
動画生成は「思ったよりも時間がかかる」「編集が大変」だと思っていませんか。
「Vibes(バイブス)」とは、専門知識がなくても手軽に動画作成ができるAI動画フィードです。
本記事では、無料で使える機能や使い方・料金・商用利用や権利・導入可否まで詳しく解説します。
この記事を読み終える頃には、短時間で高品質なAI動画を生成できる「Vibes」への理解が深まるはずです。
「Vibes」とは|AI動画時代を切り開くMetaの新機能

Metaが2025年9月25日に、Meta AIアプリで自動で動画コンテンツを生成できる新機能「Vibes」(バイブス)をリリースしました。
「Vibes」とは、Metaが提供するAI動画フィードで、専門知識がなくてもゼロからSNS用ショート動画を自動生成できます。
ここでは、クリエイターやマーケターが効率よく動画コンテンツを作成できる仕組みを見ていきます。
Metaが提供するAI動画フィードの仕組み
「Vibes」(バイブス)とは、AIが動画コンテンツを自動生成し、ショート動画を発見・作成・共有することができるAI動画のフィードです。

既存の動画プラットフォーム「TikTok」「Instagram」「YouTube」との大きな違いは、ユーザーが「自分で撮影」しなくてもショート動画を作成できる点です。
ビジネスシーンにおいても動画制作の時間を大幅に短縮しつつ、AIを活用して効率的にSNSやマーケティング施策に活かせるという大きなメリットがあります。
どのようなことができる?AIが自動生成するショート動画体験
「Vibes」とは、動画制作の常識を変えたAI動画フィードです。
リミックス機能により、動画制作をこれまでの生産からユーザーの参加へと進化させています。マーケターはユーザー生成コンテンツ(UGC)を活かした自然な拡散を、クリエイターやスタートアップ企業は制作コストを抑えながら発信力を強化できます。
主にできることは、以下の3つです。
- ショート動画の作成
- フィード上の動画とリミックス
- InstagramやFacebookのストーリーズ・リールへクロスポスト
撮影・編集・構成の必要はなく、自分がつくりたい動画のテーマやキーワードをテキスト入力するだけで、AIが自動的にその世界観に合わせたショート動画を作成してくれます。
ゼロからAI動画をつくるだけでなく、手持ちの動画を使うことも可能です。AIがフィード上の動画とリミックスし、オリジナル性の高い作品に生まれ変わらせることができます。
背景や動画のスタイルを変更したり、好みの音楽をAI動画に乗せるだけで、ひとつのコミュニティの中で新しい世界観が次々と拡散されていきます。
また、完成した動画は「Vibes」上の投稿だけでなく、InstagramやFacebookのストーリーズ・リールでも共有することができます。Metaの巨大コンテンツシステムを活用できるので、マーケットの拡大を狙えます。
「Vibes」は日本でも使える?対応デバイスと国別状況
Meta AIアプリの新機能「Vibes」は、米国のほか40以上の国と地域への提供が始まりました。
スマートフォン・タブレット(iOS・Android)に対応し、PCではMeta AIのWebサイトを通じてアクセスできます。
しかし現在のところ、日本は対象地域に含まれていないため、アクセスが制限されています(2025年10月)。
実際にPCのWebサイトでMeta AIアプリを開いてみると、「お住まいの地域ではご利用いただけません」と表示されてしまいました。


Instagram・Facebookとの連携やDM投稿の仕組み
「Vibes」で生成した動画はフィードに投稿できるだけでなく、InstagramやFacebookのストーリーズ、リールにもそのままクロスポストが可能です。
投稿後は、ダイレクトメッセージで共有したり、自由に編集・再利用して新しい動画体験を創り出せます。Meta AIを通じて自分の世界観を発信し、見る人にインスピレーションを届けることでしょう。
「Vibes」の使い方|動画作成からリミックスまで

