米国の大手テクノロジー企業Appleが、OpenAIと提携し、ChatGPTをiPhone、iPad、Macに統合する計画を発表しました。しかし、この提携では金銭のやり取りは発生しないことが、Bloombergの報道で明らかになりました。AppleのCEOティム・クック氏と主要幹部らは、先日開催されたWorldwide Developers Conference(WWDC)でこの提携を発表しましたが、金銭的な条件については一切言及していませんでした。
Bloombergの報道によると、この提携は、当初はいずれの企業にとっても大きな収益を生むものではないとされています。情報筋によると、AppleはOpenAIに対して金銭的な支払いを行わないとされており、その代わりにOpenAIのブランドや技術を何億台ものデバイスに普及させることの価値が、金銭的な支払いと同等以上であると考えています。この協力により、Appleは高度なチャットボットを消費者に提供し、ユーザーがデバイスをより長く使用することや、アップグレードに投資することを期待しています。
AppleとOpenAIの代表者はコメントを控えていますが、現時点では金銭的な要素は大きな役割を果たしていないものの、将来的には報酬が発生する可能性もあります。
AppleのOpenAIとの提携は排他的なものではなく、AppleはすでにGoogleのGeminiを追加オプションとして提供する計画を進めています。この合意は今年後半に締結される見込みです。また、AppleはAnthropicともチャットボットパートナーとしての可能性について協議を行っており、最終的にはユーザーに対して複数のAIサービスを提供することを目指しています。これは、AppleがSafariブラウザで異なる検索エンジンオプションを提供する方法と似ています。
Appleは最終的に、AIパートナーがAppleプラットフォーム上でチャットボットの結果を収益化する際に手数料を得る収益共有契約を結ぶことで、AIから利益を得ることを目指しているといわれています。同社は、ユーザーが検索エンジンよりもチャットボットや他のツールを好むことで、Google検索の契約から得られる数十億ドルの収入が減少する可能性があると考えています。そのため、Appleはその減少分を補うために新たな取り決めを策定する必要があります。