
米Googleは、同社のアクセス解析ツール「Google Analytics(GA4)」が、新たに「MCP(Model Context Protocol)サーバー」に対応したことを発表しました。このMCPサーバーは、生成AIモデルと各種システム間を接続するための規格であり、今回の対応により、生成AIを活用したAnalyticsデータの対話型分析が可能となります。
新たな取り組みについて、Google Analyticsの開発者リレーション責任者であるマット・ランダース氏がデモを通じて紹介しました。同氏は、生成AIモデルの一つである「Gemini」のCLI(コマンドラインインターフェース)を使用し、Analyticsデータに対して自然な対話形式で質問を行いました。例えば、「昨日のユーザー数は?」という問いに対し、GeminiがAnalyticsから自動的にデータを取得し、「3082人」と即座に回答を提示しました。
さらに、「先月最も売れた商品」を質問すると、GeminiはAnalyticsデータから収益順のランキングを表示しました。その後、別の基準として「販売数ベース」の集計を依頼すると、Geminiは即時に新しい条件で再度分析結果を提示するなど、柔軟な対応を実証しました。
また、MCPサーバー対応による生成AI活用は、単純なデータ照会に留まりません。例えば、ランダース氏は月間5000ドルのマーケティング予算を設定し、収益向上のための具体的なプランを求めました。それに対してGeminiは、Analyticsデータを分析し、Google検索広告やショッピング広告の活用、SNSへの広告展開、メールマーケティングの実施といった具体的施策を提示しました。また、提案の根拠として、Analyticsデータから直接流入とオーガニック検索が41万9000ドル以上の収益を生み出しているというデータも示しています。
このMCPサーバーの設定方法はGitHub上で公開されており、ユーザー自身でAnalyticsと生成AIの連携環境を構築することが可能です。Googleは、この規格対応がマーケティング担当者の意思決定を支援することや、開発者がAnalyticsを活用した新たなAIエージェントを構築する基盤になることを期待しています。同社はコミュニティからの意見やフィードバックを歓迎し、今後も積極的な改善を図る考えを示しています。