OpenAIの最高技術責任者(CTO)であるミラ・ムラティ氏が退任することを発表しました。
ムラティ氏は2018年にOpenAIに参加し、ChatGPT、DALL-E、Codexなどの主要なプロダクトの開発を担当してきました。
彼女は「自分自身の探求のために時間と空間を作りたい」との理由で退任を決断したと、X(旧Twitter)に投稿しています。
I shared the following note with the OpenAI team today. pic.twitter.com/nsZ4khI06P
— Mira Murati (@miramurati) September 25, 2024
この退任発表の数時間後、OpenAIのVPリサーチであるバレット・ゾフ氏と、チーフリサーチオフィサーのボブ・マグリュー氏も辞任しました。
これについて、CEOのサム・アルトマン氏がXにて報告しています。
i just posted this note to openai:
— Sam Altman (@sama) September 26, 2024
Hi All–
Mira has been instrumental to OpenAI’s progress and growth the last 6.5 years; she has been a hugely significant factor in our development from an unknown research lab to an important company.
When Mira informed me this morning that…
ムラティ氏は短期間、アルトマン氏が一時的に解任された際にCEOを務めた経験もあり、同社において重要な役割を果たしてきました。
今回のムラティ氏の退任は、OpenAIが報じられたばかりの65億ドル規模の資金調達を控える中での動きです。
この資金調達により、同社の評価額は1500億ドルに達するとされていますが、ムラティ氏の退任がこのプロセスに影響を与えるかどうかは不明です。
一部の資金調達契約には「重大な不利益の変更」条項が含まれており、これにより企業に重大な変化があった場合、投資家が契約を撤回できる可能性があります。
ムラティ氏は、2020年12月にOpenAIにVP of Applied AI and Partnerships(応用AIおよびパートナーシップ担当副社長)として入社し、2022年5月にCTOに昇進しました。
それ以前には、Leap Motionやテスラでの勤務経験を持っています。
彼女は、2024年5月にOpenAIが発表したGPT-4の新機能、リアルな音声会話を可能にするモデルのプレゼンテーションをリードするなど、同社の顔としても認識されていました。
ムラティ氏の退任は、OpenAIにおける一連の幹部退任の一部でもあります。
8月には、共同設立者であるジョン・シュルマン氏がライバルAI企業Anthropicに移籍したことを発表し、もう一人の共同設立者であるグレッグ・ブロックマン氏も年末までの休暇を取ることを明らかにしています。
また、5月にはチーフサイエンティストであるイリヤ・サツケバー氏も退社しています。
一方で、アルトマン氏は新たな人事も発表しました。マット・ナイト氏がチーフインフォメーションセキュリティオフィサーに、ジョシュ・アチアム氏がヘッドオブミッションアライメントに、そしてマーク・チェン氏がシニアバイスプレジデントオブリサーチに昇進しました。
このように、OpenAIは組織再編を進めながら、今後もAI技術の発展に注力していくことが期待されています。
ムラティ氏の今後のキャリア展開がどのようになるのか、そして彼女がAI業界にどのような影響を与えるのか、業界全体から注目が集まっています。
出典:OpenAI’s technology chief Mira Murati and other research executives to leave | Reuters