GeminiのPersonalizationとは?使い方と料金!検索履歴でパーソナライズ

Gemini Personalizationとは、Googleの生成AI「Gemini」がユーザーの検索履歴や利用傾向を学習し、よりパーソナライズされた応答をする新機能です。

Geminiのパーソナライズ機能を活用することで、より自分らしい応答が得られる一方で「どこまで履歴が使われるのか?」といった不安も少なくありません。

本記事では、Gemini Personalizationの使い方、安全性や活用例まで、詳しく解説していきます。

目次

Gemini Personalizationとは?

Gemini Personalizationとは、Googleの生成AI「Gemini」とユーザーの検索履歴や利用傾向を連携させ、よりパーソナライズされた応答を返してくれる新機能です。

パーソナライズ機能を使用することで、日々の情報収集はもちろん、マーケティングや調査、業務資料の作成など、ビジネスシーンにも幅広く役立てることができます。

パーソナライズ機能の仕組み

生成AI「Gemini」に新たに搭載されたパーソナライズ機能では、検索履歴やGemini内の会話履歴など、Googleアカウントに紐づいたアクティビティ情報が連携されています。

例えば「いい本ある?」といった曖昧な質問でも、「子育て」「エッセイ」を検索していた人と、「BtoBマーケティング」「生成AI」を検索していた人とでは、応答内容が異なります。

より興味、関心が反映されたパーソナライズされた回答を得ることができます。

Gemini Personalizationは、Gemini (無料版) および Gemini AI Pro/Ultra (有料版) の両方で利用可能です。

Geminiで検索履歴を連携するメリット

Gemini Personalizationを活用すると、以下のようなメリットがあります。

  • パーソナライズした回答を効率的に受け取れる
  • 検索意図まで読み取った回答を得られる

Gemini Personalizationなら、「短時間で質の高い意思決定をしたい」「膨大な情報の中から、自分にとって重要な情報を効率的に把握したい」といったニーズを解決することができます。

「新しい企画提案をサポートして下さい」といった、ざっくりとした質問に対しても、“よくリサーチする業界”“本のジャンル”“提案書類の作り方”など、過去の関心や検索ワードを踏まえた上で回答を得ることができます。

また、検索ワードだけではなくなぜそれを検索しているのか、検索の意図までを汲み取りサポートしてくれます。

今回、例として「過去の検索履歴に基づき、気を付けるべき確定申告のポイント」とGeminiに質問をしました。

以下のように過去の検索ワードが、どういう背景で検索されているのかを予測し、応答してくれました。

思考の流れを言語化せずとも、必要な情報のみを受け取れることも、Gemini Personalizationのメリットです。

Geminiで検索履歴を連携するデメリット

一方でGemini PersonalizationとGoogleアカウントを連携させるデメリットもあります。

  • 機密情報がGeminiに記録されるリスクがある
  • 自分好みのバイアスがかかる恐れがある

Geminiと連携させているGoogleアカウントで、社内の機密情報や水面下で進めているプロジェクトの素案などを検索すると、検索履歴がGeminiに記録され回答内容に反映されてしまいます。

そのため常に「Geminiの履歴として残してもいい情報なのか」を考えながら作業する必要があり、作業効率が下がったり、情報漏洩のリスクがあったりします。

また、高性能が故に情報がパーソナライズされすぎてしまう恐れもあります。

文章の書き方の癖など、過去に作成した自分のテキストよりも、一般的な書き方例を優位にしたい場合にはGemini Personalizationは不向きです。

Gemini Personalizationの使い方と管理方法

Gemini Personalization機能を使うには、利用設定が必要になります。

以下で、ウェブ版とモバイルアプリ版の設定・操作方法を紹介していきます。

ウェブ版での有効化手順(PCブラウザ)

