
GoogleのCEOであるスンダー・ピチャイ氏は、同社の検索エンジンをAIアシスタントへと進化させる方針を明らかにしました。
2月4日に行われた決算説明会で、ピチャイ氏はGoogle検索が「AIによる進化の途中にある」と述べ、2025年が検索技術の大きな転換点になると強調しました。
Googleはすでに「AIオーバービュー」という新機能を導入し、検索結果を従来の「青いリンクの一覧」から、AIが直接回答を生成する形へと変えつつあります。

今後Googleは、検索エンジンを単なる情報提供のツールではなく、インターネット上の情報を分析し、ユーザーに最適な答えを返すAIアシスタントのようなものへと進化させる計画です。
この取り組みの背景には、OpenAIのChatGPTの登場があります。2022年にリリースされたChatGPTは瞬く間に普及し、Google検索の将来にとって大きな脅威となりました。これを受け、Googleは検索体験を根本から変革するためのAI技術の開発を加速させています。
ピチャイ氏は、GoogleのAI研究部門であるDeepMindが開発中の「Project Astra」にも言及しました。
この技術は、カメラやコンピューターの画面を通じてリアルタイムで情報を解析し、質問に答えることができる仕組みです。将来的には、拡張現実(AR)対応のスマートグラスに活用される可能性もあるとしています。

また、「Gemini Deep Research」というAIエージェントも開発されており、従来ユーザーが検索を繰り返して収集していた情報を、AIが数分でレポートとしてまとめる機能を持っています。

さらにGoogleは、「Project Mariner」という技術も開発しており、AIがウェブサイトを自動で操作し、ユーザーが直接サイトを訪れなくても必要な情報を取得できる仕組みを提供する計画です。

こうした新技術によって、Google検索は従来の検索エンジンの枠を超え、より高度なAIアシスタントへと進化することが期待されています。
検索エンジンの進化は、Googleのビジネスモデルにも影響を及ぼします。検索結果からのトラフィックに依存するウェブサイトや、Googleの広告収益モデルにも大きな変化をもたらす可能性があるからです。
ピチャイ氏は、「ユーザーがより簡単に質問し、フォローアップできる仕組みを作ることで、さらなる成長の機会がある」と述べ、今後もAIを活用した検索体験の向上を目指す姿勢を示しました。
一方で、AIによる検索機能の強化には課題も残されています。AIオーバービューの初期導入時には、誤情報や不適切な回答が相次ぎ、批判の声も上がりました。それでもGoogleは、2025年をAI検索の革新の年と位置づけ、さらなる改良を重ねながら、新たな検索体験の提供を進めていく方針です。
出典:Google wants Search to be more like an AI assistant in 2025 | TechCrunch