OpenAIが開発中の新しい推論特化型AIモデル「Strawberry」が、ChatGPTの一部として2週間以内にリリースされる見込みだと米メディアのThe Informationが報じています。
これは、当初の予定である秋リリースよりも早い導入となる可能性が高いとされています。
「Strawberry」の初期バージョンは、テキストの入出力のみをサポートし、画像などのマルチモーダル機能を欠いています。
このため、現行の多くのAIモデルが提供しているようなマルチメディア対応の機能には対応していない点は短所といえるでしょう。
しかし、このモデルが他のAIと異なるのは、ユーザーの質問に対して即答するのではなく、10〜20秒間の「考える」時間を設けることです。
このプロセスによって、より正確で詳細な回答を提供でき、誤答の減少が期待されています。
さらに、「Strawberry」は複雑な数式やプログラミングコードの問題だけでなく、マーケティング戦略のブレインストーミングといったビジネス用途にも適しています。
このモデルは、これまでのChatGPTでは必要だった「中間の思考プロセスの指示」をユーザーが入力する必要がなくなることが特徴で、より直感的で使いやすいインターフェースを提供することを目指しています。
価格設定に関しては、現在のChatGPTの無料および有料プランとは異なる形で導入される可能性があり、レート制限が設けられる見通しです。
また、より高速な応答を得るために高価格のプランが設定される可能性も過去に報じられており、月額2,000ドルという高額なサブスクリプションプランになるとも言われています。
これにより、無料プランのユーザーに対して有料ユーザーが先行して新機能にアクセスできる可能性も考えられています。
ただし、まだ解決すべき課題も残っているようです。
例えば、シンプルな質問でも「Strawberry」が時間をかけて考えることがあり、その結果、応答が遅れる場合があるとの指摘もあります。
また、過去の会話を参照して応答する機能も、完全には安定しておらず、改善が必要とされています。
「Strawberry」が市場に投入されれば、OpenAIは推論機能において他社製品との差別化を図ることができますが、リリース後の市場の反応やモデルの実際の性能が、今後の評価を左右する重要な要素となるでしょう。