
米Anthropicは、小型AIモデルの最新版「Claude Haiku 4.5」を発表しました。既にすべてのユーザーが利用可能となっており、Claude CodeやClaudeアプリ、APIに加えて、Amazon BedrockやGoogle CloudのVertex AI上でも提供されています。
Claude Haiku 4.5は、5カ月前に最先端モデルとされた「Claude Sonnet 4」とほぼ同等の性能を持ちながら、処理速度は2倍以上、コストは3分の1に抑えられています。価格は入力トークンあたり100万件で1ドル、出力トークンあたり100万件で5ドルと、従来モデルと比べて大幅に低価格です。
高速処理と低遅延を実現しており、チャットアシスタントやカスタマーサポート、ペアプログラミングなど、リアルタイム応答を必要とする用途に最適化されています。
性能面では、コーディング能力がSonnet 4と同等であるほか、一部のタスクではそれを上回る精度を示しています。特にパソコン操作関連の処理では優れた結果を記録し、Claude for Chromeなどのアプリケーションがより快適に動作するようになりました。

開発者向けのClaude Codeでは、複数エージェントによるプロジェクトや高速な試作(プロトタイピング)がよりスムーズに行えるようになり、開発体験全体のレスポンスが向上しています。
上位モデルの「Claude Sonnet 4.5」は引き続きAnthropicのフラッグシップとして提供されており、Haiku 4.5はその補完的な立ち位置を担います。Sonnet 4.5が複雑な課題を分解・計画し、複数のHaiku 4.5が並行してサブタスクを処理するという連携構成も可能で、コスト効率とスピードを両立した柔軟なワークフローを実現します。
安全性の面でも大きな改良が加えられています。Anthropicによる詳細な安全性評価の結果、Haiku 4.5は前モデルのHaiku 3.5に比べてアラインメント(倫理的整合性)の精度が大幅に向上しました。また、Sonnet 4.5やOpus 4.1よりも誤行動率が低く、同社のモデルの中でも最も安全性が高い水準を達成したとされています。さらに、化学・生物・放射線・核(CBRN)兵器の生成リスクも低く、AI安全基準である「ASL-2(AI Safety Level 2)」に分類されました。これは、より制限の厳しい「ASL-3」が適用されるSonnet 4.5やOpus 4.1よりも、幅広い用途で利用可能であることを意味します。
Anthropicは、Claude Haiku 4.5の効率性によって、ユーザーがより多くの作業を限られた利用枠内で実行できるようになると説明しています。開発者はclaude-haiku-4-5モデルをClaude API経由で使用でき、Haiku 3.5やSonnet 4からの置き換えも容易です。