FLUX.2とは?無料画像生成?ローカルでの使い方やプロンプトと料金プラン

「生成AIの品質やコストに限界がある」と悩んでいませんか?

FLUX.2は文字生成や一貫性を強化し、実務レベルへ進化しました。

本記事ではFLUX.2とは何か、画像生成の使い方や料金プラン、無料で使用できるかなどを解説します。また、FLUX.2のローカル環境への導入手順も合わせてお伝えします。

コストを抑えつつ最高品質の制作環境を整えるため、本記事をお役立てください。

目次

FLUX.2とは?

FLUX.2は、Black Forest Labs(BFL)が2025年11月25日にリリースした最新のAI画像生成モデルです。

FLUX.1がクリエイティブツールの可能性を示したのに対し、FLUX.2はプロダクションワークフローでの実用性を重視して設計されました。

FLUX.2の基本スペック

FLUX.2は、BFLがこれまでにリリースした中で最も高性能なモデルです。

アーキテクチャには「潜在フローマッチング(latent flow matching)」を採用しており、画像生成と編集を単一のアーキテクチャで統合しました。

モデルの構造は、Mistral-3 24BパラメータのVLM(Vision-Language Model)と整流フロートランスフォーマーを結合しています。

VLMが現実世界の知識や文脈理解をもたらし、トランスフォーマーが空間関係や構図の論理を捉えます。

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FLUX.2の4つモデル|pro・flex・dev・klein

FLUX.2は用途や環境に合わせて4つのモデルを提供しています。

出典:Black Forest Labs

ご自身の状況に合わせてモデルを選択してください。

モデル主な特徴おすすめユーザー
pro最高品質・高速
API経由で10秒未満の生成が可能
プロの制作現場・企業担当者
コストより品質と納品スピードを最優先する人
flex調整可能・高コスパ
ステップ数で品質とコストを制御できる
Webサービス開発者・運用担当
予算内で品質バランスを細かく調整したい人
devオープンウェイト
非商用なら無料。生成と編集を統合
個人クリエイター・エンジニア
ハイスペックPCを持ち、ローカルで自由に試したい人
klein軽量・高速
低負荷で動く蒸留モデル(近日公開)
ノートPCユーザー・一般層
手持ちのPCで手軽に生成を楽しみたい人

各モデルの選び方について補足します。

ビジネスやプロの現場で商業広告やポスター制作などに活用する場合、最高画質と納品スピードに優位なproがおすすめです。

一方で、Webサービスの開発などでコスト管理を重視する場合は、テストと本番で品質(ステップ数)を柔軟に調整できるflexが適しています。

出典:Black Forest Labs

Controlling image detail with variable steps: FLUX.2 [flex] provides a “steps” parameter, trading off image detail and latency. From left to right: 6 steps, 20 steps, 50 steps.
可変ステップによる画像ディテールの制御: FLUX.2 [flex] には「steps」パラメータが用意されており、画像ディテールとレイテンシーのバランスを取ることができます。左から右へ:6ステップ、20ステップ、50ステップ。

