
Google AI Ultraとは、YouTube連携や強力なAI機能が特徴の最上位プランで、2025年5月から日本でも提供が始まりました。
Google AI Ultraで何ができるのか、学生は利用可能か、どのような特典があるのか気になる方も多いはずです。
本記事では、Google AI Ultraの全貌をわかりやすく解説します。
Google AI Ultraとは?Gemini 2.5 Pro搭載の高性能AIプラン

Google AI Ultraは、Gemini 2.5 Proモデルを搭載したGoogleの最上位AIサブスクリプションです。
この章では、エンジンの性能と連携可能な主要ツールについて詳しく紹介します。
Gemini 2.5 Proの性能と実用性
Google AI Ultraで採用されているGemini 2.5 Proは、Googleが2025年3月に発表した最新の生成AIモデルです。
最大100万トークンの長大なコンテキストウィンドウを持ち、長文理解や複雑な推論処理に優れた性能を発揮します。
Deep Thinkモードでは、複数の視点を持つ推論が可能となり、ビジネス分析・研究開発・法務レビューなど思考を要するタスクにも適応します。
テキストだけでなく画像・音声・コード・動画といった多様な形式に同時対応するマルチモーダル機能も搭載されています。
Google WorkspaceやChromeと自然に統合される設計により、作業効率や創造性が高まる点も大きな魅力です。
高精度・多機能・拡張性を兼ね備えたGemini 2.5 Proは、日常と業務を結ぶ実践的なAI基盤として活用が期待されます。
Google AI Ultraに含まれる主要ツール
Google AI Ultraでは、テキスト、画像、音声、動画の各メディアに対応した複数のAIツールが統合されています。
代表的なものに、動画生成の「Veo 3」、対話補助の「Gemini Assistant」、AI映画制作支援ツール「Flow」があります。
これらはUltra専用または優先提供される機能であり、他のプランではアクセスできない先進的な体験を可能にします。
たとえばVeo 3では、8K画質で1分以上の動画を生成でき、視覚と音声を統合したシナリオ制作も実現可能です。
高度な表現力を必要とする創作活動にも活用できます。
Google AI Ultraは何ができる?主要機能と活用例

Google AI Ultraでは、従来のAIサービスでは難しかった複雑な生成タスクにも対応できるのが最大の特徴です。
実生活の課題からビジネス領域の分析まで、応用範囲は広く、強力なマルチモーダル処理と長文推論能力によって活用の幅が格段に広がっています。
この章では、実際にどのような機能があり、どう使われるかを具体的に紹介します。
実生活とビジネスで活かせる活用シナリオ
Google AI Ultraは、日常生活から業務効率化まで、幅広い用途で活躍します。
旅行計画の自動作成や、家庭の買い物リスト作成など、個人の生活を支援する場面で威力を発揮します。
一方、ビジネス分野では、議事録の要約、契約書の要点抽出、顧客対応チャットの自動化など、業務の省力化と精度向上に直結します。
Ultraでは長文理解と複雑な要件整理が可能なため、汎用的なAIでは対応できなかったタスクにも対応可能です。
多くのユーザーが実感する「時短と質の両立」が大きな魅力です。
マルチモーダル生成技術の進化と応用
Google AI Ultraでは、テキストにとどまらず、画像、音声、動画といった多様な形式の出力が可能なマルチモーダル生成機能が提供されています。
中でも注目されているのが「Veo 3」による8K映像の生成や「Flow」を用いたストーリーボードからの映像化です。
従来は個別に編集作業が必要だった創作工程を、プロンプトだけで一括実行できる点は特筆すべき進化です。
こうした生成力は、教育、マーケティング、コンテンツ制作の現場で実際に活用され始めており、AIの表現能力が人間の創造性を補完する時代が現実化しています。
コード生成・分析タスクの自動化
Google AI Ultraは、開発業務におけるコード生成やバグ検出、リファクタリングの自動化にも優れた性能を発揮します。
Gemini 2.5 Proに搭載された高度なコーディングモードは、自然言語から複雑なコードスニペットを生成し、既存コードの構造解析や最適化まで対応可能です。
特にUltraでは「Deep Think」により、多段階の推論を通じたエラー検出やロジック整理が可能で、CodeGemmaと連携すれば大規模プロジェクトの効率化も実現します。
人間の確認を前提としつつも、日常の反復作業を大幅に削減できる点が実務レベルでの大きな価値です。
日本国内での提供状況と学生にも対応したGoogle AI Ultraの料金プラン

