
動画編集に革命をもたらすAIツール”Runway Gen-3 Alpha Turbo”が登場しました。
このツールは、初心者でもプロ級の動画を簡単に作成できることで話題です。
生成速度の向上や商用利用可能な点など、多くの魅力があります。
本記事では、Runwayの基本情報から使い方、料金プラン、無料プランの制限について詳しく解説します。
さらに、各機能や特徴を掘り下げ、初心者からプロまでどのように活用できるかをご紹介するので参考にしてください。
動画編集AI「Runway」とは?

2018年に設立された”Runway”は、ビデオ編集者、映画製作者、アーティスト、デザイナー、その他のクリエイターを支援するための革新的なAIプラットフォームとしてスタートしたのが始まりです。
当初は手動の編集ワークフローを効率化するツールの開発に重点を置き、後にAI技術を活用して動画編集を民主化する方向へ進化しました。
Runwayのチームは、AIモデルを利用してビデオ制作の時間とコストを劇的に削減できることに気付き、特にビデオクリエイター向けのツール開発に注力することを決意しました。
その結果、生成型AI技術を駆使した多機能な動画編集ツールを提供するまでに至っているのです。
Runway Gen-3 Alpha Turboの概要と特徴

最新バージョン”Gen-3 Alpha Turbo”は、動画生成のスピードと品質を大幅に向上させた点が特徴です。
このセクションでは、Gen-3 Alpha Turboの技術的進化とその使いやすさについて詳しく解説します。
最新バージョン「Gen-3 Alpha Turbo」の紹介
2024年8月15日にリリースされたこのバージョンは、従来のモデルと比較して以下のような進化を遂げました。
- 生成速度の向上:従来の7倍の速度で動画を生成可能
- 直感的なインターフェース:初心者でも簡単に操作可能な設計
- 高度な編集機能:プロ向けに細かい調整が可能なツールを搭載
これらの改良により、初心者からプロのクリエイターまで幅広いニーズに対応しました。
リリース直後から多くのクリエイターがこの新機能を活用し、広告やコンテンツ制作の効率を大幅に向上させています。
Gen-3 Alpha Turboの登場により、特に短期間で高品質な動画を必要とするプロジェクトが容易になり、従来のツールでは対応できなかったニーズに応えることが可能になりました。
動画生成速度と品質の向上
特筆すべきは、動画生成速度が従来の7倍に向上した点です。
これは、AIアルゴリズムの最適化とクラウドベースの処理能力向上によるものです。
たとえば、イベントのハイライト動画を作成する場合、これまで1時間かかっていた作業がわずか数分で完了します。この高速処理は、制作現場での効率化を大きくサポートします。
また、4K解像度やHDRに対応しているため、広告やプロモーション素材としても十分な品質が得られます。
リアルな映像と自然な動きを組み合わせることで、視聴者に強い印象を与える動画が作成可能です。
これにより、動画の完成度をさらに引き上げ、視覚的な訴求力を高めることができます。
多彩なスタイルの動画生成が可能
Runway Gen-3 Alpha Turboは、リアルな映像からアニメーションスタイルまで幅広い表現が可能です。
特に注目すべき機能として以下があります。
- Motion Brush
-
動画内の特定部分を直感的に編集可能。たとえば、風景の一部を動かす、特定の要素をハイライトするなど、クリエイティブな加工が可能
- Director Mode
-
シーン全体の構成を詳細に設定。複数のシーンをつなぎ合わせ、ストーリー性のある動画を作成するのに役立つ
これにより、従来の編集ツールでは難しかったクリエイティブな表現が実現するでしょう。
また、これらの機能はプロジェクトに合わせて柔軟に使用できるため、独自性のあるコンテンツ制作をサポートします。
Runway Gen-3 Alpha Turboの料金プランと商用利用

