YコンビネーターのCEOであるギャリー・タン氏は、ワシントンD.C.のエコノミッククラブでの講演で、AIの規制が必要だと述べました。タン氏は、特に米国立標準技術研究所(NIST)が進める生成AIのリスク緩和フレームワークに支持を表明し、バイデン政権の大統領令についても「正しい方向に進んでいる」と評価しました。このフレームワークには、データプライバシーや著作権の遵守、生成AIの使用開示、児童性的虐待材料の生成禁止などが含まれています。
しかし、カリフォルニア州やサンフランシスコで進行中の規制法案には懸念を示しています。特に、同州のスコット・ウィーナー上院議員が提案した、AI企業が有害な製品を提供した場合に訴訟を起こせる法案について言及し、政策の理想的な形を模索していく必要があると述べました。
Yコンビネーターは、社会に悪影響を与えると判断したスタートアップには投資しない方針を掲げています。同社は多くのAIスタートアップを輩出しており、2024年冬のバッチでは86社ものAI企業が参加しました。
タン氏はAIの未来について、バイオテロやサイバー攻撃のリスクに注意を払いながらも、より慎重なアプローチが必要だと強調しています。また、将来的には少数の企業が市場を独占するのではなく、多様な選択肢があることが望ましいと述べ、スタートアップが自由にイノベーションを起こせる環境を維持することが重要だとしています。