
本記事では、ChatGPTを活用して、手間のかかる会議議事録の作成を効率化するやり方やプロンプト作成のコツを解説します。
ChatGPTの高度な言語処理能力を駆使することで、議事録作成プロセスを大幅に簡略化し、会議の要点や重要なアクションアイテムを素早く整理することが可能です。
ChatGPTを使った議事録作成でできること

議事録を作成するAIツールは数多く存在しますが、ChatGPTは柔軟性が高く、様々な形式での出力が可能なため、会議の内容を効果的に記録し、活用するのに適しています。
ChatGPTを活用した議事録作成において特に優れている機能をいくつか紹介します。
文章を自由な形式で要約する
ChatGPTを使用すると、プロンプト次第で文章を任意の形式で要約することができます。
話し言葉を書き言葉に変換することはもちろん、標準的な文章形式の議事録から情報のポイントを簡潔にまとめた箇条書きまで、出力形式を自由に選ぶことが可能です。
例えば、上司への報告用には「結論ファーストの箇条書き」で端的に議事録を作成し、チームメンバーへの共有用には「経緯を含めたストーリー形式」で分かりやすく議事録を作成します。あるいは、社外向けの「丁寧なビジネスメール形式」へ変換することも可能です。
人が頭を使って行っていた情報の粒度調整や、口語から文語への書き換えといった編集作業をすべて任せられるため、議事録作成の時間を大幅に短縮できます。
▼プロンプト例
あなたは優秀な秘書です。 以下の[会議の文字起こしデータ]を読み取り、忙しい部長に報告するための議事録を作成してください。
#制約条件
・話し言葉(「えーっと」「そうですね」など)は排除し、簡潔なビジネス文書(書き言葉)に変換すること。
・経緯は必要最低限にし、「決定事項」を最優先で記述すること。
・読み手が30秒で内容を把握できるよう、箇条書きを使用すること。
#出力フォーマット
【概要】 (会議の目的を一言で)
【決定事項(結論)】 ・(決定したアクションや変更点を箇条書き)
【ネクストアクション】 ・(誰が、いつまでに、何をやるか)
#会議の文字起こしデータ
(テキストを貼り付ける)
▼出力例

会議の論点やポイントを強調する
ChatGPTは、会議の流れや議論の文脈を解析し、その会議で最も重要なポイントやキーメッセージを抽出する能力に優れています。
特に効果的なのが「決定事項」と「ネクストアクション」の可視化です。
誰が・いつまでに・何をすべきか、そして今日の会議で確定した合意事項は何か、これらを明確に強調して出力させることで、参加者全員の認識ズレを防止します。
ただの記録ではなく、プロジェクトを前に進めるための実行可能なリストとして議事録を機能させられます。
▼プロンプト例
あなたは優秀なプロジェクトマネージャーです。以下の[会議の文字起こしデータ]から、ノイズを省き、プロジェクトを前進させるための要点をまとめた議事録を作成してください。
#目的
参加者全員の認識ズレを防ぎ、次に行動すべきことを明確にすること。
#出力フォーマット
【会議の決定事項(合意内容)】ここで決まった日時や場所、方針などを箇条書きで強調する
【ネクストアクション(ToDoリスト)】表形式で作成してください
#[会議の文字起こしデータ]
(テキストを貼り付ける)
▼出力例

会議の問題点や改善策を提案する
さらに、ChatGPTは単に議事録を作成するだけではなく、議事録の内容をもとに、会議の運営や議論の流れに問題があった場合の指摘や改善策を提案することもできます。
例えば、「この重要な点についてもっと議論が必要だった」というようなフィードバックや、「次回はこのアプローチを試してみてはどうか」といった具体的な提案を行い、会議の質を継続的に向上させることができます。
▼プロンプト例
あなたは論理的な経営コンサルタントです。以下の[会議の文字起こしデータ]を分析し、この会議の問題点と改善策をフィードバックしてください。単なる議事録の要約は不要です。
#出力フォーマット
【会議の現状分析】
・議論の質や決定プロセスに対する客観的な評価
【議論が不足している重要な論点】
・本来議論すべきだったのに、スルーされた項目を指摘
・欠けている視点やデータ
【潜在的なリスク】
・このまま実行した場合に予測されるトラブル
【次回会議への改善提案】
・どのようなアジェンダを設定し、何を決めるべきか
[会議の文字起こしデータ]
(テキストを貼り付ける)
▼出力例