まずは、ウェブ版でGemini Personalizationを有効化する手順を説明します。

4つのステップで簡単に利用設定ができ、一度設定すれば、STEP4の手順だけでいつでも手軽にパーソナライズ機能を使用することができます。

STEP
GoogleアカウントでGeminiにアクセス

まずは連携させたいGoogleアカウントでGeminiにアクセスして下さい。

STEP
ウェブとアプリのアクティビティ設定を確認

次に、Googleアカウント上で、履歴の保存設定を有効化します。

デフォルトで “有効化”されていますが、Geminiと連携するデータが保存されているかを確認してください。

右上のGoogleアカウントのアイコンをクリックし「Googleアカウントを管理」を選択します。

「データとプライバシー」のタブにある「履歴の設定」から「ウェブとアプリのアクティビティ」が“オン”になっていれば、検索履歴がアカウント上に保存されています。

STEP
Geminiアプリ アクティビティをオンにする

Geminiのホーム画面に戻り、GeminiとGoogleアカウントに保存された検索履歴の共有を許可します。

左上の三本線のメニューの最下部「設定とヘルプ」から「アクティビティ」を選択してください。

「Geminiアプリ アクティビティ」を「オンにする」に変更しましょう。

アクティビティについての説明がポップアップで表示されますが、全て「オンにする」を選択し、初期設定は完了です。

STEP
モデルをパーソナライズにして利用開始

最後に、画面左上「Gemini」のロゴの下にある、モデルを選択するタブから「パーソナライズ」を選択すれば、パーソナライズ化された回答を得ることができます。

接続してもいいかどうかの確認が表示された場合は「今すぐ接続」を選択してください。

STEP1〜3の手順が完了していれば、次回以降はSTEP4だけでパーソナライズ機能を使用できます。

モバイルアプリ版での有効化手順(iOS/Android)

次に、モバイルアプリ版でGemini Personalizationを有効化する手順を説明します。

モバイルアプリ版は、iOSとAndroidのどちらでも使用できます。

4つのステップで簡単に利用設定ができ、ウェブ版同様、一度設定をすれば、STEP4の手順だけでいつでも手軽にパーソナライズ機能を使用することができます。

STEP
Geminiアプリを開きます

まずは、インストールしたGeminiアプリを起動させてください。

Geminiアプリは、こちらからインストールできます。

iOS:https://apps.apple.com/jp/app/google-gemini/id6477489729

Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.google.android.apps.bard&hl=ja&pli=1

STEP
ウェブとアプリのアクティビティ設定を確認

次に、Googleアカウント上で、履歴の保存設定を有効化します。

デフォルトで “有効化”されていますが、Geminiと連携するデータが保存されているかを確認してください。

右上のGoogleアカウントのアイコンをクリックし「Googleアカウントを管理」を選択します。

「データとプライバシー」のタブにある「履歴の設定」から「ウェブとアプリのアクティビティ」が“オン”になっていれば、検索履歴がアカウント上に保存されています。

STEP
Geminiアプリ アクティビティをオンにする

同じく右上のGoogleアカウントのアイコンをクリックし「Geminiアプリ アクティビティ」を「オンにする」を選択してください。

アクティビティについての説明がポップアップで表示されますが、全て「オンにする」を選択し、初期設定は完了です。

STEP
モデルをパーソナライズにして利用開始

最後に、画面上部「Gemini」のロゴの下にある、モデルを選択するタブから「パーソナライズ」を選択するだけで、パーソナライズ化された回答を得ることができます。

STEP1〜3の手順が完了していれば、次回以降はSTEP4だけでGemini Personalizationを使用できます。

パーソナライズ機能をオフにする方法

Gemini Personalizationはいつでもオフにすることができます。

オフにする方法としては、

  • パーソナライズ機能をオフにする
  • 履歴ごと削除する

の2つがあります。

有効化の手順にあった「Geminiアプリ アクティビティ」を「オフにする」を選択することで、パーソナライズ機能をオフにすることができます。

以降のGeminiとの会話の中で、検索履歴がGeminiに利用されることはありませんが、オンにしている間のGeminiとの履歴は全て保存されたままになります。

また、履歴ごと削除をしたい場合は「オフにしてアクティビティを削除」を選択してください。

特定のプロジェクトの背景や、好みのトンマナなど、今までのGeminiとの会話履歴や設定が全てリセットされ、より一般的な応答となります。

機密性の高い情報をGeminiに入力してしまった際などに、限定的な場面での利用をお勧めします。

連携した検索履歴の管理方法

Gemini Personalizationでは、活用されたくない検索履歴を個別に削除して管理することが可能です。

部署異動で扱う情報が変わったときや、一時的にプライベートな検索をしたときなど、全ての履歴を削除するには抵抗はあるが、一定期間の検索履歴をGemini Personalizationに反映させたくないときに便利です。