Google AI Ultraは、現在日本を含む70以上の国と地域で利用可能です。
また、Google AI Proには学生向けの無料提供がありますが、Ultraプランには学割が適用されません。
本章では、国内での提供状況とともに、他プランとの違いや実際の導入コストをわかりやすく解説します。
提供国と日本国内の提供状況
Google AI Ultraは、2025年5月より正式提供が始まり、現在は日本を含む70以上の国と地域で利用可能です。
For now, the Gemini app in Google AI Ultra is available in more than 70 countries & territories
出典:Gemini Apps limits & upgrades for Google AI subscribers
訳:今のところ、Google AI UltraのGeminiアプリは70以上の国と地域で利用可能です
公式情報によれば、Gemini Advanced(Ultra)は日本語を含む多言語に対応しており、アカウントにログインすることで国内からもそのまま利用できます。
対応インターフェースも日本語に最適化されており、英語ベースながらも日本市場への配慮が見られます。
Geminiサポートによれば、これらの提供状況は今後さらに拡大予定です
料金体系とPro・無料版との違い
Google AI Ultraの料金は月額$249.99(36,400円)で、最上位モデルGemini 2.5 Proや、動画生成ツールVeo 3、高度なタスク自動化機能などをフルに活用できます。
これに対し、Google AI Proは月額$19.99(2,900円)で、Gemini 1.5 Proモデルを搭載し、Ultra限定機能は利用できません。
無料版は料金不要ですが、使用できるモデルは制限され、連続対話数やファイルアップロードにも上限があります。
プランごとの違いを以下にまとめました。
項目 | 無料プラン | Google AI Pro | Google AI Ultra |
---|---|---|---|
月額金額 | 無料 | 19.99ドル (2,900円) | 249.99ドル (36,400円) |
使用可能モデル | Gemini 2.5 Flash Gemini 2.5 Pro(Preview) | Gemini 2.5 Pro | Gemini 2.5 Pro Deep Think |
Flow(動画生成) | Veo 2 | Veo 3 | |
Whisk(画像→動画) | Veo 2 | Whisk Animate対応 | |
Project Mariner | 米国のみ早期アクセス可 | ||
ストレージ容量 | 15GB | 2TB | 30TB |
YouTube Premium特典 | 個人プラン付帯(米国のみ) (日本未提供) |
自分の用途に応じて、無料・Pro・Ultraから最適なプランを選ぶことで、AIの価値を最大限に引き出すことが可能です。
学生は使える?学割の有無と現実的対応策
結論から言えば、Google AI Ultraには学割が適用されません。
学割の対象はGoogle AI Proに限られており、2025年6月30日までに申し込むことで、最大15か月間の無料利用が可能です。
この制度は日本を含む特定国の18歳以上の学生を対象に、教育機関発行のメールアドレスによる本人確認が必要です。
学生割引の対象となるのは、米国、英国、インドネシア、ブラジル、日本のいずれかに居住する 18 歳以上の学生です。
出典:Google AI Pro の特典を利用する
Ultraについては月額$249.99(36,400円)で、割引や優待は用意されていません。
ただしProでも、Gemini 2.5 ProやNotebookLMなどの先進機能を十分に活用でき、学術・創作の現場で高い効果を発揮します。
学生にとっては、Proの学割利用が最も現実的かつ費用対効果の高い選択肢です。
Google AI Ultraの登録方法と利用開始までの流れ

