
「Meta Ray-Ban Display」とは、MetaとRay-Banが共同開発したスマートグラスで、レンズ内のディスプレイにメッセージや通話内容、ナビなどを表示できます。
料金は799ドルとされ、海外先行で展開しています。
本記事では、「Meta Ray-Ban Display」のできることから日本での入手可否まで解説します。
Meta Ray-Ban Displayとは―ディスプレイ搭載の次世代スマートグラス

Meta Ray-Ban Displayは、MetaとRay-Banが共同開発したディスプレイ内蔵型の最新スマートグラスです。
このモデルの大きな特徴は、右レンズに搭載されたヘッドアップディスプレイ(HUD)で、情報を視界に直接表示できる点にあります。
従来の「音声とカメラ」中心のモデルから進化し、通知や通話、翻訳などを視覚的に確認できるようになりました。
さらに、操作面ではMeta Neural Bandと呼ばれる新しいリストバンドが同梱され、直感的なジェスチャー操作も可能です。
ディスプレイ仕様
Meta Ray-Ban Displayの最大の特徴は、右レンズ内に搭載されたフルカラーディスプレイです。解像度は600×600ピクセルで、視野角20°、画素密度42PPDと高精細に設計されています。

文字やアイコンを視界に自然に重ねて表示でき、日常利用でも違和感を抑えた表示体験を実現しています。
また、外部への光漏れは2%未満とされ、周囲からはほとんど見えない私的な表示が可能です。通知や翻訳などの情報を周囲に知られることなく確認できるのが大きな利点です。
従来のスマートグラスでは難しかった「見え方の自然さ」と「プライバシー性」を両立させている点は、ビジネスシーンや公共の場で使う際に特に有効だといえるでしょう。
従来モデルとの違いと進化
Meta Ray-Ban Displayは、従来モデルのRay-Ban Meta(Gen 2)と比較すると、進化のポイントが明確です。
最大の変化は、視覚的にMeta AIの応答をHUD上で確認できるようになった点です。これにより、テキストメッセージや翻訳結果、ナビゲーション情報を視界に直接表示でき、スマートフォンを取り出す必要が大幅に減ります。
さらに、操作面ではMeta Neural Bandの導入が大きな革新です。これは手首に装着するバンドで、筋電図(EMG)を利用して指のわずかな動きを検知し、直感的に操作が可能になります。
Meta Ray-Ban Display + Meta Neural Band = our most advanced pair of AI glasses. Ever. pic.twitter.com/PlrVcwbprN
— Meta (@Meta) September 18, 2025
従来の音声入力やタッチ操作よりも自然で、公共の場でも使いやすいのが特徴です。
項目 | Ray-Ban Meta(Gen 2) | Meta Ray-Ban Display |
---|---|---|
表示機能 | なし | 右レンズHUD搭載 |
操作方法 | タッチ・音声 | Meta Neural Band(EMG)+音声 |
バッテリー | 約8時間 | 6時間(ケース込み30時間) |
価格帯 | $379〜$459 | $799 |
Meta Ray-Ban Displayは「見る」「操作する」両面での進化によって、日常利用の実用性を高めています。

バッテリー・基本スペック
Meta Ray-Ban Displayは、日常的な利用を想定したバッテリー性能を備えています。
本体のみで最大6時間の連続使用が可能で、外出時のメール確認や通話、ナビ利用には十分な稼働時間といえます。
さらに付属の充電ケースを組み合わせれば、合計で最大30時間まで使用可能です。ケースは折りたたみ式で持ち運びやすく、出張や旅行など長時間の利用にも対応できます。
加えて、Meta Ray-Ban Display はディスプレイを内蔵しながらも、本体のみで 69g(Standard)/70g(Large) の重量しかありません。
従来のスマートグラスよりはやや重めですが、設計を丸みを帯びたフレームで整え、装着感への違和感を最小限に抑えています。
Meta Ray-Ban Displayで実現できること

Meta Ray-Ban Displayは、日常の行動を効率化し、従来のスマートグラスでは体験できなかった使い方を可能にします。
通知や通話といった基本機能に加え、翻訳やナビゲーション、撮影支援まで幅広く対応しているのが特徴です。
ここでは、具体的にどのような体験が得られるのかを5つの切り口で整理して解説します。
メッセージ・ビデオ通話
Meta Ray-Ban Displayは、Metaが展開する主要アプリと密接に連携できる点が大きな強みです。
具体的には、WhatsAppやMessenger、Instagramから届いたメッセージをHUD上に表示し、そのまま音声入力やMeta Neural Band操作で返信することが可能です。これにより、スマートフォンを取り出さずにコミュニケーションを継続でき、外出時や作業中の効率が向上します。

