YouTube、音楽生成AIツールのトレーニングデータとして、音楽レーベル各会社と契約を交渉中

出典:YouTube

YouTubeは、AIツールで人気アーティストの音楽を複製するために、主要なレコードレーベルと楽曲のライセンス契約を交渉しています。懐疑的な業界を前払い金で納得させたいのです。

多くのアーティストがAI音楽生成に強く反対しているにもかかわらず、YouTubeは従来のロイヤリティベースの契約ではなく、一時金の支払いを提供することでレーベルを参加させようとしています。

2024年4月には、200人以上のミュージシャンがAIの無制限な使用に反対する公開書簡に署名しました。6月には主要レコード会社もAIスタートアップのSunoとUdioを著作権侵害で訴えており、1作品につき最大15万ドルの賠償を求めています。

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複数の音楽レーベル会社が、AI音楽企業SunoとUdioに対して訴訟 全米レコード協会(RIAA)は2024年6月24日(現地時間)、AI音楽生成サービス企業SunoとUdioの2社に対して、著作権侵害訴訟を提起しました。訴訟は、Sunoがマサチューセッツ州連邦地裁に、Udioがニューヨーク州南部地区連邦地裁に提訴され、Sony Music Entertainment、UMG Recordings、Warner Recordsなどの音楽会社が原告となっています。

一方でYouTubeは、AIの楽曲生成ツールを合法的にトレーニングするためにさまざまなレーベルのコンテンツを必要としています。グーグルが所有するこの巨大動画サイトは、2024年中に新しい楽曲生成ツールを公開する予定です。業界の事情通2名によると、このためYouTube側は、数十人のアーティストと契約したいと考えている模様です。

音楽業界は、2000年代のNapster騒動の教訓から、今回は破壊的技術に先手を打とうとしています。Sony Musicは当初YouTubeの実験に参加していませんでしたが、現在交渉中です。WarnerとUniversalも製品拡大について話し合っています。業界は、技術革新に対する絶対的反対派とみられたくないのです。

いずれにしても、YouTubeは革新のプロセスとしてこの実験を続け、AIと音楽の未来を構築していく姿勢を示しています。


出典:YouTube in talks with record labels over AI music deal

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