履歴を管理するには「Geminiアプリ アクティビティ」の「削除」タブから期間を選んで、アクティビティを削除してください。

料金プランの比較とおすすめ

Gemini Personalizationは無料プランでも利用できますが、有料プランではより高度なモデルや大容量の履歴参照が可能になります。

ここでは、料金プランや機能を比較しながら最適なプランの選び方を解説していきます。

無料版とGoogle AI Pro/Ultraの違い

Geminiの有料版には、Google AI ProとGoogle AI Ultraの2種類があります。

今回は、Gemini Personalizationを活用することに着目して比較していきます。

スクロールできます
プラン料金基盤モデルパーソナライズ機能コンテキストウインドウGems
(カスタム版Gemini)
無料版0円2.5 Flash/2.5 Proへの限定アクセス100万トークン限定的
Google AI Pro2,900円/月2.5 Pro/2.5 Pro Deep Thinkへの限定アクセス100万トークン
200万トークンに拡張予定
フルアクセス
Google AI Ultra36,400円/月2.5 Pro Deep Think
非常に複雑な数学やコーディングに対応
100万トークン
200万トークンに拡張予定
フルアクセス
最高レート制限

無料版でもGemini Personalizationを使用できますが、有料版のGoogle AI Pro/Ultraを使用することで、より高性能モデルでの処理が可能となり、応答の深さや判断力が大きく向上します。

パーソナライズ機能における有料版のメリット

今後、Google AI Pro以上に実装されている基盤モデルGemini2.5 Proは、コンテキストウインドウが200万トークンまで拡張予定であると発表されています。

200万トークンというと、英語の小説16冊分もの処理が可能と言われています。

Gemini Personalizationが、有料版ユーザーから先行で提供されてきたように、有料版ユーザーなら最新機能や実験的な機能に優先的にアクセスできる場合があります。

最先端のAI技術を誰よりも早く取り入れたい場合には、有料版が最適です。

また、Geminiで使用できるGemsも注目されている機能の一つで、Geminiに役割を指定してオリジナルチャットボットを作ることができます。

有料版ユーザーなら、フルアクセスで使用することができます。

「同じ条件下で、何度も質問をしたい」「Geminiに会話を学習させたい」場合など、より高度な処理を行いたい人は、有料版を検討しましょう。

Gemini パーソナライズ機能の活用例

Gemini Personalizationは具体的にどのようなシーンで役立つのか。

ここでは、ビジネスパーソンが使用することを前提に、パーソナライズ機能の活用例を見ていきましょう。

最新トレンドの把握・分析での活用方法

Gemini Personalization機能を活用することで、ユーザーの興味・関心のある業界を推察し、最新情報だけでなく、ユーザーの“検索の癖”に基づき、把握できていない新たな視点を受け取れます。

