
生成AIを使いたいけれど、「何をどう指示すればいいのか分からない」と感じる方は少なくありません。
そんなときに役立つのが、プロンプトジェネレーターです。
無料のものや日本語対応のものもあり、初心者でも安心してプロンプト作成を始められます。
この記事では、使いやすいおすすめのプロンプトジェネレーターや、選び方・使い方のコツをわかりやすく解説していきます。
プロンプトジェネレーターとは?おすすめ理由は効率と品質向上

プロンプトジェネレーターは、AIツールの出力精度を大きく左右する「プロンプト作成」を自動で支援してくれる便利なツールです。
ここではその仕組みと、初心者にもおすすめできる理由を解説していきます。
プロンプトをAIが自動生成・補完する仕組み
プロンプトジェネレーターとは、ChatGPTやMidjourneyなどに入力するプロンプト(指示文)を、AIが理解しやすい形に自動で整えてくれるツールです。
ユーザーが簡単な要望を入力するだけで、目的や文脈に応じた最適なプロンプトが生成されます。
この仕組みを支えているのが、大規模言語モデル(LLM)です。
大規模言語モデル(LLM)とは、大量のテキストデータを学習し、人間のように自然な言語処理を行うAI技術です。
入力内容の意図や目的をくみ取り、AIが理解しやすい構文に再構築する役割を担っています。
初心者でもAIツールの性能を引き出せる
プロンプトジェネレーターは、AIを初めて使う人でも簡単に操作できるようにサポートしてくれる頼れる相棒です。
目的を自然な日本語で入力するだけで、AIが理解しやすい形に自動で整えてくれるので、専門的な知識は必要ありません。
主なメリットは以下の通りです。
- プロンプト作成にかかる時間を大幅に削減
- AIの性能を引き出し、出力の質が向上
- 例文を参考にプロンプトの書き方を学べる
- 思いつかなかった表現や視点が得られる
- チームで使う場合も品質の一貫性を保てる
たとえば「商品説明文を作りたい」と入力するだけで、構成やトーンを含んだプロンプトが自動で生成されます。
画像生成ツールの場合も、雰囲気やスタイルを選ぶだけで、英語の指示文まで整えてくれるため、誰でもスムーズに使いこなせます。
プロンプトジェネレーターの選び方

プロンプトジェネレーターを選ぶ際は、まず「どのAIに対応しているか」「日本語で使えるか」などを確認しましょう。
加えて、「無料でどこまで使えるか」などを意識すると、自分に合ったツールを見つけやすくなります。
選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- 自分が使いたいAIモデルに合ったツールかどうか
- 日本語で表示・入力ができ、直感的に操作できるか
- どこまで無料で使えるか、有料になる機能は何か
- テンプレートの種類や、出力のカスタマイズができるか
まずは「自分がどんなAIで何をしたいか」を明確にすると、選ぶべきツールが自然と絞り込めます。
用途に合ったツールを選ぶことで、AI活用の効率と成果が大きく変わってきます。
無料&日本語対応のおすすめプロンプトジェネレーター4選