引用元:Black Forest Labs

ローカル環境での利用を検討している場合、RTX 4090などの高性能GPUをお持ちなら、制限なく無料で試せるdevがおすすめです。

ハイスペックな環境がないノートPCユーザーでも、近日公開の軽量モデルkleinであればエッジデバイス上で手軽に生成を楽しめるようになります。

FLUX.2の主な特徴|マルチリファレンス・4MP高解像度・文字生成

FLUX.2は、単一のモデル内でこれまでにない高度な制御と一貫性を提供します。

FLUX.2の強みは、最大10枚の画像を参照して新しい画像を生成できる「マルチリファレンス機能」です。

出典:Black Forest Labs

追加のトレーニングを行うことなく、キャラクターの顔立ちや製品のスタイルを一貫して維持できます 。

出力は最大4メガピクセル(4MP)に対応しており、ディテールを保ちながら高解像度で画像を編集することが可能です。

従来モデルが苦手としていた文字生成能力も大幅に向上しており、複雑なタイポグラフィやUIデザイン内のテキストも正確に描写します。

Hexコードを使用した色指定も可能なため、企業のブランドカラーを忠実に再現するといった高度な制御にも対応可能です。

FLUX.2の画像生成の使い方

FLUX.2を利用する方法は大きく4つあり、手軽さと自由度(コスト)はトレードオフの関係にあります。

以下の比較表から、ご自身の目的に合った方法を選びましょう。

利用方法手軽さ自由度(コスト)おすすめのユーザー
FLUX Playground

構築不要

無料で使用可能
まずは試したい初心者・検証用
外部Webサービス

ブラウザ完結


定額/従量
環境構築なしで使い込みたい人
API
要コード

従量課金
アプリへの組み込み・大量生成
ローカル
要ハイスペックPC

GPU代のみ
制限なく使い倒したい開発者

以下、手軽な順に具体的な使い方を解説します。

ブラウザだけで試す|FLUX Playgroundの基本操作

一番簡単にFLUX.2を使用する方法は、公式ツール「FLUX Playground」の利用です。コード記述や環境構築は一切不要で、ブラウザからアクセスするだけですぐに試せます。

高度なモデルであるproおよびflexの「正解データ(本来の品質)」を確認できる点がメリットです。 proとflexは、負荷が大きく個人のローカル環境で動かすのは現実的ではありません。

APIを使って自社サービスに組み込む前に、「このプロンプトでどの程度の品質が出るのか」を公式環境でテストしておくことで、開発の手戻りを防げます。

BFLのウェブサイトの一部として提供されており、アカウント登録のみで即座に利用を開始できます。

Webサービスで手軽に使う|Flux系画像生成サイトでの使い方

Flux AI Imageなどの外部Webサービスを利用すると、devモデルなどをブラウザ上で手軽に利用できます。

公式Playgroundと同様に環境構築は不要ですが、独自のクレジットシステムにより、まとまった枚数の生成が可能です。

多くのサービスでは新規ユーザーに無料クレジットが付与され、失敗したジョブに対しては自動的に返金されるシステムが採用されているため、無駄な消費を抑えられます。

APIでサービスに組み込む|fal.aiやBFL公式APIの利用イメージ

自社サービスへの組み込みや、システムによる大量生成を行う場合はAPIを利用します。

BFL公式APIは、シンプルに統合でき、常に最新の強力なモデルへアクセス可能です。

外部API(fal.ai等)は、devを含む全モデルを提供しており、開発者は用途に応じてより安価なモデルを選択できる場合があります。

プログラミングの知識が必要ですが、ビジネス用途での自由度は格段に高まります。

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ローカル or クラウドGPUで動かす|ComfyUIでの利用

自身のPCやクラウドGPU上でFLUX.2を実行する方法です。

ComfyUIを利用して動作させますが、従来用意されていたStable Diffusionモデルとは要求スペックとモデルの完結力において大きく異なります。

Stable Diffusion系が比較的軽量なVRAMで動作するのに対し、FLUX.2 のdevは320億パラメータという巨大なモデルであり、動作させるには最適化技術(fp8)を用いても、実用的な速度で運用するにはRTX 4090クラスのハイエンドGPUが必要です。

その分、ControlNetなどの拡張機能を組み合わせる必要があった「画像編集」や「一貫性の維持」が単一のモデル内で扱えるようになっており、追加の複雑な設定なしに高度な制御が可能です。

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FLUX.2の画像生成は無料でどこまでできる?

FLUX.2を無料で利用する方法はいくつかありますが、「どのような条件で無料なのか」を理解しておきましょう。

パターン概要注意点
Webサービスの無料枠公式Playgroundなどが提供する初回特典を利用する方法。付与されたクレジットを使い切ると課金が必要。
ローカル環境PCにdevモデルを入れて動かす方法。
非商用利用のみ無料。
設備投資が必要。

2つのパターンの違いを理解して、ご自身に合った方法を選びましょう。

FLUX Playgroundの無料クレジットと1日あたりの制限

公式の「FLUX Playground」では、開始時に50の無料クレジットが付与されます。

proモデルで画像を生成する場合、1枚あたり4クレジットを消費するため、最大12枚程度まで無料で生成できます。

大量に生成しようとすると、過度なアクセスを制限するためのレート制限がかかる可能性があります。

あくまで品質確認のためのテスト使用として活用するのがおすすめです。

無料クレジット制のFlux系画像生成サイトの使い方と注意点

Flux AI Imageなどの外部Webサービスでも、新規ユーザー向けに無料クレジットが提供されています。

公式Playgroundのクレジットを使い切った後の、選択肢としておすすめです。

また、Flux AI Imageは、失敗した生成ジョブに対してはクレジットが消費されません。

未使用のクレジットも期限切れにならないシステムのため、無駄な消費を抑えて長く利用できます。

Unused credits don’t expire, and failed jobs are auto-refunded. See Pricing for model plans.
未使用のクレジットは期限切れにならず、失敗したジョブは自動的に返金されます。

