、生成された楽曲が既存の著作権作品を侵害しないよう配慮され、ユーザーが安心して利用できる環境が整っています。
利用可能な商用シナリオと制限事項
商用ライセンスを取得すれば、広告、YouTube動画、ゲームBGM、店内BGMなど、あくまで生成楽曲を補助的・背景的に活用する形で幅広いビジネスシーンに対応できます。また、多言語ボーカル機能を活用すれば、グローバル市場向けの映像作品やキャンペーンにも容易に適用可能です。
一方で、生成楽曲を主コンテンツとした形態は不可です。具体的には、生成曲そのものを販売する行為(音楽配信ストアへの登録やCD化)、ポッドキャストやラジオ番組などで生成曲そのものを直接配信する行為は制限対象となります。
また、配信については、商用ライセンスでも、StarterプランおよびEnterpriseプランでは禁止されています。こうしたケースでは、事前に利用規約を確認し、必要に応じて追加の権利許諾を受ける必要があります。
著作権・ライセンス条項の要点
Eleven Musicにおける生成楽曲の著作権は、ElevenLabsまたは提携する権利管理会社(Merlin社、Kobalt社)に帰属します。ユーザーには、生成楽曲の商用利用権がライセンスとして付与される形となっており、生成物の所有権はElevenLabs側にあります。つまり、ユーザーは商用利用を許可されたライセンス利用者としてサービスを利用することになります。
有料プランに加入することで、サービス利用規約の範囲内において生成楽曲の商用利用が可能となり、動画制作や広告音楽など幅広いビジネスシーンで安心して活用できます。
Commercial Use.
i. If Customer is on the Free Plan, it agrees to use Outputs generated from Music solely for lawful, internal, personal, and non-commercial purposes. Commercial use is expressly prohibited on the Free Plan.
ii. If Customer is on any other plan (e.g., Starter, Creator, Pro, Scale, or Business), commercial use of Outputs is permitted, subject to these Service Terms and any applicable additional limitations.
i. 無料プランの場合、生成された出力物は合法的で内部的、個人的、非商業的な目的のみに使用することに同意します。商用利用は無料プランでは明示的に禁止されています。
ii. その他のプラン(例:Starter、Creator、Pro、Scale、Business)では、商用利用が許可されており、これらのサービス利用規約および適用される追加の制限に従う必要があります。
出典: Eleven Music v1 Terms
ただし、商用利用が許可されている一方で、生成楽曲を主なコンテンツとして音楽ライブラリやリポジトリを構築することは禁じられています。これは音楽配信市場への直接的な参入や楽曲単体での頒布を防ぐための重要な制限です。
Prohibited Commercial Contexts.
Customer may not use Music to generate songs for the purpose of compiling a commercial music library or repository.
顧客は、商業用の音楽ライブラリやリポジトリを構築する目的で音楽を生成することはできません。
出典: Music Terms
また、利用プランによって制限が細かく異なり、Starterプランでは音楽ストリーミングサービスへの配信が明確に禁止されています。一方で、Creatorプラン以上ではこの点に関する条文が明確に記されていないため、詳細な運用ルールは公式の案内やサポートにて確認することをおすすめします。
こうした制約を踏まえたうえで、Eleven Musicの生成楽曲は動画や広告のBGMなど多様な用途に適した商用素材として利用できるため、利用規約をしっかり理解したうえで活用することが重要です。
トラブル回避のチェックリスト
以下の項目を確認することで、より安全にEleven Musicを利用することが出来ます。
- 利用プランの確認
-
無料プランでは商用利用不可なので、商用利用する場合は必ず有料プランにアップグレードしているか確認する。
- ライセンス範囲の把握
-
生成楽曲の所有権はElevenLabs側にあることを理解し、利用はライセンス範囲内で行うこと。特に商用利用が許可されている内容や禁止事項を把握する。
- 禁止行為の遵守
-
商業用音楽ライブラリやリポジトリの作成目的での利用は避ける。音楽ストリーミングサービスなどでの配信が禁止されているプランの場合は、それを守る。
- 楽曲の用途を明確にする
-
動画や広告のBGM、ゲーム内音楽など補助的・背景的用途であることを確認する。
- 権利確認・管理
-
生成楽曲に偶然似た既存作品がないか確認し、問題があれば権利面を慎重に調査する。
- 利用規約や公式ガイドの定期的チェック
-
サービス利用規約や公式の商用利用ガイドは更新されることがあるため、最新情報を随時確認する。
- トラブル時の問い合わせ先を把握
-
権利や利用方法で疑問や問題が生じた場合、ElevenLabsの公式サポートに速やかに問い合わせる。
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Eleven Musicの料金プランと選び方

