5月30日、OpenAIのサム・アルトマン氏は、AI for Goodグローバル・サミットでアトランティック誌のニコラス・トンプソン氏とのインタビューに応じ、AIの社会的可能性について講演しました。
アルトマン氏は、AIの能力をさらに高めるためには社会契約の変更が必要であり、「社会の構造そのものが議論と再構成の対象になるだろう」と述べました。また、現在のAIモデルはまだその能力の限界に達しておらず、「多くの余白がある」と指摘しました。
OpenAIが開発するモデルの解釈可能性が不完全なまま、新たなモデルをリリースし続けることへの懸念を示す質問に対し、アルトマン氏は「我々は確かに解釈可能性を解決していない」と認めつつ、解釈可能性が完全でなくても「これらのシステムは安全で堅牢だと考えられている」と答えました。
講演中には、OpenAIのガバナンスやChatGPTの声、ヘレン・トナー氏からの批判に関する質問も飛び交いました。
OpenAIのガバナンスについては、「ガバナンスをどう導入するかについては、話し合いを続けている。今はあまり多くを語るべきではないでしょう」と言葉を濁しました。
ChatGPTの声がスカーレット・ヨハンソンに酷似している問題について質問されると、「彼女の声ではありません。混乱させて申し訳ない」と述べ、どの程度似ているかについては、人によって意見が分かれるだろうと指摘しました。
また、先日アルトマン氏を批判したOpenAIの元取締役会メンバーのヘレン・トナー氏のコメントに関して、「トナーは純粋にAGIが良い結果になることを望んでおり、私はその点を高く評価しています」としつつ、「彼女の主張には同意できない」と述べました。