引用元:Flux AI Image

無料枠で試すときのおすすめ設定|ステップ数・解像度

限られた無料クレジットで少しでも多くの画像を生成するには、設定の工夫が必要です。

調整が可能なflexモデルを利用し、ステップ数と解像度を抑える2点を意識してみましょう。

推論ステップ数を10〜20ステップ程度に設定すると、消費を抑えながら高速なプロトタイピングが可能です。

構図などが決まり、最終的な品質が必要な本番生成時のみ、最大50ステップまで上げて仕上げます。

FLUX.2の解像度は、最大4MPまで出力可能ですが、一般的なユースケースでは2MP程度で十分な場面が多いです。

無料枠での試用時は、さらに低い1MP(1024×1024)程度に設定すると、クレジット消費を最小限に抑えながら、より多く試行して構図の確認が可能です。

FLUX.2の料金プランとコスト感

本格的にビジネスや制作活動でFLUX.2を利用する場合、気になるのがランニングコストです。

実際に月いくらかかるのかの目安を解説します。

FLUX.2の料金プラン|BFL公式APIの単価と課金の仕組み

BFL公式APIは、使用した分だけ支払う従量課金制です。

生成する画像の解像度(メガピクセル:MP)とモデルの種類によって単価が異なります。

モデル名テキストから画像課金の仕組み
FLUX.2 pro$0.03〜最初の1MPが$0.03(以降、入出力MPあたり$0.015加算)
FLUX.2 flex$0.06〜出力MPあたり$0.06で請求
FLUX.2 dev無料 (非商用)ローカル開発用(商用利用には別途ライセンスが必要)

proは最高品質モデルで、条件によってはflexよりも基本単価が安く設定されていますが、flexはステップ数を減らすことでコストを抑えられる柔軟性があります。

個人クリエイター・小規模チームのための妥当なコスト感

「結局、毎月の経費はいくら見込めば良いのか?」導入を検討する上でのコスト感を提示します。

個人とチームそれぞれの利用規模に合わせて月額コストを試算しました(1ドル=150円換算)。

ターゲット月間生成枚数運用モデル・方法月額コスト目安特徴・メリット
個人クリエイター
(副業・作品制作)
100枚
(1枚あたり1MP未満)
devでローカル実行0円初期投資(PC)さえあれば、ランニングコストは発生しません。
proをAPI利用$3.00(約450円)
=100枚×$0.03
趣味や副業でも負担にならない。
小規模チーム
(デザイン事務所等)
1,000枚proでAPI利用ですべて生成$30.00(約4,500円)
=1,000枚×$0.03
全て最高画質で出力しても、素材コストとしては安価。
dev (ラフ9割)
+ pro(本番1割)利用
※外部API経由で利用した場合の試算
$13.80(約2,070円)
=900枚×$0.012
+100枚× $0.03
ラフ作成に安価なdevを使うことで、コストを半額以下に圧縮可。
※1$150円計算

