OpenAI、新モデル「GPT-4.5」を発表 感情知能を強化し人間らしい会話を実現

出典:Introduction to GPT-4.5 – YouTube

米OpenAIは最新の大規模言語モデル「GPT-4.5」を発表しました。

GPT-4.5は、最近リリースされている「o1」や「o3」のような推論特化型モデルとは異なり、教師なし学習(unsupervised learning)を大幅に拡張することで、世界に関する幅広い知識や直感的な理解を向上させたモデルです。

教師なし学習とは

人間があらかじめ正解を与えずに、AIが大量のデータから自らパターンや規則性を見つけ出す学習方法です。これによりAIは新たな知識を自主的に獲得できるようになります。

また、感情知能(EQ)を強化し、ユーザーの微妙なニュアンスや感情を正確に理解し、自然で温かみのある対話が可能になりました。

実際に公式サイトに掲載されているデモでは、「試験に落ちてつらい」というユーザーの発言に対し、GPT-4oが長文で具体的なアドバイスを提示したのに対して、GPT-4.5はユーザーの感情を汲み取り、「それは辛いですね」と共感を示しつつ、相手が会話を望むか気分転換を望むかをさりげなく尋ねるなど、感情への配慮を見せました。

出典:Introducing GPT-4.5 | OpenAI

こうした対応がGPT-4.5の感情知能の高さを印象付けています。

性能面でも、GPT-4.5は従来のモデル「GPT-4o」と比較して全般的に優れており、科学的推論を評価するベンチマーク「GPQA」では71.4%を達成しています。

これはGPT-4oの53.6%を大幅に上回っています。

一方で、推論に特化したモデル「OpenAI o3-mini」の79.7%には届かず、推論能力には今後の課題が残っています。

出典:Introducing GPT-4.5 | OpenAI

GPT-4.5はこれまでのモデルに比べ「幻覚」と呼ばれる誤った回答をする頻度が大幅に低下しています。

そのため、執筆支援やプログラミング、実務的な問題解決などのタスクにおいて、従来モデルよりも信頼性が高く役立つことが期待されます。

現在はChatGPTのProユーザーを対象に先行して提供が開始されており、来週にはPlusユーザーやTeamユーザーへ、さらに翌週には教育機関やEnterpriseユーザーにも順次展開される予定です。

開発者向けにもAPIを通じて提供され、関数呼び出しや構造化出力など、高度な機能が利用可能になります。

OpenAIのサム・アルトマンCEOは、自身のX(旧Twitter)アカウントで、「GPT-4.5は初めて本当に考え深い人と話しているような感覚を与えてくれるモデル」と高く評価しています。

その一方で、このモデルが巨大かつ非常に高価であるため、GPU不足により全ユーザーに同時展開できなかったことを明かしました。

アルトマン氏は「来週には数万台のGPUを追加し、Plusユーザーへの提供を開始する」と述べています。


出典:Introducing GPT-4.5 | OpenAI
出典:Introduction to GPT-4.5 – YouTube

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