GPT-5とGPT-4oの違いは?機能や性能を徹底比較!おすすめの使い分けを紹介

OpenAIのAIモデルを利用する上での主な選択肢として、「GPT-5」と「GPT-4o」が挙げられます。

しかし「結局どちらを使うべき?」「機能や料金、性能の違いは?」と悩む方も多いでしょう。

本記事では、ChatGPTやAPI利用を検討する担当者や開発者向けに、GPT-5とGPT-4oの違いを徹底比較し、スペック早見表から用途別のおすすめまで解説します。

目次

GPT-5とGPT-4oの比較|結論と早見表

ChatGPTやAIのAPI活用において、最新モデル「GPT-5」と「GPT-4o」のどちらを選ぶべきか、コストや速度のトレードオフも複雑になっています。まず結論から、目的別にどちらのGPTモデルを選ぶべきかを簡単にまとめました。

使い分けの結論|あなたにおすすめのモデルはどっち?

まず、GPT-4oは、速度とリアルタイム性を重視する場合に最適なモデルです。OpenAIも公式に「速さ」を最大の強みとして挙げています。GPT-4oは、テキスト・音声・画像のすべてを単一のモデルで処理できるため、特に遅延が致命的となるタスクで真価を発揮します。

例えば一般ユーザーがスマートフォンでAIと自然な音声会話をしたり、開発者が顧客対応チャットボットの応答速度を改善したりする場合、GPT-4oのリアルタイム性はユーザー体験を劇的に向上させるでしょう。

GPT‑4o はテキスト、論理的思考、コード生成の点では GPT‑4 Turbo と同等の性能を発揮し、多言語、音声、視覚情報の能力では新たな最高水準を設定していることが明らかとなりました。

出典:GPT-4o が登場 OpenAI

一方で、GPT-5は、最高の推論精度・複雑なタスクの処理・長文の分析や生成を必要とする場面で真価を発揮します。API入力コストの観点でもGPT-4oより優位性があるため、コストと賢さの両立が求められる場面でも第一候補となります。

AIの回答品質や思考の深さがビジネスの成果に直結するような、高度な分析・研究開発・法務文書のレビュー・複雑な仕様書からのコーディングといったタスクで求められるのは、GPT-5の圧倒的な推論能力です。OpenAIも、GPT-5を「次世代モデル」と明確に位置づけています。

推論を伴うタスクでは、およそ半数のケースで専門家と同等かそれ以上の成果を示し、法律・物流・営業・エンジニアリングなど40以上の職種にわたるタスクで、o3 や ChatGPT agent を凌駕しています。

出典:GPT-5 が登場 OpenAI

スペック比較早見表|機能・性能・上限

GPT-5とGPT-4oの主要な違いを一覧表にまとめます。特に「推論性能」と「API料金」、「マルチモーダル性能のリアルタイム性」が大きな判断基準となります。

スクロールできます
項目GPT-5GPT-4o備考
位置づけ最高性能
フラッグシップ
高性能
高速
マルチモーダル
GPT-5はGPT-4シリーズの次世代モデル
推論性能
(最高性能)

(高性能)
数学・コーディング・論理タスクで差
応答速度
(高精度だが遅延あり)

(非常に高速)
リアルタイム性が求められるタスクに影響
マルチモーダル
対応
(高精度・バッチ処理向き)

対応
(リアルタイム処理)
音声会話のレイテンシは4oが圧倒
コンテキストウィンドウ128K128K扱えるドキュメントのサイズは同等
提供プランFree
Plus
Business
Enterprise
Plus
Business
Enterprise
無料ユーザーはGPT-5が制限付き利用可能、
レガシーモデルであるGPT-4oは選択不可
主な強み複雑な指示追従性
深い論理
長文の一貫性
速度
コスト
自然な音声
画像対話
高度な論理力が必要な業務はGPT-5、
リアルタイムの情報処理・会話はGPT-4oが最適

モデルの選び方のフローチャート|タスク別

「結局、自分のタスクではどのモデルを使えばいいの?」と迷う方のために、シンプルな選び方フローチャートを用意しました。

Q1. リアルタイム性(速度)が最重要ですか? (例:音声会話、通訳、高速な顧客チャット対応)
  • はい → GPT-4o がおすすめです。
    • 理由:GPT-5に比べて応答速度が圧倒的に速いため。リアルタイム性が求められるタスクでは、賢さよりも即時性が重視されます。
  • いいえQ2へ
Q2. コストを最優先で抑えたいですか?(例:社内の実験導入、大量のAPIリクエスト)
  • はいGPT-5 がおすすめです。
    • 理由:APIのインプット料金がGPT-4oより安価なため。または、無料プランでの利用が可能なためです。
  • いいえQ3へ
Q3. 最高の「賢さ」が必要ですか?
(例:複雑な分析、法務レビュー、高度なコーディング、AIの嘘を極限まで減らしたい)
  • はい → GPT-5 がおすすめです。
    • 理由:指示追従性や論理的思考力はGPT-5が圧倒的に優れているため。
  • いいえ → GPT-4o がおすすめです。
    • 理由:最高の賢さも不要であれば、次点で優れている「応答速度」を持つGPT-4oが、多くのタスクでバランスの良い(十分賢く、十分速い)選択肢となるためです。

