
OpenAIのCEOサム・アルトマン氏が、Times Radioのインタビューで、AIの未来像と巨大インフラ投資計画「Stargate」について詳細な見解を明らかにしました。
アルトマン氏は、AIの進歩について「27か月前にできなかったことが今できるようになった変化は素晴らしい」と述べ、最近リリースしたDeep Research機能が、わずか1週間で従来懐疑的だった人々からも高い評価を得ていることを明かしました。
同機能は、数週間かかる作業を20分で完了できる性能を持ち、世界の経済活動全体の約5%をカバーできる可能性があるとしています。

特に注目を集めたのは、5,000億ドル規模の巨大AIインフラプロジェクト「Stargate」の存在です。アルトマン氏によれば、ソフトバンクが主導する400億ドルの資金調達はこのプロジェクトの一環であり、「数年後にはそれほど大きな金額とは感じなくなるかもしれない」と述べています。

また、AI技術の国際管理について、核不拡散のための国際原子力機関(IAEA)のような枠組みを参考にした新たな国際機関の設立を提案。「各国が強力なAGIを保有するようになった際の安全基準や利益配分の調整」が必要だと指摘しました。
知的労働への影響について、アルトマン氏は「物理的な労働よりも先に知識労働の分野でインパクトが来る」と予測しています。
具体例として、「この分野の研究内容をすべて要約して」「こういう条件に合うベビーベッドを探して」「このテーマについてコンサルタントが書くようなレポートをまとめて」「複雑な財務分析をやって」といった知的労働がすでにAIによって実行可能になっていると指摘しました。
物理的な労働については、ロボティクスの研究にも着手しているものの、その影響は「さらに遅れて進む」との見通しを示しています。

社会の移行期については「政治家が『人々を再スキル化していけば大丈夫』と口にするのは簡単だが、実際それで済むわけではない」と述べ「かなりの混乱が起きる」との懸念を示しています。
歴史的に見れば技術による雇用変化への社会の適応には2世代程度かかっていたものの、今回の変化は5年や10年程度の短期間で進む可能性があり、これまでにない急激な変化になるとの見方を示しました。
アルトマン氏は、AIの推論コストが「2年ごとに100倍安くなる」という急激な進歩を示唆し、これはムーアの法則をはるかに上回るペースだと強調。この技術革新が社会にもたらす変化への準備の必要性を訴えました。
出典:Trump is a ‘breath of fresh air’ for US tech industry | Sam Altman – YouTube