n8nとは?何ができるのか使い方を解説!活用事例や商用利用について

n8nとは、ワークフローを自動化するためのツールです。

ノードを使ってノーコードまたはローコードで開発ができ、生産性を向上させることができます。

有料のクラウド版に加え、無料で利用できるセルフホスト版もあります。

この記事では、n8nの使い方や商用利用の可否、さらに活用事例を通して何ができるのかについて解説します。

コーディング不要で業務を効率化するツールが気になっている方はぜひご覧ください。

目次

n8nとは?オープンソース自動化ツールの特徴

n8n(エヌエイトエヌ)は、ワークフローを自動化するためのオープンソースツールです。

プログラミングの専門知識がなくとも、ノーコードまたはローコードでさまざまなアプリケーションやサービスを連携させ、定型業務を自動化する仕組みを構築できます。

オープンソースであるため、自社のサーバーにインストールして利用するセルフホストが可能で、セキュリティやコストの要件に応じて柔軟に運用できるのが大きな魅力です。

日々の繰り返し作業やシステム間のデータ連携などを効率化し、生産性を向上させる強力なツールとして注目を集めています。

GUIベースのローコード自動化

n8nの最大の特徴は、視覚的な操作で自動化のフローを構築できるGUIにあります。

各処理の単位は「ノード」と呼ばれ、このノードをキャンバス上にドラッグ&ドロップし、線でつなぎ合わせていくだけでワークフローを作成できます。

これにより、プログラミングコードを記述することなく、直感的に「いつ、何が、どのように動くか」という一連の流れを設計することが可能です。

専門家でなくてもアイデアを形にしやすく、ローコードでの開発を実現します。

万が一エラーが発生した際も、どのノードで問題が起きたかを視覚的に特定しやすい点も利点です。

連携できるサービス数と拡張性

n8nは、GmailやSlack、Googleスプレッドシートといった主要なクラウドサービスをはじめ、数百種類以上の多様なアプリケーションと標準で連携できます。

これにより、普段利用している複数のツールを横断した自動化をスムーズに実現可能です。

さらに、特定のサービスに対応するノードがない場合でも、APIやWebhookを利用することで、あらゆる外部サービスと接続できる高い汎用性を誇ります。

また、JavaScriptコードを記述できるCodeノードを使えば、より複雑で独自の処理をワークフローに組み込むことも可能です。

このように、豊富な連携先と高い拡張性によって、単純なタスクから複雑な業務プロセスまで幅広く自動化できます。

Zapier/Makeとの違い

n8nがZapierやMakeといった他の自動化ツールと大きく異なる点は、オープンソースでありセルフホスティングが可能なことです。

これにより、自社のサーバー上でシステムを運用できるため、セキュリティポリシーが厳しい環境や、機密性の高いデータを扱う場合に大きなアドバンテージとなります。

一方で、ZapierやMakeはより初心者にとって使いやすいインターフェースを提供しています。

n8nは自由度が高い分、初期設定や学習にやや時間を要するでしょう。

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n8nで何ができる?代表的なユースケース

n8nを活用することで、これまで手作業で行っていた多くの定型業務を自動化し、業務効率を改善できます。

ここでは、n8nの代表的なユースケースをいくつかご紹介します。

データ連携・通知の自動化

n8nの最も基本的な活用例は、異なるサービス間のデータ連携と通知の自動化です。

例えば、Webサイトのフォームに問い合わせがあった際に、その内容を自動でGoogleスプレッドシートに記録し、同時にSlackやMicrosoft Teamsの特定チャンネルへ即時通知するワークフローを構築できます。

また、ECサイトで商品が購入されたら、在庫管理システムと顧客管理システムの両方のデータを更新するといったことも可能です。

これらの処理を自動化することで、情報の転記ミスや対応漏れを防ぎ、迅速かつ正確な業務遂行を実現します。

AI連携で高度な処理を実現

n8nは、OpenAIのGPTシリーズやGoogleのGeminiといった生成AIサービスとの連携も容易です。

これにより、単純なデータ連携にとどまらない、より高度で知的な処理を自動化ワークフローに組み込むことができます。

例えば、顧客からの問い合わせメールの内容をAIが要約し、緊急度を判定して担当者に割り振ったり、受信した長文ドキュメントから重要な情報を抽出してデータベースに保存したりすることが可能です。