ChatGPTで議事録を作成する方法と流れや手順

ここでは、ChatGPTを使って議事録を作成する方法を、デスクトップ版アプリを使用するパターンをメインに、補足としてWeb版を使用するパターンの二つを紹介します。
デスクトップ版アプリを使用するパターン(MacOS対象)
ChatGPTのRecord Modeを使えば、外部の文字起こしツールやICレコーダーを介さずに、音声の入力からテキスト化、そして要約生成までをChatGPTという単一のアプリケーション内で完結できます。
現在、MacOSのデスクトップ版アプリのみ対応しています(2025年12月15日時点)。
具体的な操作は以下を参考にして下さい。
マイクとシステムオーディオ録音の両方でChatGPTが有効になっていることを確認しましょう。
- システム設定→プライバシーとセキュリティ→マイク
- システム設定→プライバシーとセキュリティ→画面収録とシステムオーディオ録音→システムオーディオ録音のみ

ChatGPTのRecord Modeを開始するには、チャット入力欄の右下にある録音ボタンをクリックするだけです。
初回のみアナウンスがポップアップで表示されます。「開始する」を選択し録音を始めましょう。

録音中は、録音時間が常時表示されます。
会議の休憩時間など、録音を中断したい場合は「停止」を押しましょう。
「再開する」でいつでも録音を再開させることができます。

録音を終了し要約を生成するには、「停止」をクリックしてから「送信」を選択します。

録音をキャンセルしたい場合は、録画ウインドウの左上「×」をクリックします。
このままキャンセルするか、途中までの録音データだけで要約を生成するか確認するポップアップが表示されます。
- ここまでのデータで要約を生成する場合「アップロードする」
- 途中までのデータも全て消去しキャンセルする場合「削除する」
- ポップアップの表示を消し、録音を再開させる場合「キャンセルする」

以下の記事でも解説していますので、併せてチェックしてみてください。

Web版を使用するパターン(全ユーザー対象)
ChatGPTのWeb版にはRecord Mode機能がないため、Zoom、Google Meet、Teamsなどの他ツールを活用しながらChatGPTで議事録を作成しましょう。
会議の音声データは、Zoom、Google Meet、Teamsなどの録画機能を活用したり、マイクで録音したりと、他ツールを使用する必要があります。
録音時には、できるだけ参加者の声がクリアに録音できるように工夫し、雑音が入らないよう注意を払いましょう。
これにより、文字起こしや議事録の精度を向上させることができます。
ChatGPTには、音声ファイルをアップロードしただけで文字起こしをする機能はありません。そのため、OpenAIの音声認識モデルであるWhisperを活用する方法を推奨します。

文字起こししたテキストデータのファイルを、プロンプトとともにChatGPTに入力して議事録を作成していきます。
その際、文字起こしデータを確認し、議事録作成において不要なコンテンツがあれば、あらかじめ削除しておくとより高い精度で議事録を作成できます。
ChatGPTによって生成されたコンテンツは完璧ではなく、誤情報が含まれる可能性もあります。
生成されたコンテンツは、必ず情報に誤りがないか確認した上で活用しましょう。
また、プロンプトの使用過程で試行錯誤し、より期待するアウトプットに近づけていくことも重要です。
ChatGPTで議事録を作成するコツとおすすめプロンプト