Gemini パーソナライズに、以下のようなプロンプトを入力するだけで、効率的に情報収集することができます。

プロンプト

最新トレンドと網羅できていない情報を教えてください。

上記のプロンプトの入力結果は以下の通りとなります。

たった一文で、最新情報とアイデアが提示され、より深いリサーチに移ることができます。

スキル習得に向けた活用方法

新しいツールやスキルの学習にも、パーソナライズ機能を活かせます。

Gemini Personalizationに、以下のようなプロンプトを入力するだけで、ユーザーに合わせた学習プランが作成されます。

プロンプト

新しいスキルや資格を取得するための、お勧めと学習プランを提示してください。

上記のプロンプトの入力結果は以下の通りとなります。

「ITスキルを習得するため」など、ジャンルを指定することで、より具体的なプランが作成されます。

Gems(カスタムAI)や他のGoogleアプリとの連携事例

Gemsとは、Gemini内に自分専用のチャットボットを作成できる機能のことです。

Geminiに特定のポジションを与え、目的やトンマナを指定するだけで簡単に作成できます。

以下で、Gemsを作成する手順と事例を紹介します。

STEP
Gemsを起動させる

Geminiの左上、三本線のメニューから「Gemを表示」をクリックします。

STEP
+Gemを作成でカスタマイズをする

「+Gemを作成」を選択すると、Gemsをカスタマイズする画面に移行します。

なおGemsには、Googleが作成したものも用意されており、手軽に試すこともできます。

STEP
Gemsの設定をします

管理するための名前と、どのようなGemsにするかを指定していきます。

STEP
チャット機能をはじめましょう

Gemsの設定が完了したら、通常のGeminiと同様に相談したいことを入力していきます。

何度も同じ設定をしなくても、STEP3の設定が保存され、常に同じ立場で応答してくれます。

Gemsは、ファイルやドライブから資料をアップロードすることもできます。

検索履歴と合わせて使用することで、よりパーソナライズされた応答を得ることができます。

プライバシーと安全性

GeminiのPersonalization機能は便利である一方、膨大な量の履歴がGeminiと連携されてしまうため、データの扱いについて不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

ここでは、どのようなデータがGeminiに共有されるのか、パーソナライズによって起こりうるリスクと対策、履歴の削除方法について解説します。

共有されるデータの範囲とリスクとは?

Gemini Personalization機能を有効にすると、以下の情報がGoogleに共有され、Geminiの回答に活用されます。

Gemini Personalizationで連携される情報
  • Geminiとのチャット履歴
  • 検索履歴
  • Google Workspace連携(Gmail、Googleドキュメントなど)

例えば、共有を有効化していれば、業務で検索したキーワードや自社名、競合他社との比較に関する履歴などもGeminiが参照できる状態になります。

その結果、社内プロジェクトの意図や今後のプランなどがGeminiに共有されるリスクが発生します。

特に、複数人でログイン状態を共有している端末や、業務で扱う機密性の高い情報を扱う部署では注意が必要です。

社内利用時の注意すべきポイント

Gemini Personalizationを業務で使う際は、用途別にGoogleアカウントを細かく分けることと、使用したいときだけ“オンにする”ことの2点を意識しましょう

GeminiはGoogleアカウントごとに紐づけられています。個人用と業務用を分けることで、プライベートな情報が業務に反映されることがなくなります。

また、同じ業務内のアカウントでもパーソナライズ機能の“オン・オフ”は区別していきましょう。

履歴の共有をオフにしている間の情報は共有されないため、パーソナライズ機能を使用したい場合でのみ“オンにする”ことも安全に使用する上でのポイントになります。

Gemini Personalizationの精度と利便性を活かしながらも、機密情報やプライベート情報が過剰に共有されるリスクは最小限に抑えることが大切です。

検索履歴を削除する方法

Gemini Personalizationに共有される検索履歴を、個別に削除することも可能です。

万が一、共有をオンにしたまま、連携されたくない情報を検索してしまったときにも、この方法で履歴を削除することができます。

履歴を削除するには、Geminiの「設定とヘルプ」から「アクティビティ」を選択します。

「削除」のタブから、期間を指定して削除しましょう。

まとめ

Gemini Personalization機能は、検索履歴やチャット内容をもとに、自分だけに最適化された回答を提示してくれるAI機能です。

使い方や活用例を押さえることで、リサーチやアイデア出し、データ分析を効率化させることができます。

ただし、Gemini Personalization機能をオンにしている間の履歴は全て連携されてしまうため、業務での利用や社内情報を扱う場面では注意が必要です。

Googleアカウントを用途別に設定したり、機能のON/OFFを切り替えたり、履歴の削除を活用したりすることで、重要なデータが連携されるリスクを減らせます

Gemini Personalizationを活用し、より効率的な情報収集やデータ整理をしてきましょう。

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