Eleven Musicには、無料から始められるプランと、用途に応じた有料プランが用意されています。
利用回数や生成時間に応じたクレジット制を採用しており、追加課金で柔軟に対応可能です。
ここでは各プランの特徴と、目的別の選び方を解説します。
無料プランと有料プランの比較
Eleven Musicは無料プランと有料プランを提供しており、利用目的や制作頻度に応じて選択できます。無料プランでは一定数のクレジットが付与され、デモ制作を試すのに適していますが、商用利用は不可となります。
一方、有料プランでは商用ライセンスが付与され、同じ長さの楽曲でもより多くの編集や再生成が可能になります。
有料プランの上位グレードになるほど、利用可能なクレジット数が増え、編集や修正の自由度が高まります。また、生成時間や同時生成数の制限も緩和されるため、大量の制作案件を抱えるユーザーにも向いています。
無料プランからのアップグレードはいつでも可能で、制作量や案件規模に応じて柔軟に移行できます。
さらに、年額契約を選択すると2か月分の割引が適用されるため、長期利用を前提とする場合は年額プランがお得です。
特に、継続的な案件や定期配信コンテンツを制作するユーザーは、コストを抑えつつ安定した制作環境を確保できます。
項目 | Free | Starter | Creator | Pro | Scale | Business | Enterprise |
---|---|---|---|---|---|---|---|
月額料金 (USD / JPY) | $0 (¥0) | $5 (約¥750) | $22 (約¥3,300) 初月半額 | $99 (約¥15,000) | $330 (約¥50,000) | $1,320 (約¥200,000) | カスタム契約 |
月間生成上限 | 11分 | 30分 | 250分 | 500分 | 1,500分 | 4,000分 | 応相談 |
ダウンロード | 不可 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
商用利用 | 不可 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能(条件応相談) |
主な制限・特徴 | ダウンロード不可 | 生成上限・品質は限定的 | プランの標準品質 | 生成上限・分析機能が強化 | ビジネス・大規模運用向け | 大規模企業向け | カスタム契約による柔軟対応 |
クレジット消費と追加課金の目安
Eleven Musicでは楽曲生成にクレジット制が採用されています。無料プランでは毎月1万クレジットが付与され、これでおおよそ3曲(2バージョン生成)を制作可能です。
クレジットは初回の生成プロンプト入力時のほか、編集時に大幅な変更を加える場合にも消費されます。歌詞の微細な修正などではクレジットは発生しないとされていますが、テンポ調整やセクションの追加など再生成を伴う操作では、初回と同程度のクレジットが必要となるケースが多く見られます。
このクレジット制により、プランごとに大規模な編集を行える余裕が異なります。どのプランでも基本的な編集は可能ですが、編曲や構成の大幅な作り直しを繰り返す場合は、上位プランのほうが制作フローを途切れさせずに進められます。
Creatorプラン以上では、クレジットが不足した場合は利用クレジットに基づく従量課金制も利用できますが、基本的にはプランのアップグレードで対応する形になります。
利用目的別のおすすめプラン
個人での試作やSNS投稿用なら無料プランで十分ですが、案件での納品や商用映像の制作には有料プランが必須です。特に広告、YouTube動画、企業案件など明確な商用利用を伴う場合は、最初からStarterプラン以上の商用ライセンス付きプランを選びましょう。また、配信を伴うコンテンツで利用する場合はCreatorプラン以上がおすすめです。
満足のいく楽曲生成や、編集・アレンジをしっかり行いたいユーザーには、Creatorプラン以上が推奨されます。例えば、4分半程度のオフボーカル楽曲の曲調変更など大規模な編集を繰り返すケースでは、無料プランや下位プランの制限により途中で上限に達する可能性が高いためです。Creatorプラン以上であれば、より柔軟かつ効率的に制作作業を進められます。
音楽制作頻度が高いユーザーや複数案件を同時進行するクリエイターは、クレジット数が多い上位プランを利用することでクレジット追加の手間や課金頻度を減らせます。また、テレビやラジオなどの大規模なコンテンツでの利用では、EnterpriseプランでEleven Music側の許可を得る必要があります。
長期的に利用する場合は年額契約の方がコストパフォーマンスに優れます。
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Eleven Musicの使い方 | 初めての楽曲生成手順

