
MetaとRay-Banが共同開発したスマートグラス「Ray‑Ban Meta」で何ができるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
Ray‑Ban Metaは、写真・動画撮影、音声通話、音楽再生からライブ配信や翻訳まで、ハンズフリーで操作可能な最先端のデバイスです。
本記事では、Ray‑Ban Metaの機能から、日本ではいつ購入できるのか、日本で使うための技適対応の現状まで解説します。
Ray‑Ban Metaとは?何ができるのか

2023年に登場したRay‑Ban Metaは、MetaとRay-Banが手掛ける注目のスマートグラスです。
ワンタッチで写真や動画の撮影と通話ができるなど、Ray-Ban Metaには最先端の技術が詰まっています。
Ray‑Ban Metaとは?
Ray‑Ban Metaは、MetaとRay-Banが共同開発したスマートグラスです。
自分の見ているままを記録した写真や動画をMeta AIと連携させ、SNS投稿までダイレクトに行える「体験をその場で記録・共有できる」最先端のデバイスです。
Metaのミッションでもある「人と人がつながる未来と、それを可能にするテクノロジーを創出します」が色濃く反映されています。
特に、Vlog撮影やSNS投稿に最適な機能があり、コンテンツクリエイターやイベント担当者にも注目されています。
Ray‑Ban Metaを使用するには、Metaアカウントを作成し、Meta AI モバイルアプリ(iPhone/Android)とのペアリングが必須です。
紐付けできるMetaアカウントは一つのみで、複数のアカウントへ同時にペアリングさせることはできません。
ハンズフリー会話
Ray‑Ban Metaには、オープンイヤーのスピーカーとBluetooth接続のマイクが搭載されており、「Hey Meta」と声をかけるだけで、Meta AI モバイルアプリとリンクさせたMessenger、WhatsApp、Instagramから通話の発信やメッセージの送信がハンズフリーで叶います。
Meta AIモバイルで事前に設定の上「Hey Meta, play the message」と指示をすると、受信したメッセージを読み上げることも可能です。
返信するには、文章を読み上げるだけで、Meta AIが自動で文字起こしをして指定の相手に返信します。
両手に荷物を抱えていて文字を打てないときや、かばんの中でスマートフォンを探す手間もなくなり、即座にコミュニケーションが取れます。
また、ビデオ通話中にはRay‑Ban Metaを通じて、見ている景色をそのまま相手と共有することも可能です。
写真・動画撮影
フレーム前部に搭載された超広角1,200万画素のカメラを使用して、写真と動画を撮影することができます。
動画の長さはデフォルトで3分に設定されていますが、Meta AIアプリで短く設定することも可能です。
Ray‑Ban Metaで撮影された実際の動画は、YouTubeチャンネル「Ray-Ban|Meta」で確認してみましょう。
撮影を開始するには、フレームにあるキャプチャボタンを押すか、MetaAIに音声で指示をします。
撮影した画像や動画は、スマートフォンの写真アプリに保存され、Meta AIモバイルアプリに写真アプリへのアクセス許可を付与することにより、Meta AIモバイルアプリ内に取り込まれます。
Ray‑Ban Metaのデータは、写真アプリに転送されると同時に自動で削除されます。
Meta AIを使えば、Ray‑Ban Metaで撮影した写真や動画をMessengerやFacebook、Instagramのストーリーズ、WhatsApp、スマートフォンのメッセージ連絡先リストの相手にシェアできます。
SNS用のショート動画の撮影や子どもとの日常風景、アウトドアイベントなど、あらゆるシーンにおいて、両手を使わずに撮影できるため、撮りたい瞬間を逃すことなく記録できる機能です。
音楽の再生
Ray‑Ban Metaでは、Bluetoothでスマートフォンと接続し、音楽やポッドキャストのストリーミング再生ができます。
アームに内蔵されたオープンイヤースピーカーにより耳を塞がずに視聴でき、散歩や作業中など「ながら聴き」に最適です。図書館などの静かな環境でなければ、極端な音漏れはありません。
右のテンプルをタッチしたりスワイプしたりすれば、一時停止やボリューム調整ができます。またMeta AIへの音声コマンドでもコントロール可能です。

ライブ配信・翻訳
今見ている景色をそのままに、Meta AIと連携させたInstagramとFacebookでライブ配信できます。
最大30分のライブ配信ができ、イベントレポートや体験の共有など現場の臨場感を届けたいユーザーにとって強力なツールです。
また2025年5月には、Ray-Ban Metaを使用できるすべての国で、ライブ翻訳を体験できるようになりました。
フランス語、イタリア語、スペイン語、英語の会話を理解し、音声で通訳をしたりMeta AIアプリで翻訳文を表示させたりできます。新しいコミュニケーションが体験できるでしょう。
Ray-Ban Metaのスペック一覧
Ray-Ban Metaのスペックをまとめました。
項目 | 詳細 | |
---|---|---|
スペック | カメラ | 超広角1,200万画素 |
スピーカー/マイク | オープンイヤースピーカー2つ 5マイクアレイ(Bluetooth接続) | |
バッテリー | 1回の充電で最長4時間使用可能 | |
充電ケース | 最長32時間分のバッテリー 約75分でフル充電 | |
重量 | 49g(標準)/51g(ラージ) | |
メモリ | 32GBフラッシュストレージ 写真1000枚以上、動画100本以上 | |
対応可能度数 | -6.00〜+4.00 |
日本でいつ購入できる?状況と見通し

