OpenAIは、AIチャットボット「ChatGPT」を電話およびWhatsAppを通じて利用できる新機能を発表しました。
この取り組みにより、インターネット接続が不安定な環境や、デジタルデバイスに制限のあるユーザーでも、AIの利便性を享受できるようになりました。
これまではウェブ、スマートフォンアプリ、デスクトップアプリでの提供が中心でしたが、今回の新機能により、電話やメッセージアプリを通じた新たな利用方法が可能になりました。
OpenAIの製品部門を率いるケビン・ウェイル氏は「AIをより多くの人々に届けるため、利用しやすい形で提供することが重要」と述べています。
アメリカ国内のユーザーは、専用番号「1-800-CHATGPT(1-800-242-8478)」に電話をかけることで、ChatGPTと音声で会話できます。
このサービスは月15分まで無料で提供されますが、利用はアメリカ国内に限定されます。
電話での利用については、古い携帯電話や回転式ダイヤル電話でもChatGPTが使えることが説明されています。
デモでは、実際に古い携帯電話を使用してChatGPTにアクセスする様子が披露され、観光地に関する情報を尋ねたり、スペイン語で「こんにちは、お会いできて光栄です」というフレーズを教えてほしいといったリクエストが行われました。
Call 1-800-CHAT-GPT.
— OpenAI (@OpenAI) December 18, 2024
It even works on flip phones and landlines. pic.twitter.com/lT7CoQa1Kn
WhatsAppを利用する場合、ChatGPTを連絡先に追加するだけで簡単にテキストチャットを開始できます。
アカウントの作成は不要で、QRコードをスキャンすることで即座に会話を始められる点も利便性を高めています。
— ChatGPT (@ChatGPTapp) December 18, 2024
ただし、現在のWhatsAppでの利用はテキストベースに限定されており、画像送信などには対応していません。
デモでは、料理のレシピをリクエストし、必要な材料や具体的な作り方を細かく教えてもらう場面が紹介されました。
さらに、特定の食事制限に合わせたカスタマイズにも応じる柔軟性が披露され、実用性の高さが強調されました。
To send a message on WhatsApp, just type in 1-800-242-8478 as the recipient. pic.twitter.com/tzFTd7FzUj
— OpenAI (@OpenAI) December 18, 2024
現時点では音声通話やWhatsAppでの利用は基本的な会話機能に限られていますが、OpenAIは将来的に高度な機能の提供を予定しています。
ユーザー認証を通じて、画像を含むチャットや検索機能が追加される見通しで、これらは現在モバイルアプリやウェブ版でのみ利用可能です。
今後は電話やWhatsAppでもこれらの機能が利用できるようになることが期待されています。
この新機能は、インターネット接続が限られる環境でもAI技術を活用できる可能性を広げると同時に、デジタル技術の恩恵をより多くの人々に届ける重要なステップとなります。
OpenAIは、AIをすべての人々にとって有益なものにするというミッションを掲げています。
今回の発表はその理念を具体化する取り組みの一環であり、技術の進歩と社会への影響力を両立させる重要な一歩となるでしょう。