「Vibes」のスタイルは、TikTok・Instagram Reels・YouTube Shortsに似た縦型のフィードです。撮影スキルや編集技術がなくても誰でも直感的に操作でき、AIが表現豊かな動画(=バイブス)を自動生成します。
では、動画作成からリミックスまでの流れを詳しく見ていきましょう。
AIとゼロから動画を生み出す|「Vibes」が可能にする実用事例
撮影写真を使わず、ゼロから動画を生成できるのが「Vibes」の最大の魅力です。インスピレーションやアイデアひとつで、動画の可能性は無限に広がります。オールインワンの生成フローを活用すれば、思いついた瞬間の遊び心をそのままカタチにできます。
海外のテクノロジー関連情報やユーザーによる実用例をXから挙げてみました。
テーマ・テキスト・キーワードなどのプロンプトを入力するだけでAIが自動でゼロから動画を生成できたと投稿されています。「Vibes」を使うと、「この20秒の動画をつくるのに、5分もかからなかった」という声があります。
I spent less than 5 min creating this 20 seconds. But I use @Meta vibes 👍 #AIart #aivideo #ai https://t.co/noYvuZeaSj pic.twitter.com/ALDqiTy9Lz
— Neo (@petrovicsrb) October 10, 2025
さらに、色調の調整や画像スタイルの変更、エフェクトの追加も自由に行えたり、好みの音楽を選んで独自の世界観を演出できるという投稿も。
作成した動画は「Vibes」フィードの他に、友達と共有したり、InstagramやFacebookのストーリーズ・リールで公開する楽しみ方もあります。
I’ve been using the new Meta AI Vibes app – and it’s fun but some of the videos it makes are unintentionally hilarious
— TechPulse Daily (@DailyTechpulse) October 7, 2025
Meta’s new Vibes app is fun to play with – but the AI-generated videos can be absolutely ridiculous
… https://t.co/qGg8qXuONi pic.twitter.com/n9RwCGfnbO
なお現在、日本国内ではアクセス制限がかかっており、「Vibes」は公式には利用できません。
しかし、NordVPNなどのVPNサービスを利用し、海外サーバー経由でアクセスすることで国内からでも利用できる場合があります。VPN接続は低コストで暗号化した安全なネットワークでデーターのやりとりができるため、この方法がもっとも現実的な選択肢と言えるでしょう。
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手持ち素材からAIが再構成|写真・動画をアップして再生成する方法
手持ちの動画をアップロードすると、AIが自動で再編集し素材を組み合わせて独自のストーリーを構築。既存のAIショート動画をリミックスして新しいコンテンツも生み出せます。
さらに、プリセットやカスタムプロンプトを活用して、背景変更やキャラクターの衣装チェンジ、人物・ペットの見た目を変えるなどブランドトーンに沿った演出ができます。

画像のアニメーション化や動画拡張によって、SNSやマーケティングで注目される没入感のある作品が簡単に作れます。
テキストや画像からの生成やAI動画のリミックス、音楽の自動付与、Instagram・Facebookへのシームレス共有までが一体化。制作初動を大幅に短縮し、検証サイクルを高速化してくれるため、クリエイターの表現力と生産性を飛躍的に高めています。
リミックスで生まれ変わる|音楽・スタイル変更&再投稿のコツ
AIによる自動生成やリミックスの後は投稿前にプレビューで仕上がりを確認し、自社のブランドガイドラインの自動適用やSNSのトレンドに合わせた最適化はユーザー自身で行う必要があります。
「Vibes」フィードに流れる動画の他、ユーザーの作品を自分なりに再編集できる点も大きな特徴です。元の動画のスタイルを変えたり、サウンドトラックを追加・変更したり、新たなエフェクト加えたりすることで、ひとつの作品がコミュニティ内で次々と新しい形へと進化していきます。
企業・クリエイターはどう使う?|「Vibes」が活用される近未来