個人クリエイターの場合、ハイスペックなPCを持っているならdevモデルをローカルで動かすのがおすすめです

生成枚数に関わらずモデル利用料はかからないため、納得いくまで何度でも試行錯誤できます。

ハイスペックPCを持っていない場合でも、API経由でproモデルを利用すれば月額ワンコイン以下に収まります。

小規模チームの場合、商業利用可能なproモデルですべて生成しても、月5,000円以下とリーズナブルです。

さらに、コストを抑えたい場合、ラフ段階では安価なdevモデル(外部API)を使い、本番のみproモデルを使う運用フローがおすすめです。

FLUX.2ローカル実行の始め方|ComfyUI+FLUX.2 dev

「月額料金を気にせず、自分のPCで制限なくFLUX.2を使い倒したい」

そのように考える方には、ローカル環境での実行がおすすめです。

本章では、視覚的に操作できるツール「ComfyUI」を使って、FLUX.2 devを導入する手順を解説します。

必要なPCスペック・VRAM目安・クラウドGPU

FLUX.2 devは「32B(320億)パラメータ」という非常に巨大なモデルです。

快適に動作させるには、適切なモデルファイルを選ぶ必要があります。

想定環境必要なスペック・GPU詳細・備考
理想環境
(プロ仕様)
H100相当
(データセンター向けGPU)
オリジナルのモデルデータをそのまま動かす場合に必要
家庭用環境GeForce RTX 4090
(VRAM 24GB)
NVIDIA協力の最適化されたバージョン(fp8)を利用することで動作可能
スペック不足
(クラウド利用)
クラウドGPU
(RunPodなど)
PCの性能が不足している場合の選択肢(GPUサーバーを時間借りで利用)

家庭用PC(コンシューマーGPU)で動かす場合は、「最適化されたバージョン(fp8/量子化モデル)」を使用する必要があります。

ComfyUIにFLUX.2 devを導入する手順

ComfyUIがインストールされている前提で、FLUX.2を動かすための準備は大きく分けて「ダウンロード」と「配置」の2ステップです。

以下、手順を解説していきます。

STEP
必要なモデルファイルをダウンロードする

Hugging Face などから、次の3つのファイルをダウンロードします。

①FLUX.2 [dev] 本体(FP8版 Diffusion モデル)

  • 例:flux2_dev_fp8mixed.safetensors
  • オリジナルのフル精度版は 80GB クラス GPU 向けで非常に大きいため、家庭用 GPU(RTX 4090 など)では 最適化された FP8 版 を使うのが現実的。​

②FLUX.2 Autoencoder (VAE)

  • 例:flux2-vae.safetensors
  • 画像の画質を決めるデコーダで、Apache 2.0 ライセンスで公開されています。​

③Flux2 用テキストエンコーダ

  • 例:mistral_3_small_flux2_fp8.safetensors
  • プロンプト(テキスト)を埋め込みベクトルに変換するモデルで、Flux2 のワークフローでは必須。

※ライセンスについては、本体(FLUX.2 [dev])は FLUX [dev] Non-Commercial License、AutoencoderはApache 2.0というように分かれている点に注意します。​

STEP
所定のフォルダにファイルを置く

ダウンロードしたファイルを、ComfyUI フォルダ内の決まった場所に配置します。

出典:ComfyUI
  • FLUX.2 [dev] 本体(FP8版 Diffusion モデル)
    • 配置先:ComfyUI/models/diffusion_models/
    • 例: ComfyUI/models/diffusion_models/flux2_dev_fp8mixed.safetensors​
  • テキストエンコーダ
    • 配置先:ComfyUI/models/text_encoders/
    • 例: ComfyUI/models/text_encoders/mistral_3_small_flux2_fp8.safetensors​
  • VAE
    • 配置先:ComfyUI/models/vae/
    • 例: ComfyUI/models/vae/flux2-vae.safetensors​
STEP
公式ワークフローを読み込む

ComfyUI公式ドキュメントや、コミュニティが公開している「FLUX.2 用のワークフロー画像(PNG)」または .json ファイルをダウンロードします。

出典:ComfyUI

ComfyUIを起動した状態で、ダウンロードしたPNG / JSONを画面上にドラッグ&ドロップします。

出典: ComfyUI Wiki

これにより、Flux2用のノード配線が自動的に構築されます。

出典: RunComfy

各ノードのドロップダウンから、先ほど配置したファイルを選択します

  • Load Diffusion Modelflux2_dev_fp8mixed.safetensors
  • Load Text Encodermistral_3_small_flux2_fp8.safetensors
  • Load VAEflux2-vae.safetensors

FLUX.2で失敗しないプロンプト設計と実例

FLUX.2の高機能を引き出すには、モデルの特性に合わせたプロンプトの設計が必要です。

従来の画像生成AIとは異なる作法や、FLUX.2特有の強みである「マルチリファレンス」や「文字生成」を活かすための記述テクニックを解説します。

FLUX.2の特性を踏まえたプロンプトの基本形|母国語ベース+構造化

FLUX.2は、プロンプトの解釈において従来のモデルとは異なる重要なルールを持っています。

FLUX.2は多言語を理解し、その表現を反映させることを推奨しています。

作成したいコンテンツの文化的背景・特定の地域のシーン、例えば、アニメスタイルには日本語、パリの街並みならフランス語というように、現地の言語に合わせたネイティブ言語でプロンプトを記述することで、より正確で文化的に信頼性の高い結果が得られます。