さらに、回答文を自動で生成してメールやSlackで返信するなど、チャットボットとして活用することもできます。

ノーコードでできること・できないこと

n8nでは、ノーコードの範囲でも非常に多くのことが実現できます。

あらかじめ用意された多数のノードを組み合わせるだけで、サービスのデータ取得、条件分岐、繰り返し処理、基本的なデータ加工といったワークフローの構築が可能です。

日常的な通知業務や定型的なデータ入力作業のほとんどは、このノーコードの範囲でカバーできるでしょう。

しかし、提供されていない外部サービスとの特殊な連携や、JSONデータの複雑な構造変換、独自のビジネスロジックに基づいた高度な計算など、特定の要件を満たしたい場合にはコードの記述が必要になります。

n8nはJavaScriptを記述できるため、ノードとコードを組み合わせたローコードで多くのワークフローが実現できる点が大きな強みです。

n8nの導入方法による料金プランとの違い

n8nの導入方法としては、クラウド版とセルフホスト版、そしてエックスサーバーVPSのアプリイメージを使用する方法の3種類があります。

それぞれメリット・デメリットがあり、料金も異なるため、違いを理解して自分に合った導入方法を進めましょう。

クラウド版での導入時の料金とメリット・デメリット

n8nの導入方法としては、クラウド版とセルフホスト版、そしてエックスサーバーVPSのアプリイメージを使用する方法の3種類があります。

クラウド版は公式サイトでアカウントを登録することで簡単に利用開始できます。

無料トライアルはありますが、使い続けるには課金が必要です。

クラウド版の料金体系は以下の通りです。

スクロールできます
項目StarterProEnterprise
月額料金24ユーロ
約4,000円
60ユーロ
約10,000円
要問合せ
ワークフローの実行回数2,500回10,000回カスタム
アクティブなワークフロー5件15件無制限
同時実行件数5件20件200件
共有プロジェクト1件3件無制限
実行ログの保存7日間30日間無制限
セルフホスト

料金が大きく異なるため、使いはじめはStarterで機能を試し、より多くのワークフローを実行する必要があるのであればProにするといいでしょう。

また、セキュリティやパフォーマンス要件が厳しい企業の場合はEnterpriseがおすすめです。

セルフホスト版での導入時の料金とメリット・デメリット

セルフホスト版では、Dockerなどを利用してローカル環境に構築して利用できます。

追加料金が不要であり、社内などの閉じた環境でセキュリティを保ちつつ運用したい場合に向いています。

自由度は高いものの、サーバーの知識が要求されるため、導入にハードルがあります。

エックスサーバーVPSでの導入時の料金とメリット・デメリット

エックスサーバーVPSを使えば、導入が簡単であるうえ、クラウド版よりもコストを抑えることが可能です。

エックスサーバーVPSの料金は以下の通りです。

項目2 GB6 GB12 GB24 GB48 GB96 GB
月額830円1,700円3,201円7,200円18,500円38,000円
メモリ2 GB6 GB
(4 GB+2 GB)
12 GB
(8 GB+4 GB)
24 GB
(16 GB+8 GB)
48 GB
(32 GB+16 GB)
96 GB
(64 GB+32 GB)
vCPU3コア4コア6コア8コア12コア24コア
NVMe SSD50 GB150 GB400 GB800 GB1,600 GB2,400 GB
初期費用0円0円0円0円0円0円
※36ヶ月契約の場合の料金

クラウド環境にホスティングを行うため、柔軟性も持ち合わせており、クラウド版とセルフホスト版の良さを併せ持つ方法になっています。

エックスサーバーVPSでは定期的に割引を実施しているので、タイミングがあえばさらにコスパよく契約が可能です。

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n8nの基本的な使い方

ここでは、n8nの基本的な使い方を解説します。

n8nの基本的な使い方は、以下の手順の通りです。

この記事では、Webhookを使ったワークフローを作成していきます。

STEP

n8nを導入

まずはお好みの方法でn8nを導入します。

以下の記事では、エックスサーバーVPSを使った構築方法について詳しく解説しています。

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なお、この記事ではエックスサーバーVPSを用いてn8nを使用しています。