GPT-5とGPT-4oの違い|モデルの位置づけ

GPT-5とGPT-4oはどちらもOpenAIが開発した強力なAIモデルですが、その開発目的と「強み」が異なります。GPT-4oが「速度と万能性」のモデルであるのに対し、GPT-5は「最高の賢さ」を追求した次世代のフラッグシップAIモデルです。

GPT-5|次世代フラッグシップモデルの強みと役割

GPT-5は、従来のGPT-4シリーズとは一線を画す、「賢さ」を極限まで高めたフラッグシップAIモデルです。

つまり、AIの最先端を切り開く「フロンティアモデル」の研究成果を、私たちがChatGPTやAPIで実用的に使えるよう調整したモデルということです。そのためコンテキスト長などのスペックはGPT-4oと近くても、指示の意図を深く理解し複雑な論理パズルを解き、ハルシネーションを減らす能力が向上しています。

法務レビュー・高度なプログラミング・専門的な分析など、AIの「思考の深さ」がビジネス品質に直結するタスクで真価を発揮するモデルと言えます。

GPT-4o|「Omni」を担うマルチモーダルモデルの強み

GPT-4oの「o」はOmni(オムニ=すべて)を意味します。GPT-4oは、テキスト・音声・画像を単一のAIモデルでシームレスに、かつ高速に処理するために開発されました。

GPT-4oの最大の強みは圧倒的な応答速度です。GPT-5が賢さのために思考時間を要するのに対し、GPT-4oはGPT-4 Turboを超える性能を持ちながら、非常に高速なレスポンスを実現します。

これにより、リアルタイムの音声通訳や素早い顧客対応チャットボット、遅延の少ないAIアシスタントなどこれまで速度がネックとなっていた用途が一気に実用的になりました。「賢さ」と「速さ」のバランスに優れた、高速マルチモーダルAIモデルがGPT-4oの位置づけです。

GPT-5とGPT-4oの料金比較|APIコストと運用上限

AIモデル選定では性能とコストが重要で、特にAPI利用を前提とする開発者にとって料金体系はROIに直結します。驚くべきことに最新のGPT-5は、GPT-4oと比較しAPI入力などの特定条件下でより安価な価格設定がされています。

プラン別の利用制限

GPT-5の登場により、両モデルの提供プランと位置づけは明確に分かれました。

まず、ChatGPTでの利用について以下の表にまとめます。

GPT-5が最新の主力モデルとして無料プランにも提供され、GPT-4oは有料プランユーザー向けの「高速なレガシーモデル」という位置づけになりました。

スクロールできます
プランGPT-5GPT-4o
Free
利用可能
(厳しい回数制限あり)

利用不可
Plus
利用可能
(制限あり)

利用可能
(制限あり)
Pro
利用可能
(高い上限)

利用可能
(高い上限)
Business
利用可能
(Proと同等)

利用可能
(Proと同等)
Enterprise
利用可能
(無制限)

利用可能
(無制限)

API利用料金

APIの利用料金は、AIに指示を出すインプットと、AIが回答を生成するアウトプットのトークン数に基づいて計算されます。

以下の表は、テキストモデル(Standard Tier)における、主要モデルの100万トークンあたりの料金です。(※2025年11月現在)

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モデル名入力料金 (Input)キャッシュ入力 (Cache)出力料金 (Output)
GPT-5$1.25$0.125$10.00
GPT-5 mini$0.25$0.025$2.00
GPT-5 nano$0.05$0.005$0.40
GPT-4o$2.50$1.25$10.00
GPT-4o mini$0.15$0.075$0.60

表からわかる通り、アウトプット料金はGPT-5とGPT-4oで同額ですが、インプット料金はGPT-5がGPT-4oの半額に設定されています。

APIのレート制限

API利用におけるレート制限はOpenAIが導入している重要な仕組みです。レート制限は主に「不正使用の防止」「公平なアクセス」「サーバー負荷の管理」という3つの理由から設けられています。

レート制限の測定方法は、TPM(1分あたりのトークン数)・TPD(1日あたりのトークン数)・RPM(1分あたりのリクエスト数)・RPD(1日あたりのリクエスト数)・IPM(1分あたりの画像数)の5つです。APIへのリクエストは5つのうち、どれか1つでも先に上限に達した場合に制限されます。