動画制作の需要が高まる中で、費用対効果が重要な要素となっています。
Runwayは、さまざまなプランを通じて、個人からプロフェッショナルまで幅広いユーザーのニーズに応えています。
このセクションでは、具体的な料金体系、商用利用のメリット、そして著作権について詳しく解説します。
具体的な料金体系とクレジットの使い方
Runwayの料金プランは、ユーザーのニーズに応じて柔軟に選べるように設計されています。
以下はその詳細です。
プラン名 | Basic | Standard | Pro | Unlimited | Enterprise |
---|---|---|---|---|---|
月額料金 | $0 | $15 | $35 | $95 | カスタム料金 |
Gen-3 Alpha Turbo | 画像から動画生成 (最大10秒) | 画像から動画生成 (最大10秒) | 画像から動画生成 (最大10秒) | 制限なし (Gen-1、Gen-2、Gen-3 Alpha、Act-One 含む) | 制限なし (Gen-1、Gen-2、Gen-3 Alpha、Act-One 含む) |
Gen-3 Alpha | テキスト、画像、動画から動画生成 (最大10秒) | テキスト、画像、動画から動画生成 (最大10秒) | |||
クレジット | 125クレジット(追加購入不可) | 毎月625クレジット(追加購入可能) | 毎月2250クレジット(追加購入可能) | 毎月2250クレジット(追加購入可能、レート制限なし) | カスタムクレジット設定 |
その他の特徴 | 最大3つのプロジェクト作成可能 5GBアセット保存 透かし付き | 最大5人のワークスペースメンバー 100GBアセット保存 透かしの除去可能 | 500GBアセット保存 リップシンクやテキスト音声変換用のカスタムボイス作成機能 | Framesへの無制限アクセス あらゆるモードでゆっくりな速度で生成可能 | Single Sign-On対応 カスタムストレージ チームスペースの分割・管理機能 高度なセキュリティ対応 |
各プランには異なるクレジット数や機能が含まれており、ユーザーの予算やプロジェクト規模に応じて選択が可能です。
Runway Gen-3 Alpha Turboのクレジットは、各プランごとに提供される枠内で消費されます。
無料プランと有料プランの違い
無料プランは、主にRunwayの基本機能を試したい初心者向けです。
特に、動画編集AIを初めて触るユーザーや、小規模なプロジェクトでAI生成の可能性を探りたい方に適しています。
ただ、保存容量やプロジェクト数も限られており、本格的な制作には不向きです。
一方、有料プランでは制限が大幅に緩和され、プロフェッショナルな利用にも対応します。
例えば、Standardプランでは透かしなしで動画を生成でき、保存容量も100GBに拡張されます。
Proプランではさらに多くのクレジットが付与され、高度な機能を利用可能です。
Unlimitedプランではクレジットが無制限となり、Framesやカスタムボイスなどの追加機能を活用して、大量の動画を効率的に生成できます。
- 無料プラン:初めてRunwayを試す方や、小規模なプロジェクトを手軽に行いたい方におすすめです。
- Standardプラン:透かしなしの動画が必要で、定期的に動画を制作するクリエイターや小規模チーム向けです。
- Proプラン:より多くのクレジットやストレージを必要とするプロのクリエイターやSNS運用を行う企業に最適です。
- Unlimitedプラン:大規模プロジェクトや頻繁に動画生成を行う制作チームに最適な柔軟性を提供します。
自分に合ったプランで、動画制作を楽しみましょう。
料金プランでの商用利用の違いと著作権の注意点
Runwayでは、無料プランと有料プランで商用利用の可否や動画の仕様に大きな違いがあります。
無料プランで生成された動画には透かしが挿入されるため、商用利用には適していません。
一方、有料プランでは透かしが除去され、商用プロジェクトでも使用できる品質の高い動画を生成できます。
広告やプロモーション用の動画を作成したい場合、有料プランを選ぶことでより安心して活用できる環境が整うでしょう。
ただし、Runwayで生成された動画の著作権については、利用者が責任を持つ必要があります。
生成された動画の著作権は基本的に利用者に帰属しますが、第三者の素材(画像や音楽など)を使用した場合、その素材のライセンス条件を確認することが不可欠です。
さらに、AIが学習データとして使用したコンテンツを基に生成された結果について、法的なリスクが完全に排除されるわけではありません。
商用利用時には、特に素材のライセンス確認や適法性のチェックを徹底することが重要です。
これにより、安心してRunwayを活用した動画制作が可能になります。
Runwayユーザーは画像生成AI「Frames」が利用可能