プロンプトジェネレーターは数多くありますが、「無料で使えて日本語対応」という条件にしぼると、選ぶべきツールは限られてきます。
ここでは、初心者でも使いやすく、信頼性のあるツールを4つご紹介します。
一覧比較!4つのツールの対応範囲と特徴
まずは、各ツールの対応AIや機能、日本語対応状況などを比較表で確認してみましょう。
ツール名 | 利用料金 | 対応言語 | 機能 |
---|---|---|---|
ChatGPT(公式) | 従量課金 | 日本語入力・出力に完全対応 | Playgroundでプロンプト自動生成・テストが可能 |
Claude(Anthropic) | プリペイド制 | 日本語入力・出力に対応 | 構造化テンプレート出力、変数設定対応 |
Midjourney Prompt Generator V6(GPTs) | 無料 | 日本語入力可/出力は英語 | Midjourney向けに5種のプロンプトを一括生成、構図・光など調整可 |
Stable Diffusion Prompt Wizard(GPTs) | 無料 | 日本語入力・出力に対応 | 質問形式でプロンプトを構築、構図や質感の細かい調整が可能 |
各ツールは対応しているAIモデルや操作言語、出力形式が異なります。
たとえばChatGPTのPlayground(後述)はテキスト生成に柔軟に対応できますが、プロンプト自動生成機能はAPI課金制(従量課金)になっています。
同様に、AnthropicのClaudeはWeb版に無料プランがありますが、API経由でのプロンプトジェネレーター利用は有料(プリペイド方式)となります。
OpenAIやAnthropicなどが公式で出しているプロンプトジェネレーターを完全無料で使うのは難しいですが、GPTsと呼ばれるカスタムGPT機能で公開されたツールであれば無料のユーザーでも利用ができるため、利用目的や予算に応じて使い分けましょう。
無料で始めたい場合は、後述の「深津式プロンプト」などを活用すると、精度の高い出力が得られやすいです。
ChatGPT(公式)
ChatGPTのプロンプトジェネレーターは、OpenAI Platform内の「Playground」機能で利用できます。
Playgroundは、AIと一緒にアイデアを試行錯誤できる実験室のような空間で、プロンプトの質を高めたいユーザーに最適です。
ChatGPTのプロンプトジェネレーターには、以下のような特徴があります。
- あいまいな要望でも、的確な指示文に変換
- ビジネスから創作まで幅広いジャンルに対応
- Playground画面でそのままテストや調整が可能
日本語での入力・出力に対応しており、自然な表現で扱えます。
GPT-4のAPIは従量課金制で、100万トークン(約75万〜100万字分)ごとに約2.5〜10ドルほどかかります。
無料枠は現在用意されていませんが、少量の利用であれば、比較的低コストで始められます。
使用方法は以下の通りです。

まずはOpenAIのトップページ(https://openai.com/ja-JP/)にアクセスします。
画面右上の「ログイン」メニューを開き、「APIプラットフォーム」を選択しましょう。
Google・Microsoft・Appleのアカウントでサインアップできるほか、電話番号やメールアドレスでも登録できます。

ログイン後、左側メニューから「Prompt generation」をクリックします。
画面が切り替わったら、画像右上の「Playground」を選びましょう。
Playgroundでは、プロンプトやスキーマ(出力形式のひな型)を自動で生成することができます。

Playgroundにアクセスしたら、左側メニューの「Prompts」をクリックします。
画面右側の中段にあるキラキラマークを押すと、プロンプト入力用のウィンドウが開きます。
希望する内容を入力し、「Create」をクリックすると、AIが最適なプロンプトを自動生成してくれます。

生成されたプロンプトが画面に表示されます。
内容は自動的に構成や表現が整えられています。
そのまま使うことも、部分的に編集することも可能です。
「ChatGPT(公式)」は、日本語で手軽にプロンプトを作りたい初心者から、出力精度を重視する上級者まで、幅広く使える定番ツールです。
Anthropic Console(Claude)
「Anthropic Console」は、Anthropicが提供するプロンプト自動生成ツールです。
目的を入力するだけでプロンプトを自動作成してくれるため、プロンプト設計に不慣れな方にも使いやすくなっています。
主な特徴は以下の通りです。
- 構造化された形式でプロンプトを出力
- 変数を含むテンプレートが生成される
- WorkBench画面(後述)で即時にテスト・編集が可能
Anthropic ConsoleのAPIはプリペイド方式で、利用するには事前にクレジットを購入する必要があります。
無料枠は用意されていません。
また、操作画面は英語表記が中心ですが、プロンプトの入力・出力には日本語も使用できます。
使い方の流れは以下の通りです。

まず、Anthropic Consoleのトップページ(https://console.anthropic.com/dashboard)にアクセスします。
Googleアカウントまたは、メールアドレスでサインイン可能です。
Anthropic Consoleにログイン後、左側のメニューから「Dashboard」を開きます。
中央に表示されるメニューから「Generate a prompt(プロンプトを生成)」をクリックします。

表示されたウィンドウに、生成したいプロンプトの希望内容を入力します。
【例:初心者でも理解できるよう、内容をステップごとに解説してください】
入力が終わったら、右下の「Generate」ボタンをクリックします。

Claudeが生成したプロンプトテンプレートが表示されます。
ステップ形式で構成された内容が提示されるので、内容を確認したら「Continue」をクリックして次へ進みます。