Google AI Ultraは、従来のGoogleアカウントを利用して簡単に登録できる設計となっており、特別な操作や設定は不要です。
初めてのユーザーでも迷わず始められるよう、登録条件・支払い方法・ステップごとの流れ・注意点までをこの章で詳しく解説します。
登録前に知っておくべき要素を整理し、スムーズな導入をサポートします。
登録条件と支払い方法
Google AI Ultraの登録は、Googleアカウントを所有していれば誰でも可能で、特別な審査や書類提出は不要です。
登録には、Google Oneのサブスクリプションを通じた支払いが必要で、クレジットカードやデビットカード、Google Payなどが利用できます。
支払い通貨は円のため月額36,400円ですが、今後の為替によって変動する可能性はあります。
また、一部機能には年齢制限(18歳以上)があります。
To use Gemini Apps with a Google AI plan, you must be 18 years of age or older.
(訳:Google AI プランで Gemini アプリを使用するには、18 歳以上である必要があります。)
出典:Gemini Apps limits & upgrades for Google AI subscribers – Gemini Apps Help
Gooele AI Ultraの登録ステップ
Google AI Ultraを利用するには、Google OneのWebページからUltraプランへ登録するのが最も確実な方法です。
GeminiアプリやWebから直接アップグレードできないケースもあるため、Google One経由の手順を推奨します。
ここでは、PCからGoogle One経由の登録方法を紹介します。
Googleアカウントにログインし、上部メニューの「プランを見る」または「アップグレード」を選択します。

公式GoogleOneページは現在の契約情報により「アップグレード」や「プランを見る」が見当たらなない場合や、Ultraが一覧に表示されない場合があります。
GoogleOneページ内の「Google AI」を選択するとUltraのページに遷移します。

「Get offer」を選択するとプラン選択が表示されます。
「Google AI Ultraを利用」を選択します。

契約内容を確認した上で、利用規約に同意します。

クレジットカードまたはデビットカード、GooglePay等のお支払い情報を入力します。
画面に従って決済を行ってください。

支払い完了後、Geminiにアクセスすれば、Google AI Ultraが使用可能になります。
Google AI Ultraプランの登録が完了すれば、自動的にGemini 2.5 Pro Deep ThinkやNotebookLM、Veoなどの高度機能が利用できるようになります。
スマートフォンやタブレットでも、Geminiアプリから同様の登録が可能です。
アプリを開き、プロフィールアイコンをタップして「設定」→「サブスクリプションを表示」から「Google AI Ultra」を選択し、画面の指示に従って登録を完了してください。
Geminiアプリ側に「Ultraへアップグレード」といった直接表示が出ない場合は、Google One経由での登録を推奨します。
Google AI UltraとYouTube Premium特典の対応状況

Google AI Ultraには、YouTube Premiumの個人プラン相当の特典がバンドルされています。
ただし、この特典は現在のところ米国でのみ提供されており、日本を含む他の地域では未対応です。
米国ユーザーの場合、Google AI Ultraに登録するとYouTube Premiumの広告なし視聴、オフライン保存、バックグラウンド再生といった機能が自動的に利用可能になります。
今後のグローバル展開が予定されているため、日本でも利用可能になるタイミングを注視する必要があります。
Google AI Ultraは他社AIとどう違う?ChatGPT Pro・Claude Max比較

