AIチャットボットが選挙予測を革新 人間よりも正確でコストも1割

AI技術の進化により、選挙予測の手法にも革新が起きています。

アメリカのニューヨークで開催された6月の民主党予備選挙では、ジョージ・ラティマー候補が現職のジャマール・ボウマン氏を大差で破り、58.7%対41.3%という結果を出しました。

この結果を事前に予測したのは、人間ではなく、AIチャットボットを使ったアンケートでした。

この新たな選挙予測手法を開発したのは、マンハッタン在住の大学を中退した2人の19歳、カム・フィンク氏とネッド・コー氏が共同創業したAaruという会社です。

彼らは、5,000体以上のAIチャットボットを利用して、わずか371票の誤差で選挙結果を正確に予測しました。

彼らは、従来の人間を対象にしたアンケートと比べて、わずか10分の1のコストで短時間に予測を行うことができると主張しています。

AaruのAIエージェントは、人口データを基に特定の選挙区に住む有権者の行動を模倣するように設計されています。

各エージェントは、さまざまな性格や志向を与えられており、日々インターネットで情報を集め、人間のメディア消費パターンを反映しています。

例えば、2024年に起きたドナルド・トランプ氏の暗殺未遂事件では、一時的に多くのエージェントがトランプ氏を支持するように変化しましたが、事件の詳細が明らかになると、再び元の支持先に戻るという行動を示しました。

Aaruが提供するAI調査は、わずか30秒から1分半で完了し、人間を対象にしたアンケートと比べてコストが格段に低いという利点があります。

これにより、フォーチュン500企業や政治キャンペーン、シンクタンクがこの技術を利用しており、特にカリフォルニア州ではある選挙キャンペーンが主にAaruの調査に依存しているとのことです。

ただし、AIを活用した調査手法には限界も存在します。

ハーバード大学の研究によると、AIは年齢や人種などの属性に基づく意見の違いをうまく反映できないことがあるとされていますが、AI技術が今後の選挙予測において主流になる可能性が高いとAaruは自信を示しています。


出典:AI startup Aaru uses chatbots instead of humans for political polls | Semafor

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