企業やクリエイターは「Vibes」のAI自動動画コンテンツを上手く活用すれば、業務効率の向上や新たな顧客体験の創出に取り組むことが可能です。
ここでは今後、日本でも期待される企業での効果的な導入のアイデアを考えてみました。
EC業界向け|プロモーション動画を自動生成
商品の動画が売り上げを左右するEC市場(楽天・Amazonなど)では、「Vibes」を活用しプロンプト入力による商品動画の自動生成が可能になります。運営者の制作負担を大幅に軽減し、わずか数分で魅力的なプロモーションコンテンツを量産。動画を活用した訴求力と宣伝効果を一気に高めることができます。
さらに、ブランドや小売店が多いアパレル業界では、モデル撮影や映像編集にかかっていたコストを削減できます。プリセットやカスタムプロンプトを使えば、人物の見た目や背景を自由に変更可能。ロケ撮影を行わずともブランドイメージに沿った世界観を簡単に表現できます。
飲食業界向け|メニュー動画で集客・販促を強化
レストラン・カフェなどの飲食業界では「Vibes」に定番メニューや新作スイーツ、季節限定メニューを素材として取り込むだけで、短時間で臨場感のある動画の自動生成できます。
手持ちの料理の写真や外観、店内、料理人の写真とのリミックスで独自性・ストーリー性のある動画をInstagramへのシームレス化で配信が手軽になります。
Instagram広告やリール投稿の制作負担を大幅に軽減しながら、視覚的に食欲を刺激するブランディングを実現し、来店促進やデリバリー注文拡大にもつながるでしょう。
不動産・観光業界向け|物件・観光PR動画をスピーディに作成
手持ちの素材と新着のマンション・戸建て物件情報や観光動画をリミックスすると、AIが自動で再編集。短時間で印象的な動画を生成できます。
不動産では現地撮影に頼らず物件の魅力を効率的に伝えられ、内見前のアピールや問い合わせ・成約増加につながります。さらに、インテリアや家具の動画を組み合わせることで実際の暮らしのイメージを膨らませ、物件選びのしやすさも高められます。
一方、観光では、旅行者が現地を体験するようなシミュレーション動画がつくれます。地方自治体や観光施設のPR、SNS拡散キャンペーンにも活用可能です。
UGCを生むキャンペーン戦略|リミックスで広がる参加型マーケティング
企業のキャンペーン投稿をAIでリミックスしてもらうことで、ユーザー生成コンテンツ(UGC)を効率的に増やすことができます。ユーザーは自分の感性やアイデアで既存のコンテンツを自由自在にアレンジ。自然に参加意欲が高まり、投稿や共有が活発化します。
さらに、リミックスされたコンテンツが二次的に拡散されることで、キャンペーンの認知度や話題性も飛躍的に向上。従来の一方向的なプロモーションでは難しかった、ユーザーとブランドが共創する参加型マーケティングを実現できます。
「Meta Vibes」の料金と商用利用|無料でどこまで使えるのか?

「Vibes」は現時点では無料提供で、公式な料金プランや価格体系についてMetaからの明確な発表はありません。(2025年10月時点)
現在の情報を元に、料金体系や商用利用の注意点を整理しました。
現時点の料金と提供条件|「Vibes」は無料で利用可能
Metaは「Vibes」の利用を無料で提供しています。
Metaの広報担当者は、Vibesは無料であり、同社には当面それを変更する予定はないと述べた。
出典:CBSニュース
他の生成AIサービスと同様に、今後は広告連携機能や高度な生成オプション(高解像度出力、大量生成、商用利用向けなど)は、有料プランとして提供される可能性も考えられますが、現時点では将来的な課金モデルの公式発表の実態はありません。
商用利用と権利の境界線|AI生成物を安心して使うために
AIによるコンテンツ生成が拡大するなか、著作権や権利の扱いは今後の大きな論点です。
「Vibes」でも既存の映像・音楽・画像をもとにAIがリミックスや再構成を行うため、生成された作品をどこまで“自分の著作物”とみなせるかは、まだ法的に明確ではありません。
特に商用利用やブランドコンテンツとして活用する場合は、「Vibes」の利用規約やライセンス条項を必ず確認しておくことが大切です。
「Vibes」をめぐる賛否の背景とは?

