
n8nは、さまざまなアプリケーションやサービスを連携させて作業を自動化できるツールです。
Webサービスやローカル環境で利用できますが、Webサービスはコストが大きくなり、ローカル環境は導入が難しいといったデメリットがあります。
そこで、この記事ではコストを抑えつつ手軽に始められる、エックスサーバーVPSを用いたn8nの使い方を解説します。
ワークフローの自動化に興味のある方はぜひご覧ください。
n8nとは?

n8n(エヌエイトエヌ)は、さまざまなアプリケーションやサービスを連携させ、定型的な作業を自動化するためのワークフロー自動化ツールです。
プログラミングの知識が少なくても、ノーコード・ローコードで複雑な業務プロセスを構築できるのが大きな特徴です。
構築の際は、視覚的に分かりやすいノードベースの画面で、ドラッグ&ドロップで直感的にワークフローを作成できます。
オープンソースであるため無料で利用を開始できるほか、手軽なクラウド版も提供されており、個人のタスク管理から企業のDX推進まで幅広く活用されています。
n8nの導入方法

n8nの導入方法としては、公式が提供しているセルフホスト版とクラウド版、そしてエックスサーバーVPSが提供しているアプリイメージがあります。
ここでは、それぞれの特徴について解説します。
ローカル環境で導入する
セルフホスト版では、Dockerなどを利用して自分のパソコン上に環境構築してn8nを動かすことができます。
高い柔軟性と拡張性を備え、独自の運用やカスタマイズが可能となっています。
また、オープンソースであるため無料で使用可能です。
一方でサーバー構築や運用を自分で行う必要があるため、ある程度のサーバー知識が求められます。
公式のWebサービスで導入する
クラウド版では公式のWebサービスにアカウント登録するだけで使い始められるため、環境構築が不要であり、簡単に使い始めることができます。
サーバー管理の手間をかけたくない場合はクラウド版の利用がいいでしょう。
ただし、毎月の利用料金がかかるため、長期的に運用したり、大規模なワークフローを扱ったりする場合には、コストが大きくなってしまうデメリットもあります。
エックスサーバーVPSで導入する
n8nは、エックスサーバーVPSにおいてアプリイメージが提供されています。
これにより、エックスサーバー上でn8nを動かすことができるうえ、複雑なセットアップ作業を大幅に削減でき、環境構築にかかる手間を減らせます。
エックスサーバーVPSの利用料金のみで利用でき、クラウド版よりも運用コストを抑えることが可能です。
また、セルフホスト版のような柔軟性も備えています。
クラウド版とセルフホスト版の良さを併せ持っているため、最もおすすめな方法です。
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各導入方法の比較まとめ
ここまで述べた導入方法の比較まとめが以下の通りです。
項目 | エックスサーバーVPS | ローカル環境 | Webサービス |
---|---|---|---|
拡張性・柔軟性 | |||
コスト | |||
導入の簡単さ |
ローカル環境は拡張性や柔軟性が高く、無料で利用できますが、導入にはサーバーの知識が必要であり、一定のハードルがあります。
一方Webサービスはアカウント登録するだけで利用できるため、誰でも簡単に使い始めることが可能ですが、長期利用にはコストが膨らむデメリットがあります。
エックスサーバーVPSはセルフホスト版のような柔軟性とWebサービスのような導入の簡単さを併せ持っており、そこまで環境構築の知識はないが、ある程度柔軟に使いたいという人に向いています。
この記事では、以降エックスサーバーVPSでの使い方について解説します。
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n8nをエックスサーバーVPSで導入する場合の料金

n8nをエックスサーバーVPSで導入する場合、追加料金は不要であり、エックスサーバーVPSの利用料金のみで使用できます。
エックスサーバーVPSの代表的な料金プランは以下の通りです。
項目 | 2GB | 6GB | 12GB | ビジネスプラン |
---|---|---|---|---|
月額料金 | 830円~ | 1,700円~ | 3.201円~ | 3830円~ |
メモリ | 2GB | 6GB | 12GB | 4GB~ |
vCPU | 3コア | 4コア | 6コア | 4コア~ |
NVMe SSD | 50GB | 150GB | 400GB | 200GB~ |
初期費用 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
自動バックアップ | ||||
品質保証制度SLA | ||||
電話・メールサポート | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
対象 | 小規模サイト 個人開発 | 中規模サイト アクセス数の急増 | 大規模サイト 高負荷アプリ | 企業利用 重要システムの運用 |
個人利用ではメモリ別に複数のプランが用意されており、必要なスペックに応じて選ぶことができます。
なお、n8nの利用に必要となるメモリは2GB以上であるため、最安のプランでも十分利用可能です。