生成AIが日常に浸透する中で、どのAIを選ぶべきかは多くのユーザーにとって重要なテーマです。
Google AI Ultra、ChatGPT Pro、Claude Maxはいずれも最新の高度モデルを搭載し、用途によって強みが異なります。
この章では、それぞれのAIが得意とする分野や料金、使い勝手を比較し、選択の指針を明確にします。
言語理解と生成性能の比較
Google AI Ultraに搭載されるGemini 2.5 Proは、100万トークンの長文処理や構文理解に優れ、情報を段階的に整理・統合する力が高いと評価されています。
ChatGPT Proが採用するo3は、対話文脈の保持と自然な応答生成に長けており、創作や多段階プロンプト処理でも安定して対応できます。
Claude Maxが搭載するClaude Opus 4は、構造化された文書や複雑な推論タスクに強く、特に多言語対応や説明力の高さで注目されています。
このように、言語理解と生成性能はモデルごとに特性が異なるため、用途に応じた使い分けが最適解となります。
各AIモデルの違いを以下の表にまとめました。
項目 | Google Gemini 2.5 Pro | Anthropic Claude Opus 4 | OpenAI o3 |
---|---|---|---|
コンテキスト長 | 最大1Mトークン | 最大200Kトークン | 最大200Kトークン |
特化領域 | 深層推論 長文処理 | 文書構造化 安全対話 | 数学推論 コード生成 |
対応データ | テキスト 画像 音声 コード | テキスト 画像 コード | テキスト 画像 音声 コード |
特徴的な強み | Deep Thinkモードによる論理整合 | 高い透明性と誤情報回避能力 | 実務用途に応じた高精度な応答 |
長文推論を極めたいならGemini、文書精度と信頼性を求めるならClaude、業務実用性を重視するならo3が効果的です。
使いやすさ・タスク対応範囲・料金面の分析
高性能AIの導入では、単に性能や価格を比べるだけでなく、操作のしやすさやカバーできる業務領域を総合的に見極める必要があります。
各モデルは、想定するユーザー層や統合可能なツール群が異なります。
Google製品との親和性や日本語UIの有無、音声・画像・映像といったマルチモーダル対応の幅は、使い勝手に大きく影響します。
月額料金もおおむね3万円前後と高額なため、目的とコストのバランスが求められます。
以下は、各モデルの最上位プランを基準に、操作性・タスク対応範囲・月額料金を比較した表です。
モデル | 操作性と特徴 | 対応タスク範囲 | 月額料金(税込) |
---|---|---|---|
Google AI Ultra | Google Workspaceと自然連携 YouTube Premium付属(米国限定) | コーディング 映像生成 業務支援 検索補助 | 36,400円 |
Claude Max 20x | APIとUI両対応 長文処理に強み | 法務レビュー 要約 専門対話 構造的出力 | $200 |
ChatGPT Pro | 音声 画像 動画対応 直感UI Sora ツール統合対応 | 複雑対話 マルチモーダル分析 創作支援 | $200 |
Google AI Ultraは、ChromeやGmailと統合されており、非エンジニアでも日常業務に組み込みやすい設計です。
Claude Maxは高精度な長文応答と安全性が特徴で、法務や研究用途に適しています。
ChatGPT Proは、Soraによる動画生成やツール統合機能により、技術者・クリエイター双方に好まれています。
同水準の料金でも、対応業務や扱いやすさには明確な差があります。
利用目的とスキルに応じて選定することが、導入効果を最大化する第一歩です。
Google AI Ultraを最大限に使いこなすポイント

Google AI Ultraの性能を十分に引き出すには、単なる登録にとどまらず、使いこなしの工夫が欠かせません。
この章では、活用のための具体的なテクニックを紹介します。
使いこなすための工夫・テクニック
Google AI Ultraの性能を最大限に引き出すためには、特にプロンプトの最適化が重要です。
どのモデルにも言えることですが、明確で具体的な指示を与えることで、AIの応答精度が向上します。
以下の2つの例を比較すると、プロンプトの明確さが出力にどのような差を生むかがわかります。
- 「市場分析レポートを作成して」を入力した場合
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実際にGeminiに「市場分析レポートを作成して」を入力した例 - 「2025年の日本のスマートフォン市場に関する分析レポートを作成して」を入力した場合
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実際にGeminiに「2025年の日本のスマートフォン市場に関する分析レポートを作成して」を入力した例
Geminiのプロンプトの書き方は、こちらの記事も参考にしてください。

まとめ
Google AI Ultraは、Googleが提供する最上位のAIサブスクリプションとして、業務効率化から創作支援まで幅広く対応できる次世代ツールです。
Gemini 2.5 Pro Deep Thinkによる高精度推論、動画生成やノート要約など多様なツールの統合、さらに米国限定ですがYouTube Premiumの付帯により、価格以上の利便性を提供します。
ChatGPT ProやClaude Maxと比較しても、Googleサービスとの親和性とUIの使いやすさが際立ちます。
自分に最適なAIプランを選び、まずは無料トライアルなどで使用感を試してみましょう。