「Workbench」画面にプロンプトが自動で転送されます。
ここで内容の調整や実行が可能です。
必要に応じて変数の設定や編集を行いましょう。
Anthropic Consoleは、プロンプト設計に不慣れな方から上級者まで幅広く活用できるツールです。
Midjourney Prompt Generator .V6(GPTs)
「Midjourney Prompt Generator V6」は、ChatGPTで利用できるカスタムGPTのひとつです。
画像の仕上がりを左右する細かい設定もカバーしてくれるため、プロンプト作成に慣れていない人でも安心して使えます。
主な特徴は以下の通りです。
- Midjourney V6に最適化された5種類のプロンプトを一括生成
- 構図・光・スタイルなど、ビジュアル要素を細かく反映
- 「–v 6」「–niji 6」などのコマンド指定にも対応
こちらはChatGPTのGPTsで提供されているため、無料のユーザーも利用ができます。
入力は日本語でも可能で、出力は主に英語となります。
使用手順は以下の通りです。

ChatGPTにログインしたら、画面左側のメニューから「GPTを探す」をクリックします。
この操作で、カスタムGPTを検索・選択できるページが表示されます。

検索窓に「Midjourney Prompt Generator .V6」と入力します。
表示された候補の中から一番上のツールをクリックします。

カスタムGPTが起動したら、作成したい画像の説明文を日本語または英語で入力します。
その後、「許可する」のボタンをクリックすると、外部APIとの通信が許可され、プロンプトが生成されます。
「許可する」をクリックすると、外部サービスと通信する可能性があります。
実際に通信が発生するかどうかはGPTの設計によります。
安全性が気になる場合は、作成元やドメインを事前に確認しましょう。

数秒で5種類のプロンプトが英語で表示されます。
目的に合ったものを選び、Midjourneyの入力欄にコピペして使いましょう
構図やトーンの工夫が施された高精度なプロンプトがすぐに得られます。
「Midjourney Prompt Generator .V6」は、創造的で高品質な画像をつくりたいアーティストやデザイナーにおすすめのツールです。
Stable Diffusion Prompt Wizard(GPTs)
「Stable Diffusion Prompt Wizard」は、ChatGPTで使えるカスタムGPTのひとつです。
画像の仕上がりを左右する細かい設定もカバーしてくれるため、プロンプト作成に慣れていない人でも安心して使えます。
主な特長は以下の通りです。
- Stable Diffusionに最適なプロンプトを自動生成
- 対話形式でステップごとに内容を組み立てられる
- 構図や質感、トーンの細かい指定にも対応
こちらはChatGPTのGPTsで提供されているため、無料のユーザーも利用ができます。
入出力ともに日本語に対応しています。
使用方法は以下のとおりです

ChatGPTにログイン後、左側メニューにある「GPTを探す」をクリックします。
「Midjourney Prompt Generator .V6」と同様に、カスタムGPTを検索・起動できます。

検索窓に「Stable Diffusion Prompt Wizard」と入力します。
一覧の中から該当ツールをクリックしましょう。

プロンプト欄に希望のイメージを入力し、送信します。
すると、ツール側からいくつかの質問(使用するモデルやVRAM容量など)が提示されます。
会話形式で進むため、質問に答えていくだけで最適なプロンプトが自動で生成されます。

Stable Diffusion用のポジティブ・ネガティブプロンプトが自動で生成されます。
表示された内容は、そのままコピーしてStable Diffusion XLなどの入力欄に貼り付け可能です。
構図や解像度も最適化されており、初心者でも簡単に高品質な画像を作成できます。
曖昧なイメージをうまく言語化できない初心者や、表現の精度を高めたい中級者以上にも向いています。
プロンプトジェネレーターはどう使い分ける?目的別の使い分けが重要

