アメリカのアマゾンは、AIスタートアップ企業であるAdept AI Labs Inc.から上級幹部や社員を採用することで、AGIの開発を強化する意向を示しました。AGIとは、人間と同様に考えることができる高度なAI技術のことを指します。
Adept AI Labsの共同創業者で元CEOのデビッド・ルアン氏は、アマゾンのAGI自律チームに参加します。このチームは、アマゾンのAlexaの音声アシスタントのアルゴリズムを開発したロヒト・プラサド氏が率いています。また他の4人の、共同創業者と複数のチームメンバーもプラサド氏のグループに加わります。アマゾンは、Adeptの技術のライセンスを取得し、ソフトウェアワークフローを自動化できる製品開発に活用する予定です。
Adept AI Labsは昨年3月に3億5,000万ドルの資金調達を行い、その評価額は少なくとも10億ドルに達しました。Adeptはブログ投稿で、基盤となるAIモデルと企業向けツールの開発に専念する計画を発表しました。今回の採用により、エージェントビジョンを実現するための資金調達に集中することなく開発を進めることができるとしています。
プラサド氏は、「デビッドと彼のチームの専門知識は、私たちの消費者および企業のお客様に実用的なAIソリューションを提供するというビジョンと一致しています」と述べました。ルアン氏はAGI自律チームおよび自動化チームのリーダーとしてプラサド氏に報告することが発表されました。
アマゾンは、ショッピングチャットボットやクラウドコンピューティング部門を通じて提供されるAIモデルのレンタルなど、AI分野での取り組みを続けていますが、他の大手テクノロジー企業に比べてAGIの開発にはあまり注力していませんでした。
Adeptとの契約は、コストのかかる基盤モデルを構築しているAIスタートアップからの採用を強化している時期に行われました。今年3月、マイクロソフトはInflection AIのスタッフの大部分を採用し、6億5,000万ドルで技術のライセンスを取得しました。この契約は、連邦取引委員会（FTC）の独占禁止法規制の対象となっています。
Adeptのエンジニアリング責任者であるザック・ブロック氏がCEOに就任し、約20人の従業員がAdeptに残り、エージェンティックAIのソリューション開発に取り組む予定です。
出典：Amazon (AMZN) Hires Top Executives From AI Startup Adept for AGI Team – Bloomberg