また、セキュリティが重視される法人利用では、SLA品質保証制度や自動バックアップが利用できるビジネスプランがおすすめです。
なお、記載している月額料金は3年契約をした場合の月額換算であり、契約方法によって料金は増減します。
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n8nをエックスサーバーVPSで使う方法

ここでは、n8nをエックスサーバーVPSで使う方法を解説します。
まずは公式サイトからエックスサーバーVPSのアカウント登録を行います。

必要事項を埋めてください。

入力後、登録したメールアドレスに確認コードが送られてくるため、入力しましょう。

その後、プランを選択し、インストールするイメージを選びます。
ここでn8nのイメージを選択しましょう。
「アプリケーション」タブに移り、「他のアプリケーションを表示する」をクリックします。

「AIツール」の中にn8nがあるのでクリックし、登録を進めます。

支払方法を設定すればアカウント登録が完了です。

n8nを利用するには、いくつかのポートを開放する必要があります。
以下のポートは開放することが必須です。
用途 | ポート番号 | 目的 |
---|---|---|
HTTP | TCP 80 | Let’s EncryptによるSSL証明書の取得・更新 |
HTTPS | TCP 443 | Webブラウザ上で暗号化通信を用いてアクセス |
また、以下のポートは必須ではありませんが、必要に応じて開放してください。
用途 | ポート番号 | 目的 |
---|---|---|
SSH | TCP 22 | SSHクライアントを使ったサーバー接続 |
「VPSパネル」に移動し、「パケットフィルター設定」を選択します。
パケットフィルター設定がONになっていることを確認し、「パケットフィルター設定を追加する」をクリックしましょう。

ここで必要なポートを開放してください。


なお、不要なポートはセキュリティ上開放しないことをおすすめします。
VPSにSSHまたはコンソールからログインします。
コンソールからログインするには、VPSパネルからコンソールのプルダウンを開き、シリアルコンソールかVNCコンソールを選択します。
シリアルコンソールはコピー&ペーストが可能なCUIのコンソールであり、VNCコンソールはGUI操作が行えるコンソールです。
この記事では、シリアルコンソールで説明を続けます。

コンソール起動後、Enterキーを押してログインします。
login:の後にはroot、パスワードにはアカウント登録の際に設定したrootパスワードを入力してください。

ログイン後、以下のコマンドを実行しましょう。
bash setup.sh <ドメイン> <メールアドレス>

なお、ドメインにはVPSのIPアドレスを入力してください。
以下のような画面が表示されればセットアップ完了です。

セットアップ完了後、「https://<指定したドメイン>」にアクセスしましょう。
アクセスすると管理者アカウントの作成画面が表示されるため、必要な項目を入力して「Next」をクリックしてください。

ライセンス取得画面が表示されるので、必要であればメールアドレスを入力して取得しましょう。
なお、ライセンスを取得すると一部の有料機能を無料で利用できますが、ライセンスがなくてもn8nは使えます。

今回は「Skip」をクリックしてライセンスは取得せずに進めます。
以下のような画面が表示されれば、管理者アカウントの作成は完了です。

右上の「Create Workflow」をクリックすることで、新しくワークフローを作成できます。

n8nにアップデートがあると、画面左に通知が届きます。

クリックすると、アップデート内容が確認できます。

以下のコマンドをSSHやコンソールにログインしてから実行することで、アップデートが可能です。
bash update.sh

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n8nをエックスサーバーVPSで使う場合の注意点

n8nをエックスサーバーVPSで使う場合の注意点として、料金プランの選択が挙げられます。
n8nはどのプランでも利用できますが、大規模なワークフローを構築する場合はメモリが2GBでは足りなくなる可能性があります。
自分に最適なプランを選択するようにしましょう。
また、運用中は定期的にアップデートするようにしましょう。
n8nをアップデートをすることで新機能の利用、バグの修正、セキュリティの向上といったメリットがあります。
運用中の適切なメンテナンスにより、システムの安定性やセキュリティ、パフォーマンスを維持・向上させることが可能です。
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まとめ
n8nは定型的な作業を自動化できるツールであり、ワークフローを効率化できます。
エックスサーバーVPSのアプリイメージをインストールすることで、クラウド版のように手軽に導入できるうえ、セルフホスト版のような柔軟性も併せ持ちます。
n8nをローカル環境に構築しようとしてあきらめた方や、Webサービスの利用にかかるコストで躊躇していた方は、ぜひエックスサーバーVPSを使った導入方法を試してみてください。
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