ここでは、ChatGPTを使って議事録を作成する際に最も重要な要素となる、おすすめのプロンプトを紹介します。
# 命令文
あなたは会議議事録の作成に長けた高度に訓練されたAIです。
以下の[# 文字起こしテキスト]を読んで、次の[# 制約条件]をもとに会議議事録を作成してください。
# 制約条件
・会議の議題の抽出:文字起こしデータの内容をもとに、冒頭に議題を記載してください。
・要点の抽出:会議で議論された重要なアイデアやトピックを簡潔な箇条書きにまとめ、議論の本質を捉えた要約を行ってください。
・アクションプランの抽出: 会議で合意した決定事項や、合意に至らなかったペンディング事項、今後のアクションプランを明記してください。
・平易な言葉を使用:誰が読んでもすぐに議論の本質を理解できるよう、分かりやすく整理し、専門用語は平易な言葉に置き換えてください。
・指示語は使用しない:「この・その・あの・どの」といった指示語は使用せず、具体的な言葉に置き換えてください。
# 文字起こしテキスト
ここに文字起こししたデータを入力します。
このプロンプトを使用することで、いつ読んでも誰にとっても分かりやすい議事録を作成することができます。
議事録作成のおすすめツールやサービス

最後に、ChatGPT以外のおすすめの議事録作成ツールやサービスを紹介します。
録音から議事録作成・要約まで一気通貫で任せたいなら「Notta」

Nottaは、高精度なAI音声認識を活用した自動文字起こしサービスで、リアルタイム文字起こしや翻訳機能を提供し、自動で議事録を作成することができます。
主な機能は以下の通りです。
| 主な機能 | 説明 |
|---|---|
| リアルタイム文字起こし | Zoom/Google Meet/Microsoft Teams/Webex/SlackなどのWeb会議に対応。 リアルタイム自動文字起こし。 会議終了後すぐに要約やアクションアイテムを生成。 |
| 音声ファイルの文字起こし | 録音した音声や動画ファイルを自動的にテキスト化。 編集・検索・共有が可能。 |
| 多言語対応 | 58言語の文字起こしに対応。 英日など2言語を同時に処理するバイリンガル文字起こし。 自動翻訳機能も利用可能(一部はアドオン扱い)。 海外との会議や多言語インタビューでも1つのツールで完結。 |
| エクスポート機能 | TXT/Word/PDF/SRTなどの形式でエクスポート。 NotionやSlack、メールなどに直接共有可。 |
| チームワークスペース | Business/Enterpriseプラン 共有ワークスペースやユーザー権限管理、利用状況レポートなどの管理機能。 SalesforceやHubSpot、ZapierなどのCRM連携も可。 |
▼料金形態
| 項目 | Free | Pro | Business | Enterprise |
|---|---|---|---|---|
| 月額料金 | 無料 | ¥1,980 | ¥4,180 | 要問い合わせ |
| 年額料金 | 無料 | ¥14,220 (1,185/月) | ¥30,096 (2,508/月) | 要問い合わせ |
| 文字起こし時間 (月間) | 120分 | 1,800分 | 無制限 | カスタマイズ |
| 1回の録音上限 | 3分まで | 5時間まで | 5時間まで | 5時間まで |
| AI要約 (月間) | 10回 | 100回 | 200回 | 無制限 |
| ファイルアップロード (月間) | 50回 | 100回 | 200回 | 無制限 |
| 主な独自機能 | ・リアルタイム文字起こし ・話者識別 ・Zoom等連携 | ・データの出力 ・翻訳機能 ・カスタム辞書登録 | ・Web会議のビデオ録画 ・Salesforce/Zapier連携 ・管理者/セキュリティ機能 | ・SAML SSO ・監査ログ ・AI学習へのデータ利用なし |
| 対象ユーザー | お試し・初心者 | 個人 | チーム・企業 | 大規模組織 (51名以上〜) |
ChatGPTでは対応していない「Web会議への自動参加」と「正確な話者識別」が可能で、ZoomやTeamsなどのオンライン会議が業務の中心であればNottaがおすすめです。
会議中にリアルタイムで文字起こし内容をチームで共有・編集できるため、PCでのデスクワークが多く「会議終了と同時に議事録を完成させたい」方に最適です。
Nottaについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

