元OpenAIの最高技術責任者(CTO)であるミラ・ムラティ氏が、次に立ち上げるスタートアップに向けて数名のOpenAI従業員を勧誘していると、米国メディアThe Informationが報じました。
ムラティ氏は10月4日をもってOpenAIを正式に退社し、現在は同社のアドバイザーとして引き続き関与していますが、彼女が新たに立ち上げようとしている事業の詳細についてはまだ明らかにされていません。
関係者によると、ムラティ氏はOpenAIの研究者たちに新たなスタートアップへの参加を打診しているとのことですが、彼女自身が独自のスタートアップを設立するのか、あるいは別のAI企業に加わるのかは不明です。
元OpenAI副社長のバレット・ゾフ氏も最近退社しており、彼の新しい事業にムラティ氏が関与するのではないかとの憶測も浮上しています。
OpenAI内ではムラティ氏の退社後、リサーチ部門に変動が生じています。
特に、リアム・フェダス氏がポストトレーニング部門のリーダーに昇進したことにより、複数の研究者がチームの異動を希望していると報じられています。
これに加え、研究責任者のボブ・マグルー氏や、GoogleからOpenAIに移籍しChatGPTの開発に携わったルーク・メッツ氏も最近退社しており、OpenAIは人材の流出が続いている状況です。
ムラティ氏の勧誘が進行中である一方、OpenAIは株式買い戻しの計画を進めており、これを通じて従業員の引き留めを図っています。
しかし、株式買い戻しを前にして主要メンバーが相次いで退社する事態に、OpenAIの人材管理に対する不安が広がっています。
OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏は、これらの離職者に対応するために様々な対策を講じているものの、ムラティ氏の新たなスタートアップへの勧誘が成功した場合、さらに多くの人材がOpenAIを離れる可能性があると見られています。
特に、ムラティ氏はOpenAI内部で高い評価を得ていたことから、彼女の新たなビジョンに共感する研究者たちが彼女のもとに集まる可能性があります。
現在、AI業界全体が競争の激化を見せており、OpenAIにとってムラティ氏の動きは新たな脅威となり得る状況です。
彼女の新事業がAI開発の未来にどのような影響を与えるのか、そしてOpenAIがどのようにしてこれに対抗していくのか、業界内外からの関心が高まっています。
今後のムラティ氏の動向が、AI技術の発展と市場競争にどのような変化をもたらすのか、目が離せません。
出典:OpenAI’s Newest Possible Threat: Ex-CTO Murati; Google’s Mini-ChatGPT Moment — The Information