動画生成の新時代をリードするといわれる「Vibes」ですが、その一方でAI特有の課題も多く指摘されています。
MetaのCEOマーク・ザッカーバーグ氏がInstagram上で「Vibes」を発表した際には、ユーザーや業界関係者からはコンテンツの質や方向性に対する懸念の声が上がりました。
こうした賛否両論の背景を整理しながら、AI動画時代を安全かつ有意義に活用するための視点を解説します。
AIスロップ問題の実態と今後の懸念
「Vibes」で生成されるショート動画が“AIスロップ(AI slop)”と批判されたのは、人間の手ではなく人工知能(AI)によって大量生成されることへの懸念が背景にあります。
Metaが掲げる「創造の民主化」によって、誰もがクリエイターになれる新時代が到来しました。しかし、その一方で個性や創造性に乏しいコンテンツが増え、視聴者にとって価値の低い投稿がフィードを埋め尽くすのではないかと危惧されています。
マーケティングやSNS運用ではこうした動画がそのまま公開されると、ブランドイメージの低下やフォロワーのエンゲージメント減少のリスクがあります。
また、AI生成動画は偽情報や偽広告・ディープフェイクなどに悪用される可能性もあり、情報の信ぴょう性の確保が課題です。
企業・SNS運用者・クリエイターが守るべきルールと信頼性のバランス
企業や商品・サービスをはじめ、SNS運用者、個人クリエイターのブランド戦略として「Vibes」を活用する場合、AI生成動画の表現内容や権利管理、SNSのガイドライン遵守が重要です。
「見た目・内容・法的ルール」の3点をチェックして、企業や商品・サービスのブランドに合った動画を投稿しましょう。
まずは、見た目や内容が自社や個人のブランドイメージに合っているか、企業やサービスの世界観にふさわしい表現になっているかを確認する必要があります。
内容については、AIが生成した動画に誤った情報や不適切な表現、過度な演出などが含まれていないかチェックします。
著作権や各種ライセンスの取り扱いにも注意が必要です。使用する音楽や画像、映像素材が正しくライセンスされたものか、商用利用が認められているかなど、法的なルールを遵守することが欠かせません。
加えて、InstagramやFacebookなど投稿先となるSNSの規約に違反していないかも確認しましょう。
企業や商品・サービスのイメージアップや信頼を得るには、AI生成動画をしっかり管理すること。不要な量産は避け、ユーザーに価値のあるコンテンツを厳選して提供することを心がけましょう。
クリエイター視点で見るチャンスとリスク
「Vibes」を誰もが使えることで、動画クリエイターの役割が大きく変化していきます。
撮影や編集作業がない分、動画の制作時間と手間が大幅に削減でき、クリエイターは生成後の仕上げだけでオリジナリティを加えられます。
効率と表現力を両立した動画制作が可能な一方で、独自性や著作権管理を怠るとリスクになります。
AI自動生成時代だからこそ、人間らしい感性やストーリー性を生かすことで他のAIコンテンツとの差別化が強みになるでしょう。
まとめ
「Vibes」は、テキストプロンプトを使ってAIが自動的に動画を生成・リミックスできるMetaの新しいAI動画フィードです。
企業やクリエイターは販促や業務効率化、コミュニティ形成など幅広い分野で使えるので、動画制作のコスト削減につながります。
現在、無料提供されていますが、日本は対象地域外のためアクセスが制限されています。
今後の日本への展開を期待しつつ、将来的にビジネス利用の際には、利便性とリスクの両面を理解し、クリエイティブな活用とブランド保護のバランスを取ることを意識しましょう。