Eleven Musicは、アカウントを作成すればすぐに曲作りを始められるシンプルな操作性が特徴です。
テキストで指示するだけで高品質な音楽が生成でき、編集やボーカルの多言語化も直感的に行えます。
初めての利用でも迷わないよう、具体的な手順を順を追って紹介します。
アカウント作成と初期設定
ここでは細かく新規登録方法を説明します。
実際の画面に従って記載してありますので、迷わず登録できます。

初めにサイトのレイアウトスタイルを訊かれるので答えていきます。どちらでも構いません。

上のスタイル(今回はダーク)に合わせて色が変わっています。これらの項目を埋めていきます。

スキップしてもいい項目ですが、このページから登録する場合は右上のBlog項目が当てはまります。

ここでは左側のMusicが入っている方を選びましょう。現在選択されている状況です。

これについては選択してもしなくても構いません。画面はすべて選択した図になっています。

アカウント作成時点で料金プランを選ぶことになります。ひとまずSkipしてFreeプランで試しに曲を生成してみてからでもプランの選択はできますので、ここで選ばなくても構いません。

無事に登録が完了しました。この後赤枠のMusicプロダクトを押すとこの画面にたどりつけるので、ここから曲を生成していきます。
テキストプロンプトで曲を生成する手順
Eleven Musicの曲生成は、テキストプロンプトの入力から始まります。これは日本語の自然言語で入力しても反映されます。ジャンルやムード、言語、歌詞などを自由に指定でき、細かいニュアンスも反映されます。

赤枠部分で一度に何バージョン生成するか(この場合は2バージョン)、水色枠の部分で曲の長さ(今回はAuto)が設定可能です。テキストプロンプトについては日本語も対応しているので、このような形で「自分が生成したい曲の傾向」を詳細に書いて、Generateボタンを押すことで生成できます。

書いたプロンプトに対して自動的にスタイルが割り振られます。例えば今回は「ヒーリングミュージック、ボーカルなし」と指定したため、Include stylesにhealing, Exclude stylesにvocalsが含まれています。2バージョン作成された曲は、作成後赤枠部分で切り替えることで聞き比べることができます。
生成ボタンを押すと数十秒で楽曲が完成し、プレビューやダウンロード(Freeプラン以外)が可能です。楽曲はセクション単位で構成されているため、イントロやサビだけの再生成も簡単に行えます。
セクション編集と多言語ボーカルの活用例
生成画面全体はこのような形になっています。ここから曲の編集を行っていきます。

生成後の楽曲は、赤枠部分でまた自然言語での全体指示をすることができます。上記の画像ではどうしても早口になる日本語部分があったので、そこを抑止してほしいという意図で指示したところ、その指示に従ってまた2バージョン生成されました。
他にも、セクション単位で編集や差し替えを行ったり、セクションの追加や削除も可能であり、曲の構成を自由にカスタマイズすることができます。これにより、イントロや間奏の長さ調整など、細かなアレンジがしやすくなっています。

歌詞を変更したい場合は変更したいブロック自体に直接描き込むことで、変更が可能です。

多言語対応については、楽曲生成時に日本語や英語など複数の言語で入れてほしい歌詞を入力可能であり、生成後も編集画面で歌詞を直接打ち込むことで変更可能です。ただし、日本語ボーカルについては、実際に生成される歌詞と画面上の表示が完全には一致しないケースが見受けられ、編集による調整も難しい場合があります。
現時点では日本語ボーカルの精度には改善の余地があり、英語ボーカルの方が安定している印象です。多言語ボーカル機能は今後のアップデートに期待される部分でもあります。
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まとめ
Eleven Musicは、2025年8月に提供を開始したElevenLabsのAI音楽生成サービスで、テキスト入力だけで高品質な多言語ボーカルやBGMを手軽に作曲できます。商用ライセンスが整備されているため、広告や動画制作など幅広いビジネスシーンで安心して利用可能です。
競合サービスと比べて、直感的な操作性と充実した商用利用の権利保護が大きな特徴であり、無料プランから始めて徐々にニーズに応じて有料プランにアップグレードする柔軟な料金体系も魅力です。
Eleven Musicを利用する際はアカウント登録から簡単に始められ、テキストプロンプトでの楽曲生成やセクション単位での編集、複数言語の歌詞入力など多彩な機能を活用できます。今後のアップデートでさらに精度や使い勝手が向上することが期待されるため、生成AIを使った音楽制作に興味がある方はぜひ試してみてください。
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