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ボイスレコーダーを使って録音から議事録作成まで行いたいなら「Plaud Note」

Plaud Noteは、Nicebuild LLCによって開発されたAIボイスレコーダーで、特にGPT-5.1などの最新のAIと連携している点が特徴です。
このデバイスは、録音、文字起こし、議事録作成を一体化したオールインワンのAI録音アシスタントとして設計されています。主な機能は以下の通りです。
| 主な機能 | 説明 |
|---|---|
| ワンタッチ録音 | 本体のボタンを長押しするだけで録音を開始・終了 カード型のPlaud Note/Note Proはスマホの背面にマグネットで装着して通話録音可 Note Proでは「重要なところだけボタンを押してハイライトする」といった操作にも対応 |
| 文字起こしと要約 | 録音データはアプリやWebからPlaud Intelligenceに送られ、自動文字起こしと1万種類以上のテンプレートを使った要約・議事録・ToDoリスト・インタビュー要約などに変換 スピーカーラベルや業界別用語集にも対応しており、ビジネス用途の会議録にも使用可能 |
| 多言語対応 | 112言語の文字起こしに対応 AIが文脈を解析し、専門用語が含まれる会話でも高い精度で認識・翻訳 |
| エクスポート機能 | 音声:MP3/WAV 文字起こし:TXT/DOCX/PDF/SRT ノート:TXT/Markdown/DOCX/PDF マインドマップ:JPEG/Markdown |
| チームワークスペース | 無し |
▼料金形態
| 項目 | PLAUD NOTE | PLAUD NotePin | PLAUD NOTE Pro |
|---|---|---|---|
| 本体価格 | 27,500円 | 27,500円 | 30,800円 |
| 形状・デザイン | カード型 | カプセル型 (ウェアラブル) | カード型 |
| 装着・携帯方法 | MagSafeでスマホ背面に吸着 専用ケース | マグネットピン、クリップ、ネックストラップ、リストバンド | MagSafeでスマホ背面に吸着 専用ケース |
| 主な用途 | スマホ通話の録音 対面会議の記録 | 移動中のメモ アイデアの即時記録 より身軽な常時録音 | 高品質な通話・会議録音 ビジネス利用の強化版 |
| 特徴 | スマホと一緒に持ち運べるため、急な通話録音に対応しやすい定番モデル。 | 衣服や体に取り付けてハンズフリーで録音可能。アクセサリー感覚で使える。 | NOTEの基本機能に加え、マイク性能や処理速度が向上したプロ仕様。 |
また、PLAUDのデバイスを購入すると、全員に文字起こし機能が月間300分付与されます。300分以上機能を利用したい場合は別途サブスクリプションを契約する必要があります。
ChatGPTでは録れない「スマホ通話の録音」機能と、「物理スイッチ」による0.1秒録音は、ハードウェアならではの圧倒的な強みです。
PCを開けない対面商談や、突発的な電話対応が多い営業職・現場仕事の方にとって、決して録り逃しをさせない「第二の記憶」としておすすめできるアイテムです。
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まとめ
本記事では、ChatGPTを活用して手間のかかる議事録作成を効率化する具体的な手順と、精度の高いプロンプトのコツを解説しました。
ChatGPTを使えば、読み手に合わせた形式への柔軟な要約や、決定事項・ネクストアクションの抽出が可能になり、会議の質を高めるフィードバックまでも得られます。
さらに、Web会議の自動化に強い「Notta」や、対面・通話録音に特化したデバイス「Plaud Note」などのツールとの比較も行いました。
デスクワーク中心か外回りが多いかなど、自身の業務スタイルに最適なツールを選び、議事録作成の時間を大幅に短縮しましょう。
