MicrosoftとOpenAIは、AIに関する戦略的パートナーシップを構築しています。しかしこの両社の間には、同時に奇妙なライバル関係も存在していると、アメリカのニュースメディア「Semafor」が報じています。
OpenAIと、Googleの子会社であるAI企業DeepMindはライバル関係にあたります。しかし現在は、そのDeepMindの共同創設者の一人であるムスタファ・スレイマン氏がMicrosoftでAI部門の責任者を務めています。
MicrosoftはOpenAIへの多額の投資と引き換えに、ソフトウェアの知的財産権も持っているため、スレイマン氏はOpenAIの重要なアルゴリズムにアクセスすることが可能です。この状況により、両社の複雑な関係が浮き彫りになっています。
MicrosoftはOpenAIの製品にアクセスできるものの、極秘の研究プロジェクトにはアクセスできません。しかし、両社は製品の市場投入の際に緊密に協力しているため、Microsoftはその大部分について、一般公開前にチェックできる立場にあります。
現在、両社は互いに依存し合う関係にあります。しかし将来は、それぞれ独自の道を進むことを選んだ場合、スレイマン氏の存在がMicrosoftに有利に働く可能性があります。彼はAI技術の発展において重要な人物であり、優秀なAI人材を引き付けて、OpenAIと競争する助けになるでしょう。
ウォール・ストリート・ジャーナルは、Microsoftが社内に「OpenAIに対抗できる競合企業」を構築しようとしていると報じています。しかしOpenAIのGPT-4に匹敵する規模の基礎モデルがMicrosoftで開発されているという、証拠はありません。
Microsoft・OpenAI・スレイマン氏の3者はすべて、この件についてのコメントを控えています。
出典：Microsoft AI CEO Mustafa Suleyman audits OpenAI’s code | Semafor
