AIスタートアップのHeyGen（ヘイジェン）は、企業価値5億ドルの評価を受け、6000万ドルの資金調達に成功しました。この融資により、これまでの総資金調達額は7400万ドルとなりました。
HeyGenの急速な成長は、サービスの提供開始から7ヶ月後の2023年第2四半期に黒字化を達成し、年間定期収益が3500万ドルを超え、4万人以上の有料の顧客を獲得したことに示されています。
HeyGenは20年11月に中国の「诗云科技」という名の法人として誕生しました。そのためアメリカ議会から調査を受けたこともあります。ただし「诗云科技」の登記は23年12月には抹消されており、HeyGenは2022年以降、完全にアメリカに軸足を移して運営されています、本社はロサンゼルスです。
共同創業者兼CEOのジョシュア・シュー氏は「私の中国の伝統が恥ずべきものとして扱われるのは残念なことだと思います。米中間の政治レベルでの懸念は理解できるが、それはアメリカ人、カナダ人、イギリス人が設立した企業以上に私の会社とは関係がない。」と述べています。
“I think it’s disappointing to see that my Chinese heritage is treated as something for me to be ashamed of,” Xu said. “While there’s understandable concern at the political level between the US and China, that has no more to do with my company than a company founded by Americans, Canadians or the British.”
出典：Bloomberg
HeyGenは、ユーザーの声で話し、言語を翻訳するリアルなアバターを作成することに特化しています。HeyGenを使えば誰でも自分の声で話し、その声を様々な他の言語に翻訳できる写実的なアバターを作成できます。
ジョシュア・シュー氏は、カメラに映らなくてもビデオを作成できるようにすることで、ビデオ作成の障壁を取り除くことを強調しています。HeyGenは、テキスト生成と音声生成のためにOpenAIやElevenLabsのソフトウェアを使用しています。
ディープフェイクに関する懸念がある一方で、企業側にはトレーニングビデオや広告キャンペーン、チャットボットにHeyGenを採用したいという大きな需要も存在しています。
同社は技術の悪用を防ぐため、口頭での同意を求め、人間のモデレーターを使用するなどの厳しいコンテンツガイドラインを実施しています。また、HeyGenは人間の担当者を置いて、いじめ・ハラスメント・偽情報に使用される可能性のある不適切なコンテンツを作成するためのアバターの使用をブロックしています。
出典：AI Video Startup HeyGen Valued at $500 Million in Funding Round – Bloomberg