プロンプトジェネレーターを使いこなすには、「目的に応じたツール選び」と「生成結果の活用方法」がポイントです。
ここでは、テキスト生成と画像生成で異なるアプローチや、英語プロンプトの活用法、出力の調整について解説します。
テキスト生成と画像生成でプロンプト構造は異なる
プロンプトジェネレーターは、用途に応じて構成を使い分けることが大切です。
テキスト生成と画像生成では、求められるプロンプトの形が異なります。
テキスト生成AI(ChatGPTやClaudeなど)では、文脈やトーンを含んだ丁寧な指示が効果的です。
- 背景や目的を先に伝えると、AIの理解度が高まる
- 出力形式や文体の指定で精度が上がる
- 会話形式やステップごとの指示も効果的
一方、画像生成AI(MidjourneyやStable Diffusionなど)では、短いキーワードを組み合わせる構成が基本になります。
- 視覚表現は「特徴+対象」の組み合わせで伝える
- 重要な要素は前に置いて優先度を明確にする
- 不要な内容はネガティブプロンプトで除外する
目的に応じてプロンプトの構造を切り替えることで、AIからの出力精度は大きく向上します。
英語プロンプトの活用で精度が上がる
多くの生成AIは英語のデータで学習されています。
プロンプトも英語で書くと、より精度の高い出力が得られやすくなります。
特にMidjourneyやStable Diffusionなど、画像生成系のツールではこの差が顕著です。
たとえば
「かわいい猫のイラスト」
よりも
「a cute cat with soft lighting」
と入力したほうが、光加減や雰囲気まで伝わりやすくなります。
英語が苦手な方も、以下のような工夫で対応可能です。
- 日本語から英語に変換できるプロンプトジェネレーターを使う
- 翻訳ツール(DeepLやGoogle翻訳)を活用する
- ChatGPTで英語プロンプトを生成してもらう
プロンプトを英語で書くだけで、出力のクオリティは大きく向上します。
プロンプトジェネレーターの出力は調整して使おう
プロンプトジェネレーターは便利ですが、出力された内容がそのまま理想の形とは限りません。
目的や状況に応じて少し調整するだけで、AIの精度や表現力は大きく変わります。
たとえば、言い回しを変えたり、強調したい部分を前に持ってきたりするだけでも効果はあります。
生成結果は「完成形」ではなく「出発点」です。
自分に合う形へと仕上げていくことで、AIの力を最大限に引き出せます。
微調整の積み重ねが、最終的な成果物の完成度に直結します。
効果的なプロンプトの作り方

生成AIを最大限に活用するには、プロンプトの設計力が欠かせません。
ここでは、実用性が高く、初心者でも取り入れやすい3つの「ひな型」をご紹介します。
深津式プロンプト
ChatGPTの活用で広く知られる「深津式」は、以下の3要素を意識するだけで、意図が伝わるプロンプトを構築できます。
- 誰として答えるか(例:あなたはキャリアアドバイザーです)
- 何をしてほしいか(例:就活生の自己PRを添削してください)
- どうまとめてほしいか(例:箇条書きで3点にまとめてください)
このように、立場・目的・形式を明確にすることで、AIが誤解なく回答しやすくなります。
とくに初めてプロンプトを設計する方におすすめの構造です。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。

ReActプロンプト
「ReAct」は「思考(Reasoning)+行動(Acting)」の考え方に基づいたプロンプト設計法です。
複雑なテーマや判断が必要な場面では、次の流れでAIに考えさせると効果的です。
- まず考える(背景や選択肢を整理)
- 次に行動する(処理・判断を進める)
- 最後に結論を述べる(理由を含めてまとめる)
この手法を使うと、AIが自らの思考プロセスを可視化しながら回答します。
根拠のある出力を求めるときに活用したいプロンプトです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。

ゴールシークプロンプト
「ゴールシーク」は「目的を先に伝える→必要なステップを逆算させる」という発想に基づいた設計です。
成果物がはっきりしているタスクには、以下の構成が有効です。
- 最終目標を提示する(例:採用される自己PR文を作りたい)
- 達成に必要な条件や構成をAIに尋ねる
- 順を追って必要要素を出力してもらう
この方式は、企画書・構成案・戦略立案など、ゴールに向けて積み上げたい場面で力を発揮します。
「何が足りないか」も見えやすくなるのが利点です。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。

まとめ
プロンプトジェネレーターは、AIの性能を引き出すための「翻訳者」のような存在です。
効果的に使いこなすには、次の3つを意識してみましょう。
- 目的に合ったツールを選ぶ
- ツールの特性を理解して使う
- 出力結果は自分で整える
ツールの特性やプロンプトの微調整を意識すると、生成内容の安定性が高まります。
まずは気になるツールを1つ試してみましょう。
プロンプトづくりのコツをつかむことで、あなたのAI活用はきっと次のステージに進化します。