Framesは、Runwayが提供する画像生成AIツールで、UnlimitedプランおよびEnterpriseプランのユーザーのみが利用できる限定機能です。
このツールを使うことで、テーマやスタイルを指定し、一貫性のある高品質な画像を効率的に生成することが可能です。
さらに、生成した画像はそのままRunway内で動画化できるため、静止画から動的なコンテンツを簡単に作成できます。
FramesがRunwayユーザー限定で提供されていることにより、他のRunwayツール(例:Gen-3 Alpha Turbo)とシームレスに連携でき、制作ワークフローを効率化します。
この統合された環境は、クリエイターが一貫性のあるビジュアルを短時間で制作する際に特に効果を発揮するでしょう。
Runwayアカウントを持つことでアクセスできるこのツールは、広告制作やプロモーション動画制作など、幅広い用途で利用されています。
Framesを活用することで、静止画と動画を統一感のあるデザインで簡単に制作できるため、Runwayユーザーにとって非常に強力なクリエイティブツールとなっています。
Framesについては以下の記事で詳しく解説しています。

Runway Gen-3 Alpha Turboの始め方

Runway Gen-3 Alpha Turboを利用するには、アカウント登録から初期設定までの手順を簡単に完了させることができます。
以下に、手順を分かりやすくまとめました。
ユーザー名、メールアドレス、パスワードを入力してアカウントを作成します。
もしくは、GoogleやAppleアカウントを使用して簡単に登録することも可能です。

左のメニューに「Assets」の画面が表示されます。
必要であれば設定しましょう。

- Private
-
自分がアップロードした素材(アセット)を管理するスペースで、基本的に非公開です。
フォルダを作成して整理することができ、必要に応じて共有やダウンロード、名前変更、削除といった操作が可能です。
- Shared
-
他のユーザーと共有したアセットや動画が一覧表示されます。
フォルダの作成や外部への共有も可能で、共同編集にも対応しています。
- Favorited
-
お気に入りに登録したアセットを管理するスペースです。
よく使う素材をここにまとめておくと便利です。
- Custom Elements
-
15〜30枚の画像をもとに、独自のAIモデルを作成できる機能です。
ブランドイメージに合わせたキャラクターやビジュアルを生成するのに最適で、Gen-3 Alphaなどで利用可能になります。
- Video Editor Projects
-
進行中の動画プロジェクトを管理できます。
クリップの組み合わせや字幕追加、アスペクト比の調整、再生速度の変更など、基本的な動画編集機能が揃っています。
動画編集に慣れている方なら、スムーズに利用を開始できます。
- Shared Projects
-
共有したプロジェクトを一覧で表示するスペースです。
外部ユーザーと共同編集が可能で、チームでの作業に役立ちます。
これらの機能を組み合わせることで、Runwayは素材管理からAI生成、動画編集まで、幅広いクリエイティブワークフローをサポートします。
この手順を参考にすれば、初心者でも迷うことなくRunway Gen-3 Alpha Turboを利用開始できるでしょう。
Runway Gen-3 Alpha Turboの使い方

以下に、Runway Gen-3 Alpha Turboの基本的な使い方を紹介します。
動画生成の基本的な手順
テキストから動画を生成する方法は、下記の手順を踏みましょう。
ダッシュボードの「Start a session」を選択します。

下の画像の赤枠の部分に、動画の内容をテキストで入力すると動画生成されます。

AIが自動で最適な構成を提案してくれるため、細かい編集作業に時間をかける必要がありません。
画像から動画を生成する方法
画像から動画を生成する方法は、下記の手順を踏みましょう。
ダッシュボードの「Start a session」を選択します。

