OpenAIが中国からのAPIアクセスを遮断する追加措置を講じることになりました。この決定により、同社のAIツールとソフトウェアへの中国からのアクセスがさらに制限されます。2024年7月から適用されるこの措置により、中国の開発者はOpenAIのサービスを利用できなくなります。中国国内の開発者には既に通知が送られています。
OpenAIの広報担当者は声明で「サービスをサポートしていない地域からのAPIトラフィックをブロックする追加措置を講じています」と述べています。同社は多くの国でサービスを提供していますが、そのリストに含まれていない国の利用者は、アカウントがブロックされたり停止されたりする可能性があります。
この決定の背景には、悪意のある国家支援のハッカーがOpenAIのツールを悪用しているという報告があります。Microsoftのレポートによると、中国、ロシア、イラン、北朝鮮のハッカーがOpenAIのAIツールを使って、スパイ活動やフィッシング攻撃を行っていたとされています。これらの活動には、特定の企業や情報機関に関する調査、技術論文の翻訳、フィッシングメールの作成などが含まれていました。
また、ワシントンからの圧力もこの決定に影響を与えています。米国財務省は、中国の先端技術へのアクセスを制限する規則を提案しており、これにはAIや半導体も含まれます。これは、中国が米国の国家安全保障を脅かす可能性のある技術を開発する能力を抑制するためのバイデン政権の戦略の一部です。
中国国内では、AlibabaやTencentが支援するZhipu AIなどの企業が、開発者に自社製品への切り替えを促しています。これにより、中国企業は独自のAIモデルの開発を進め、米国の技術への依存を減らそうとしています。
出典：OpenAI Warns it Will Block Access to AI Tools From China – Bloomberg