現在、Ray‑Ban Metaはアメリカやヨーロッパ諸国などでの販売にとどまり、日本国内では公式発売されていません。
販売対象の国や価格、日本での展開の見通し、そして個人で輸入する場合の注意点について解説します。
現在の販売対象国と価格
2025年9月現在、Ray-Ban Metaは以下の国で取り扱っています。
MetaやRay-Banの公式サイトや認定の販売店で購入可能です。
- 米国
- カナダ
- 英国
- アイルランド
- オーストリア
- ベルギー
- フランス
- イタリア
- スペイン
- ドイツ
- フィンランド
- ノルウェー
- デンマーク
- スウェーデン
- オーストラリア

Ray-Ban Mettaの価格は二種類($299.00と$379.00)で、フレームとレンズの組み合わせによって変動します。日本価格にすると、およそ44,000円〜56,000円です。
充電器付きケース「Ray-Ban Meta Charging Case」は$99.00で販売されています。
日本での公式発売は未定
日本国内ではRay‑Ban Metaの公式販売は行われていません(2025年9月時点)。
技術基準適合証明(技適)を取得していないため、国内での使用もできない状況です。
Meta公式サイトやXなどのSNSでも、日本での対応について言及している発表は確認できませんでした。
個人輸入による注意点
Ray‑Ban Metaを海外から個人輸入することもできますが、日本はMetaの対応国リストに含まれていないため、公式サポートを受けられない点などに注意しましょう。
Ray‑Ban Metaには最大2年間の追加保証がありますが、現在はアメリカでしか対応していません。
また、無線機器の使用には技術基準適合証明(技適)が必要ですが、Ray‑Ban Metaは未取得のため国内で使用すること自体が法律上認められていないのです。
製品にはカメラが搭載されているため、公共の場や他者が映り込む場面での撮影には細心の注意が必要です。
現状、日本国内でRay‑Ban Metaを活用するには、多くのハードルが存在しています。
Ray-Ban Metaは日本で使える?技適の取得状況と注意点

Ray‑Ban Metaを日本国内で使用するには、無線機器に関する法的制度「技適(技術基準適合証明)」と、これに準ずる特例制度についての理解が欠かせません。
「技適とは何か?」という基本的な定義から、現在の使用可否、やってはいけないことを正しく理解しましょう。
技適(技術基準適合証明)とは何か?
技適とは、日本国内で無線通信機器を使用するために必要な認証制度で、総務省によって定められています。
Wi-FiやBluetoothなどの電波を発する機器には、この技適マークが付与されていなければなりません。
技適を取得していない機器を日本国内で使用することは、法律に違反する可能性があります。
日本国内での使用可否
現在、Ray‑Ban Metaは日本の技術基準適合証明(技適)を取得していないため、国内で使用することは原則として認められていません。
例外として、総務省が定める「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」を利用し、届出を出すことで180日間の試験的な使用が可能になります。
- 科学または技術の発達のための実験(サービスの実証実験など)
- 電波の利用の効率性に関する試験(アプリや機能の動作試験など)
- 電波の利用の需要に関する調査(イベント、媒体での需要調査など)
ただし、同じ内容での届出は1度しかできないため、長期的な使用には公式リリースを待つしかありません。
プライバシー配慮と撮影マナー
Ray‑Ban Metaはカメラを搭載しているため、公共の場での使用や他人が映り込んでしまうような撮影には、プライバシーへの配慮と慎重な対応が求められます。
Ray‑Ban Metaで撮影を開始すると、フレームに備え付けられているLEDライトが点灯します。

LEDが何かに覆われていると、取り除くようにアラートが届きます。
今後、国内で正式に使用できるようになった際は、プライバシーやマナーを遵守しましょう。
- 美術館や映画館などの撮影が禁止されている場所での使用を避ける
- 公共の場で撮影した動画をSNSでアップする際には、他人の映り込みにモザイクをかけるなど配慮する
- 相手がいる時には撮影の許可をもらう
まとめ
Ray‑Ban Metaは、MetaとRay-Banが開発した次世代スマートグラスで、撮影や通話、音楽再生、AI操作までハンズフリーで可能な先進的ガジェットです。
ただし、2025年8月時点で日本では技適未取得のため購入することもできず、国内での使用には事前の届出やルール遵守が必要です。
今後の技適取得や日本語対応が進めば、日本で使える日も期待できるでしょう。