「Select asset」をクリックしましょう。

赤枠部分にプロンプトを入力します。

画像赤枠部分のマークをクリックすると設定ができるので、好みに合わせて調整しましょう。

- Aspect Ratio(アスペクト比)
-
アスペクト比は、動画や画像の幅と高さの比率を決定する設定です。
- Fixed Seed(固定シード)
-
AIモデルで使用される「シード値」を固定することで、同じ入力プロンプトを使用した場合に似た結果を得ることが可能になります。
画像赤枠部分のマークをクリックするとカメラワークや動きのプロンプト例が表示されるので必要であれば、選択しましょう。


「Generate」をクリックすると動画が生成されます。

この手順により、静止画から動きのある動画を簡単に作成できます。
例えば、家族写真に動きを加えて思い出のムービーを作成したり、広告用のビジュアルを短時間で作成することが可能です。
プロンプトの活用法とコツ

プロンプトは、Runway Gen-3 Alpha Turboで意図した動画や画像を生成するための最も重要な要素です。
以下では、効果的なプロンプトの書き方や活用のコツについて説明します。
効果的なプロンプトの構造とキーワード
プロンプトを適切に構成することは、生成される動画の精度と魅力を高める重要な要素です。
プロンプトは以下の3つの要素に分けることで、AIが指示を理解しやすくなります。
- カメラの動き:ショットの種類や撮影スタイルを指定します。例: 「Low angle tracking shot」「Smooth zoom-in」など。
- シーンの設定 :場所、時間帯、光の状態など、シーンの背景を詳細に記述します。例: 「a bustling city street at dusk」「a misty forest in the morning」など。
- 追加の詳細:被写体の特徴、服装、表情、動きなど、具体的なイメージを補足します。例: 「a child holding a glowing lantern」など。
キーワード選びでは、カメラスタイル(例: Low angle, Wide angle)、ライティング(例: Silhouette, Backlight)、動きの表現(例: Slow motion, Ripples)、スタイルと美学(例: Cinematic, Dreamlike)を具体的に記述し、映像の雰囲気やアクションを効果的に伝えましょう。
プロンプト例は以下です。
A lone fisherman on a misty mountain lake at dawn, golden sunlight breaking through fog, captured with a smooth dolly shot.
これらを参考に動画生成をしてみてください。
プロンプトでのカメラワークとシーン設定
カメラワークは、視聴者の視点や感情を操作する重要な要素です。
以下のようなカメラの動きをプロンプトに盛り込むことで、映像のダイナミズムを引き出せます。
- ショットの種類:「Low angle」で威厳や強さを、「Overhead」で広がりや孤独感を表現可能。
- 動きのスピード:「Slow motion」で緊張感を、「Dynamic motion」でスピード感を演出。
プロンプトのシーン設定では、4W1H(Who, What, Where, When, How)を意識すると効果的です。
- Who: シーンの中心となる被写体(例: 「A young artist sketching on a notebook」)
- What: シーンでのアクションや状況(例: 「Sitting on a wooden bench, deeply focused on drawing」)
- Where: 場所の設定(例: 「In a tranquil park surrounded by cherry blossoms」)
- When: 時間帯や状況(例: 「During a calm spring morning, with soft light filtering through the trees」)
- How: シーンのスタイルや雰囲気(例: 「The scene is serene and dreamlike, with petals gently falling and creating a poetic atmosphere」)
このように、要素ごとに具体的な情報を組み合わせてAIに伝えると、より鮮明な映像を生成できます。
まとめ
Runway Gen-3 Alpha Turboは、AI技術を活用した高度な動画編集ツールで、初心者からプロまで幅広く活用できます。
無料プランでも試せますが、商用利用や透かしなしの動画生成には有料プランがおすすめです。
動画生成速度の向上、多彩なスタイル、カメラワークの細かい設定が可能で、効率的に高品質な動画を作成できます。
さらに、Framesを活用すれば、画像からシームレスに動画を生成可能です。自分に合ったプランで動画制作を始めてみましょう。