STEP

ワークフローを作成

n8nを起動し、「Create Workflow」をクリックして新規ワークフローを作成します。

STEP

ノードを追加

画面中央の「+」をクリックしてノードを追加します。

ノードの一覧が表示されるため、選択しましょう。

検索してノードを探すことも可能です。

ノードを選択すると、ワークフローに追加されます。

今回はURLアクセスなどの外部リクエストをトリガーとしてワークフローを開始できる「Webhook」を追加しました。

STEP

ノードの詳細を設定

ノードによっては、詳細を設定する必要があります。

今回は「HTTP Method」をGETにしています。

「Listen for test event」をクリックすることで、受信待ち状態になります。

URLが生成されるので、コピーしましょう。

アクセスすると、以下のような画面が表示されます。

接続に成功していれば、n8nにリクエストデータが表示されます。

STEP

処理のノードを追加

ノードの右にある「+」をクリックしてノードを追加していきます。

今回は、任意のフィールドを定義できるEdit Fields(Set)ノードを追加しました。

詳細設定では、フィールド名をmessageにし、Valueを「Hello World!」にしました。

さらに、URLにアクセスしたときにレスポンスを返すようにするために、Respond to Webhookを右に追加しました。

なお、設定はデフォルトのまま使用しています。

さらに、Webhookの「Respond」を「Using ’Respond to Webhook’ Node」に変更します。

これで、URLにアクセス後ワークフローが開始するようになりました。

STEP

ワークフローを有効化

出来上がったワークフローを「Save」で保存し、スイッチを切り替えて「Inactive」から「Active」にしましょう。

改めてURLにアクセスすると、先ほど作成したレスポンスが表示されます。

以上がn8nの基本的な使い方です。

n8nの活用事例:現場での自動化シナリオ集

ここでは、n8nの具体的な活用事例をご紹介します。

バックオフィスを省力化する定型業務自動化

経理や総務といったバックオフィス部門では、請求書の処理や経費精算など、多くの定型業務が発生します。

n8nを使えば、例えばメールで受信したPDFの請求書を自動で読み取り、その内容を会計ソフトやGoogleスプレッドシートに転記し、最後に経理担当者へSlackで確認依頼を通知する、といった一連のフローを自動化できます。

これにより、手作業による入力ミスを削減し、月次処理などの業務負荷を大幅に軽減することが可能です。

従業員は単純作業から解放され、より付加価値の高い業務に集中できるようになるでしょう。

ECサイト運営の在庫同期とレポート生成

複数のオンラインストアや実店舗で商品を販売しているEC事業者にとって、在庫管理は非常に重要でしょう。

n8nを活用すれば、ある店舗で商品が一つ売れた際に、他のすべての販売チャネルの在庫数をリアルタイムで自動的に更新する同期システムを構築できます。

これにより、売り越しによる機会損失や顧客信用の低下を防ぎます。

さらに、毎日の売上データを各プラットフォームから自動で収集し、整形して一つのレポートにまとめ、メールで自動送信するといったワークフローも実現可能です。

AI×n8nで実現する要約・分類ワークフロー

n8nとAIサービスを連携させることで、情報の整理や分析といった知的作業も自動化できます。

例えば、SNSやニュースサイトから自社に関連する投稿や記事を常時収集し、その内容をAIに要約させることができます。

さらに、その内容がポジティブかネガティブかを判定する感情分析を行ったり、製品に関する意見やサポートへの要望といったカテゴリに自動で分類したりすることも可能です。

こうして整理された情報は、自動で担当部署のタスク管理ツールに登録され、迅速な意思決定や顧客対応に繋がるでしょう。

商用利用とライセンス:企業導入前のチェックポイント

n8nを企業で導入する場合、商用利用の可否は気になる点でしょう。

最後に、商用利用できる場合とできない場合について解説します。

商用利用ができる場合とできない場合

n8nのライセンスによると、社内業務目的であれば基本的に利用可能です。

CRMとデータベースの連携やメールの自動化など、社内業務の効率化につながる使用は問題ありません。

また、n8nの使い方やノウハウについての情報を有料販売することも可能です。

ほかにも自動化コンサルティングサービスの提供や、カスタムノードを開発して販売することもライセンスで許可されています。

一方でn8nを再販売するような行為はライセンス違反となります。

自社商品として売り出すことはもちろん、自社でサーバーを立ててユーザーにn8nの利用料金を請求するような使い方も許可されていません。

さらに、自社のSaaSアプリケーションに組み込んで提供することも禁止されているため、特に注意が必要です。

セキュリティ/コンプライアンス確認項目

n8nを企業で導入する際、特にセルフホストを選択する場合には、セキュリティとコンプライアンスの確認が重要です。

ホストするサーバー自体のセキュリティ設定、アクセス制御、脆弱性管理は自社の責任となります。

また、ワークフロー内で扱うデータの暗号化、特にパスワードやAPIキーといった認証情報の管理方法を厳格に定める必要があります。

コンプライアンス面では、自社が準拠すべきデータ保護規制をn8nの利用が妨げないかを確認しなくてはなりません。

公式クラウド版を利用する場合は、提供されているセキュリティ基準や準拠する規格を確認することが大切です。

まとめ

n8nを導入することで、ワークフローを自動化し、業務の効率化や生産性の向上につながります。

ノードをつなぐだけでワークフローを作成でき、コーディングに関する知識がなくても利用可能です。

多くのサービスと連携できるため、さまざまなワークフローを自動化できるでしょう。

商用利用も可能であるため、業務改善を図りたい企業の担当者の方は、ぜひn8nを使った自動化を試してみてください。

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