
AIエージェントを活用したパーソナルクラウドコンピューティングプラットフォームを展開するManusは、新機能「Wide Research(ワイドリサーチ)」をリリースしました。この新たな機能により、数百件規模の情報を必要とするような複雑かつ大規模なリサーチを、AIエージェント同士の協力によって迅速かつ簡単に処理できるようになります。
Manusは今年初め、General AIエージェントという新しいカテゴリーを定義し、その可能性を示したことで注目されましたが、同社の目標は単なるAIサービスの提供にとどまりません。従来、エンジニアなど一部の専門ユーザーに限定されてきたクラウドコンピューティングの高度な機能を、AIを通じて一般ユーザーに広く開放することを目指しています。
Manusの各ユーザーセッションは専用のクラウドベースの仮想マシン上で動作し、複雑なクラウド処理をユーザーがAIエージェントとの対話を通じて簡単に操作できます。仮想マシンがチューリング完全であることから、レンタル用のプレゼンテーション作成から最新のオープンソースプロジェクトの評価に至るまで、さまざまなニーズに応じた汎用的な処理が可能です。
今回公開されたWide Researchは、大規模な仮想化インフラと効率的なエージェント設計を活用したものであり、これまでの個別のAIエージェントによる作業とは異なります。Fortune 500企業の調査やMBAプログラムの比較、さらには最新の生成系AIツールの調査など、数百件に及ぶデータを扱うリサーチも手軽に実施できます。
Wide Researchの最大の特徴は、従来のマルチエージェントシステムのように「マネージャー」や「コーダー」などの役割を固定化しないことです。全てのサブエージェントが汎用的なManusインスタンスとして動作することで、高度な柔軟性を実現しました。これにより、ユーザーは従来の固定的な作業手順に縛られることなく、自由度の高いリサーチ活動が可能となります。
ManusはWide ResearchをProユーザー向けに本日より提供を開始し、今後はPlusおよびBasicユーザーに対しても段階的に展開していく計画です。同社にとってこのリリースはAIエージェントのスケーリングにおける重要なマイルストーンであり、Wide Researchを支える技術基盤は、同社が進めるより大きなプロジェクトの一環を担っています。