TPMやRPMその他の上限値は、OpenAIがティアと呼ぶアカウント階層によって自動的に決まる仕組みです。ティアは、APIの累計支払額(例: $5以上でTier 1、$50以上でTier 2)に応じて自動的に昇格し、ティアが上がるほどTPM/RPMの上限と月額の使用制限も引き上げられます。

以下の表は新規アカウント(Tier 1)のデフォルト上限値です。実際の制限値やご自身の現在のティアは、OpenAIアカウントのダッシュボードで必ずご確認ください。

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項目GPT-5GPT-4o
TPM (トークン/分)500,00030,000
RPM (リクエスト/分)500500

運用コストの最適化|キャッシュ・バッチ処理

開発者にとって、APIの運用コストを最適化する上で「バッチ処理(Batch API)」と「キャッシュ入力」は重要な選択肢です。

バッチ処理は、緊急性のない大量のタスク(例:夜間に1万件のデータを処理)をまとめてリクエストすることで、Standard Tierの半額程度の料金(例:GPT-5のインプットが$0.625)でGPTモデルを利用できます。

特に注目すべきは、料金表にもある「キャッシュ入力」です。キャッシュ入力料金とは、一度入力したコンテキストを再利用する際に適用される割引料金です。GPT-5はキャッシュ入力料金がGPT-4oの10分の1と格段に安く設定されています。

同じシステムプロンプトや長文の参照ドキュメントを繰り返し使うAIアプリケーションでは、GPT-5へ移行することが、AIの賢さの向上とコスト削減を両立させる最善策となり得ます。

GPT-4o継続利用とレガシー対応の注意点

GPT-5の登場後も、GPT-4oは「レガシーモデル」としてAPIやChatGPTの有料プランから引き続き利用可能です。しかし、新旧モデルを併用・検証する際には、性能だけでなく「安全性」と「運用安定性」の観点が不可欠です。

モデル切替時に起こりやすい揺れ|出力傾向の差

API開発者がGPT-5の利用を検討する際、あるいはGPT-4oで構築した既存システムでGPT-5の利用を検証する際は、慎重な品質保証プロセスが不可欠です。

GPT-5とGPT-4oは異なるAIモデルであるため、同一のプロンプトを与えても、異なる出力が返ってきます。 これが「出力の揺れ」や「傾向の差」と呼ばれるものです。

具体的には、詳細さのレベルが変化することが考えられます。例えばGPT-4oが簡潔に3行で要約していたタスクを、GPT-5はより賢くなったがゆえに10行で詳細に解説することもあり得るでしょう。

また、口調の変化も起こり得ます。GPT-4oが返していたフレンドリーな回答とGPT-5が返すフォーマルな回答とで、顧客に与える印象が変わってしまうかもしれません。

さらに指示解釈の精度の変化も重要です。GPT-4oが見逃していたような複雑な指示をGPT-5は正確に実行しようとするため、出力結果が根本的に変わる可能性があります。

既存プロンプト・ワークフローの再検証ポイント

出力の揺れはAIの回答品質だけでなく、システム連携において致命的なエラーを引き起こす可能性があります。したがって、GPT-4o向けに最適化されたプロンプトやワークフローをGPT-5で利用する場合は、いくつかのポイントを必要に応じて見直す余地があります。

最も危険なポイントは、JSON形式など構造化データの互換性です。GPT-4oが{"key": "value"}というJSONを返していたワークフローがあったとします。GPT-5は賢いがゆえに{"key": "value", "note": "..."}といったキーや値を追加し、システムがエラーを起こすケースが考えられます。

次に出力文字数の上限です。GPT-4oが平均100文字で回答していた部分がGPT-5では平均300文字になるなど、出力が長くなる可能性があります。データベースのカラムの上限を超えたり、UIのレイアウトが崩れたりしないか検証が必要です。

最後に、RAG(検索拡張生成)の挙動も確認すべきです。「参照した社内ドキュメントAに基づき回答せよ」という指示に対し、GPT-5が賢いがゆえに内蔵知識も補足してしまい、情報源の管理が担保できなくなるケースがあります。

まとめ

本記事では、OpenAIの最新AIモデル「GPT-5」と「GPT-4o」の違いについて、機能・性能・料金・利用プランの観点から徹底的に比較しました。

両モデルの最大の違いは、GPT-4oが「速度・リアルタイム性」(応答速度)に特化したモデルであるのに対し、GPT-5は「最高の賢さ・信頼性・(API入力の)コストパフォーマンス」を追求したフラッグシップAIモデルである点です。

ChatGPTの一般ユーザーの方は、日常的なタスクや音声会話ではGPT-4oの速さを活用し、複雑なレポート作成や分析ではGPT-5の賢さを試すことでその違いを体感できるでしょう。

開発者や導入担当者にとっての最適解は、多くの場合「ハイブリッド運用」です。

本記事の比較表や使い分けを参考にご自身のタスクに最適なGPTモデルを選定し、AI活用の成果を最大化してください。

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