FLUX.2 understands multiple languages. Prompt in your native language for more culturally authentic results.
FLUX.2は複数の言語を理解します。より文化的に正確な結果を得るには、母国語でプロンプトを表示してください。

引用元:Black Forest Labs

また、ネガティブプロンプトは使用しません。

Black Forest Labsの公式仕様において、FLUXモデルはネガティブプロンプト(描いてほしくない要素の指定)をサポートしていないと明記されています。

No negative prompts: FLUX.2 does not support negative prompts. Focus on describing what you want, not what you don’t want.
否定的なプロンプトは不可: FLUX.2 は否定的なプロンプトをサポートしていません。望まないことではなく、望むことを説明することに集中してください。

引用元:Black Forest Labs

「ぼかしなし(no blur)」と否定形で書くのではなく、「全域でシャープフォーカス(sharp focus everywhere)」のように、望む状態を肯定形で明確に伝える必要があります。

さらに、プロンプトの記述順序も重要です。

先に書かれた要素ほど生成結果への影響力が強まる傾向があるため、「メインの被写体 → キーアクション → クリティカルなスタイル」という優先順位の高い順に配置してください。

複雑な構成や自動化が必要な場合は、通常の文章ではなくJSON形式を使用することで、シーンや被写体を体系的に制御できます。

一貫した結果を得るために、以下の順序で構成する「基本フレームワーク」の使用をおすすめします。

Subject(被写体) + Action(動作) + Style(スタイル) + Context(背景)

マルチリファレンスを活かすプロンプトの書き方

FLUX.2の強みである「マルチリファレンス機能」を活かしたプロンプトの書き方をお伝えします。

たとえば、異なる素材(例:無地のボトル画像+ロゴ画像)を合成し、自然な商品写真を作成してみましょう。

STEP
Playground内に画像をアップロードします。

下記、ボトルとロゴの画像をアップロードします。

STEP
プロンプトを入力する
A realistic product photography of a cosmetic bottle, featuring the uploaded logo design on the center.
Professional lighting, 4k resolution, high quality, advertising style.
(訳:アップロードされたロゴデザインを中央に配置した、化粧品ボトルのリアルな商品写真。プロのライティング、4k解像度。)
STEP
画像の完成

2枚の画像がプロンプトの指示通り、ボトルにロゴが入った1枚の画像として、状態で出力されました。

用途別プロンプト例①|テキスト入りバナー・ポスター

FLUX.2が得意とする「文字生成」や「厳密な色指定」を活用できる、実用的なプロンプトを紹介します。

FLUX.2は テキスト入りバナー・ポスター向けの判読可能なテキスト生成に優れています。

以下は、複雑な背景の中に正確なテキストを配置するプロンプトです。

Markdown
A retro-futuristic sci-fi poster design of a cyberpunk city skyline at night. 
At the bottom, large bold white text saying "SALE".
High contrast, neon lights, 8k resolution, highly detailed.

ポイントは、生成したいテキストは必ず二重引用符「””」で囲む点です。配置場所(At the bottom)、スタイル(large bold)、色(white)も明確に指定してください。

用途別プロンプト例②|商品画像

企業案件などで、ブランドカラーを統一した商品画像には、特定の色味(Hexコード)を再現したい場合に有効なJSON形式のプロンプトです。

JSON
{
"subject": "A sleek black sports car driving on a wet highway at night",
 "details": "Red LED taillights leaving trails, heavy bokeh",
"color_match": { 
 "mode": "exact",
"hex": "#FF0000",
"target": "taillights"
  }
  }

JSON構造化プロンプトとHexカラーコード(#FF0000など)を組み合わせることで、指定した箇所のカラーを正確に制御できます。

用途別プロンプト例③|人物写真

実写に近いクオリティを出すには、プロが使う「機材指定」を含めるのが効果的です。

Markdown
Magazine cover of 'Women's Health', featuring a fit woman jogging in a park. 
Spring atmosphere, soft natural lighting.
Shot on Hasselblad X2D, 80mm lens, f/2.8, 8k resolution, hyper-realistic skin texture.

