アメリカの半導体メーカーである「Nvidia(エヌビディア)」が、アメリカの司法省から独占禁止法違反の疑いで調査を受けています。
NvidiaはAI技術に欠かせないチップで大きなシェアを握っているため、その強大な力を不正に使っているのではないかと疑われているのです。
調査の焦点は、Nvidiaによるイスラエルのスタートアップ企業Run:aiの買収と、競合他社のAIチップの利用を妨害している疑いがある行為です。
Run:aiはGPU(画像処理装置)の管理ソフトウェアを開発する企業です。買収の具体的な問題点は明らかになっていませんが、近年、大手IT企業によるAI関連企業の買収が世界中の規制当局から注目されています。
特に、アメリカ、EU、イギリスの規制当局は、AI分野における不公平な競争や不正行為を防ぐために協力体制を強化しています。
司法省は、Nvidiaがクラウドサービスを提供する企業に対して、自社のAIチップの購入を迫った疑いについても調べています。
さらに、競合他社のチップを購入した顧客に対して、ネットワーク機器の価格を値上げしたという指摘もあります。
NvidiaのAIモデル学習用チップは、市場で70%から95%のシェアを占めているとされ、その圧倒的な地位は他国の規制当局からも問題視されています。
AI技術の需要増加を背景に、Nvidiaは6月には一時的にマイクロソフトを抜いて世界で最も価値のある企業になりました。
Nvidia側は、法律を遵守し、顧客が最適な製品を選べるようにしていると主張しています。
また、規制当局からの要請があれば、必要な情報を提供する用意があるとも述べています。
出典:Nvidia faces two DOJ antitrust probes over market dominance – The Verge