ChatGPTに新モデル「GPT-5.1」登場 より温かく賢い会話と柔軟なカスタマイズ

出典:GPT-5.1: A smarter, more conversational ChatGPT | OpenAI

米OpenAIは、対話型AI「ChatGPT」に搭載するGPT-5シリーズをアップグレードし、新モデル「GPT-5.1」を発表しました。まず有料プランから順次提供を開始し、その後、無料ユーザーにも展開する予定です。

GPT-5.1では、「Instant」「Thinking」に加え、ユーザーの入力内容に応じて最適なモデルを自動選択する「Auto」が利用できます。Instantはこれまでで最も使われてきたモデルの後継で、標準の口調がより温かく、自然な会話に近づいたとされています。日常の相談にも感情に寄り添ったコメントを返しつつ、実用的なアドバイスを提示しやすくなりました。

指示への従いやすさも向上しました。「必ず6語で答えて」といった条件に一貫して従うなど、ユーザーが求める形式で回答しやすくなっています。さらにInstantは「adaptive reasoning(適応的な思考)」に対応し、難易度に応じて思考量を自動で切り替える仕組みを採用しました。簡単な質問には短時間で応答し、数学やプログラミングなど複雑な課題では内部でより多くのトークンを費やし、精度の高い回答を狙う設計です。

高度な推論向けの「GPT-5.1 Thinking」も刷新されました。Thinkingは、簡単なタスクでは従来より約2倍速く、難しいタスクでは約2倍時間をかけて検討するよう調整されています。その結果、日常的な問い合わせでは待ち時間が短くなり、専門性の高い分析や長文の構成などでは、より踏み込んだ説明や整理された結論が期待できます。また、専門用語を減らすことで、技術的なテーマの解説も読者にとって理解しやすい内容になりました。

GPT-5.1ではトーンも共感的になりました。失敗談や不安の共有に対して、「人は自分ほど他人のミスを気にしていない」といった視点を示しつつ、気持ちの立て直し方まで提案するなど、感情面へのフォローを重視した応答が特徴です。

あわせて、ChatGPTのカスタマイズ機能も強化されました。トーン設定はDefault、Friendly、Efficientに加えてProfessional、Candid、Quirkyなどが用意され、NerdyやCynicalといったスタイルも引き続き選択できます。さらに、一部ユーザーを対象に、文章の簡潔さや温かさ、絵文字の頻度などを調整できる実験的なパーソナライズ機能も導入されました。これらの設定はモデルの種類にかかわらず全てのチャットに即時反映され、進行中の会話にも適用されます。

OpenAIは今回のアップデートを「GPT-5世代の中での意味ある改善」と位置づけています。従来モデルのGPT-5は、一定期間レガシーモデルとして併存させつつ、ユーザーのフィードバックをもとに性能と使い勝手の両面で改善を続ける方針です。


出典:GPT-5.1: A smarter, more conversational ChatGPT | OpenAI

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