具体的なカメラモデル(Hasselblad X2Dなど)、レンズ(80mm)、絞り値(f/2.8)を指定することで、解像感やボケ味など、プロの写真家が撮影したようなリアリティを追求できます。

よくある質問と注意点|商用利用・ライセンス・安全性

最後に、FLUX.2を利用する上で避けて通れないライセンスや規約について解説します。

「仕事で使っても大丈夫?」「生成した画像を販売したら違反になる?」といった不安を解消するため、モデルごとの権利関係と推奨ユースケースを整理しました。

ライセンス情報は更新される可能性があります。商用利用の際は、必ず公式サイトの最新情報を確認してください。

FLUX.2の各モデルの商用利用可否

各モデルの商用利用可否に加え、推奨されるユーザーや利用方法を一覧にしました。

ご自身の立場に合わせて最適なモデルを選んでください。

スクロールできます
モデル名商用利用おすすめの人おすすめの利用方法備考・ライセンス詳細
proプロの制作現場や企業
品質と安心を最優先する人
BFL公式API
(利用料を払い、業務利用する)
APIサービス規約
プロダクションワークロード向け
flexサービス開発者
コスト調整をしたい人
API統合
(ステップ数を調整して実装する)
APIサービス規約
API利用料を支払うことで商用利用が可能
dev
条件付き
(出力はOK)
個人・副業・同人
ローカルで使いたい人
ローカル実行
(または安価な外部API)
Non-Commercial License
モデル自体の商用利用は不可
生成画像(Output)の商用利用は可
klein一般ユーザー
低スペックPCの人
ローカル実行
(エッジデバイスで動かす)
Apache 2.0
制限が少なく、商用利用も自由なオープンソースモデル

個人のSNS運用は、すべてのモデルで問題ありません。

ローカル環境で無料のdevモデルを使って画像を生成し、X(旧Twitter)やInstagramに投稿して楽しめます。

同人活動・副業による生成画像の販売も可能です。

We claim no ownership rights in and to the Outputs, and you may use the Output for your own personal or commercial purposes, subject to any restrictions set forth herein.

当社は出力に対する所有権を主張せず、お客様は、本書に定める制限に従い、出力を個人的または商業的な目的で使用することができます。

引用元:Black Forest Labs

ただし、devモデル自体を再配布したり、有料サービスに組み込んで提供したりすることは禁止されています。

自社アプリに画像生成機能を組み込む場合、devモデルを使用するには別途商用ライセンス(Self-Hosted Commercial License)が必要です。

企業の広告バナー作成などには、権利関係が明確なproやflexモデルのAPI利用を推奨します。

FLUX.1からFLUX.2に乗り換えるべきケースと併用パターン

FLUX.1をはじめFLUXモデルはすでにAdobeやMetaなどのチームで採用実績があり実用性を兼ね備えています。

しかし、プロダクション環境でより高い精度や4MPの高解像度の画像編集や一貫性を保った生成が必要な場合は、FLUX.2への乗り換えを推奨します。

特に、文字生成の精度や、マルチリファレンスによるキャラクターの固定が必要な業務ではFLUX.2がおすすめです。

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コンテンツポリシー・ウォーターマーク・C2PAメタデータなどの注意点

BFLは安全性と透明性を重視しており、いくつかの制限と機能があります。

違法なコンテンツ(児童性的虐待物など)、軍事・監視目的、ディープフェイクによるなりすまし、差別行為などは厳しく禁止されています。

また、生成された画像には、目に見えないウォーターマーク(透かし)が埋め込まれるオプションがあります。

ユーザーには生成物の表示義務があり、AIが生成した画像を「人間が描いたもの」と偽って公開することは禁止されています。

出力物のメタデータにC2PAのような来歴情報を実装することが推奨されています。

FLUX.2は実写に近い画像を生成できるため、誤解を招く利用や悪用には十分注意し、BFLのUsage Policyを遵守して創作活動を行いましょう。

まとめ

FLUX.2は文字生成や一貫性を強化し、実務で使えるレベルへ進化しました。

最高品質ならpro、コスパ重視ならflex、ローカルで無料開発ならdevがおすすめです。

導入は公式Playgroundでの無料試用から始め、本格利用には安価なAPIやローカル環境の構築を検討しましょう。

マルチリファレンス機能を使えば、プロ品質のクリエイティブを効率よく制作可能です。

ご自身の環境に合ったモデルを見つけて、日々の制作活動に役立ててみてください。

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