OpenAIが5年ぶりにオープンウェイトモデル「gpt-oss」を公開―個人でもオフライン利用可

出典:OpenAI が提供するオープンモデル | OpenAI

米AI企業のOpenAIは8月6日、オープンウェイト型の新たな大規模言語モデル「gpt-oss」を発表しました。同社がモデルのパラメータ(重み)を完全に公開するのは2019年のGPT-2以来約5年ぶりで、AI業界から大きな注目を集めています。

gpt-ossは約1200億パラメータを持つ高性能モデルと、200億パラメータの軽量モデルの2種類で構成されています。性能面では、特に1200億パラメータ版が各種ベンチマークテストで優れた結果を示しました。

学術知識評価(MMLU)で90.0%質問応答評価(GPQA Diamond)で80.1%を記録し、商用モデル「o4-mini」に匹敵する性能を発揮しています。軽量な200億パラメータ版も数学系評価指標(AIME)で98.7%というスコアを出し、従来の「o3」モデルを上回りました。

最大の特徴は、このモデルが誰でも無料でオフライン利用可能なことです。Apache 2.0ライセンスで公開されているため、ユーザーは自由にモデルをダウンロードし、自分のパソコンやサーバー上で利用できます。ライセンス上の制約も少なく、個人でも企業でも自由に改変や再配布、商用利用が可能です軽量版は一般的な16GBメモリを搭載したノートPCでも動作し、高性能版も単一のH100 GPUで推論が可能です。

安全対策として、OpenAIは脆弱性を発見するため賞金総額50万ドルの「Red Teaming Challenge」を開催するとともに、NVIDIAやHugging Faceと協力して6週間のハッカソンを行うなど、コミュニティを巻き込んだ取り組みを展開しています。

OpenAIのサム・アルトマンCEOは「数十億ドル規模の研究成果を世界に開放し、ハイエンドラップトップでも高性能なAIが動作するようになる」と意義を強調しました。共同創業者のグレッグ・ブロックマン氏も「従来のAPI提供モデルを補完し、オフラインでの利用ニーズにも応える」としています。

AI研究者ネイサン・ランバート氏は「オープンモデルの発展にとって歴史的な一歩」と評価。Hugging Faceのトマ・ウルフ氏も「Mixture-of-Experts(専門家混合)構造を採用しているため、動作が非常に軽快」と技術的側面を高く評価しています。


出典:OpenAI が提供するオープンモデル | OpenAI

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