Cloudflareは、ウェブサイト所有者が自社のコンテンツをAIモデル提供者にスクレイピングされる際、そのアクセス権を販売できる新しいマーケットプレイスを2025年までにローンチする計画を発表しました。
このマーケットプレイスは、AIによるコンテンツ使用の透明性を高め、ウェブサイト運営者に収益化の機会を提供することを目指しています。
CloudflareのCEOであるマシュー・プリンス氏は、この計画の背景にはコンテンツ制作者への適切な報酬の必要性があると述べており、特にAI時代において、ウェブサイト運営者が価値のあるコンテンツを提供し続けるためには報酬が不可欠であると強調しました。
既に、ウェブサイト所有者向けに「AI Audit」という無料ツールが提供されており、これにより、AIモデルがどのようにサイトをスクレイピングしているかを把握し、ワンクリックでAIボットのアクセスをブロックできる機能が利用可能です。
これにより、ウェブサイト所有者は、どのAIボットが何回サイトを訪問し、データを収集しているのかを可視化でき、特定のAIモデル提供者に対してのみアクセスを許可することも可能です。
この新たなマーケットプレイスでは、小規模なウェブサイト運営者も大手と同様に、自社コンテンツへのアクセスを有料化することができるようになると期待されています。
これまで、RedditやQuoraなどの大規模なプラットフォームのみがコンテンツ使用料を得ることができていましたが、この取り組みにより、小規模なウェブサイトもAIモデル提供者に対してコンテンツ利用料を請求できる可能性が広がります。
AI業界では、現在、多くのモデルがウェブから無料で情報をスクレイピングしていますが、この状況は持続不可能だとプリンス氏は指摘しています。
新しいマーケットプレイスにより、AI企業とコンテンツ提供者との間でより公平な取引が可能になると期待されていますが、具体的な料金体系や契約の詳細はまだ明かされておらず、今後の展開が注目されます。
このマーケットプレイスが成功すれば、AI時代におけるコンテンツの収益化やウェブサイト運営の持続可能性にとって大きな前進となるでしょう。
出典:Cloudflare’s new marketplace will let websites charge AI bots for scraping | TechCrunch