人工知能(AI)の発展に伴う声優や俳優の「声の権利」保護を目的として、東芝デジタルソリューションズの倉田宜典氏が中心となり、一般社団法人「日本音声AI学習データ認証サービス機構(AILAS)」を設立します。AILASは、音声AIの「出自」を追跡可能にし、適切に作られた合成音声の流通を促進することを目指しています。
この取り組みは、国内初の試みであり、2025年の本格始動を目指しています。AILASの認証制度では、声優や俳優のAI学習用音声データ、および開発者のAI製品やサービスを登録し、認証ラベルを発行します。これにより、消費者は公正に開発された製品を識別でき、開発者は安全な高品質データを購入でき、声優らにも適切な対価が支払われる仕組みを構築します。
この制度は、著作権法では十分に保護されない声優の声に関する権利を、契約を通じて保護しようとする試みでもあります。日本俳優連合などの関連団体も賛同しており、AIの開発と知的財産保護の両立を目指す先駆的な例となることが期待されています。
ただし、良質な音声データを学習したAIに将来仕事を奪われる可能性を懸念する声優も多く、技術の進歩と権利保護のバランスを取ることが今後の課題となっています。
出典:AILAS設立リリース