さらにWhatsAppやMessengerではビデオ通話にも対応し、自分の視点を相手にリアルタイムで共有できます。
特にビジネスシーンでは、現場の映像を共有しながら会話できるため、遠隔でのやり取りに有効です。SNS利用者だけでなく、仕事で即応性を求められるユーザーにとっても大きな利便性をもたらす機能といえるでしょう。
歩行ナビ・翻訳・ライブ字幕
Meta Ray-Ban Displayは、移動や学習シーンをより快適にする機能を備えています。
歩行ナビでは、視界に矢印やルート情報を重ねて表示できるため、スマートフォンを手に持たなくても目的地まで迷わず進めます。また、翻訳機能を使えば、外国語での会話や看板の内容をその場で理解でき、旅行やビジネス出張で大いに役立ちます。
加えて、会話の内容をリアルタイムに字幕として表示するライブキャプション機能は、学習や国際的な打ち合わせにおいて理解度を高める助けになります。
これらの機能はいずれも「ながら利用」を想定して設計されており、歩きながら確認したり、会話しながら理解を深めたりできるのが特徴です。日常生活はもちろん、グローバルな場面でも実用性の高いサポート機能といえるでしょう。
撮影プレビューと共有
Meta Ray-Ban Displayは、撮影体験を大きく変える機能を備えています。
HUD上にファインダーを表示できるため、写真や動画を撮影する際に構図を確認しながら操作可能です。
従来のスマートグラスでは「撮れているかどうか分からない」という不安がありましたが、本モデルでは表示確認ができることで失敗を防げます。また、ズーム機能も搭載されているため、シーンに応じて細部までしっかり収められるのが利点です。
さらに、撮影したコンテンツはその場で共有することができ、SNSやメッセージアプリへのアップロードがスムーズに行えます。日常の記録はもちろん、ビジネス現場での資料作成や共有にも役立つため、幅広いシーンでの活用が期待できます。
音楽再生・操作
Meta Ray-Ban Displayは、音楽体験も効率的にサポートします。HUDには音楽コントロール用のカードが表示され、曲名や再生状況を視界に収めながら操作できます。これにより、スマートフォンを取り出さずに楽曲の再生・一時停止・スキップといった基本操作を行えるのが特徴です。
さらに、Meta Neural Bandのジェスチャー操作を組み合わせれば、手首や指先のわずかな動きで直感的にコントロール可能です。公共の場や移動中でも周囲に気を使わず操作できるため、利便性が高まります。
音楽鑑賞だけでなく、集中したい作業時や移動中のBGM利用にも最適であり、シンプルかつ快適に日常へ溶け込む機能といえるでしょう。
操作方法の進化:Meta Neural Band
Meta Ray-Ban Displayには、新しい操作デバイスとしてMeta Neural Bandが同梱されています。

このリストバンドは筋電図(EMG)を利用し、手首や指先のわずかな動きを読み取って操作できるのが特徴です。例えば、指を軽く動かすだけでメニューの選択や音楽の操作が可能になり、従来の音声入力やタッチ操作に比べて静かで自然な使い方ができます。
また、防水性能はIPX7に準拠しており、日常生活の水濡れに強い点も安心材料です。
バッテリー駆動時間は最大18時間とされ、1日を通して利用できる持続力を備えています。これにより、通勤や外出先でも安定して使用でき、まさにスマートグラスの操作体験を大きく進化させる要素となっています。
Meta Ray-Ban Displayの料金と購入条件

Meta Ray-Ban Displayは、価格や販売形態も注目されています。
本体価格は799ドルで、Meta Neural Bandが標準で同梱される点が特徴です。米国では2025年9月30日から発売が開始、販売はオンラインではなく実店舗に限定されています。
さらに、既存モデルとの価格比較をすることで、位置づけがより明確になります。価格や同梱物、販売チャネル、そして関連モデルとの違いを整理して解説します。
価格と同梱物
Meta Ray-Ban Displayの価格は799ドルで設定されており、同梱物として操作用のMeta Neural Bandが付属します。
Meta Neural Bandは単なるオプションではなく、標準セットとして提供されるため、購入直後からジェスチャー操作を体験できます。
Meta Ray-Ban Displayは、カラーバリエーションやサイズ展開も用意されており、デザイン性とフィット感を重視した選択が可能です。Ray-Banブランドならではのファッション性と、Metaの技術を融合した仕様は、ガジェットでありながら日常的に使いやすいアイウェアとしての魅力を高めています。
項目 | 内容 |
---|---|
価格 | 799ドル |
同梱物 | Meta Neural Band 充電ケース クリーニングクロス |
カラー | ブラック、サンド |
サイズ | 標準、ラージ |
発売日と販売チャネル
Meta Ray-Ban Displayは2025年9月30日に米国で発売が開始。販売方法は特徴的で、オンライン販売は行われず、Ray-Ban直営店などの実店舗に限定されています。
Meta Ray-Ban Displayは、メガネとMeta Neural Bandがセットになった799ドルから販売開始。全く新しい方法で世界を体験し、学び、交流することができます。9月30日より、
出典:Meta
Best Buy、LensCrafters、Sunglass Hut、Ray-Ban Storesなど、米国の一部の実店舗で発売されます。その後まもなく、一部のVerizonストアでも販売開始予定です。
ユーザーにとっては、サイズや装着感を確認できるメリットがある一方、オンライン購入に慣れている層にとっては入手しづらい面もあるでしょう。
米国内での展開が中心で、日本を含む他地域では現時点で公式販売が始まっていないため、入手経路は限られています。
関連モデルの価格感
Meta Ray-Ban Displayの価格を理解するには、関連モデルとの比較が参考になります。
Ray-Ban Meta Gen 2は379ドルから提供されており、音声アシスタントやカメラ機能を中心とした設計です。
一方、Oakley Meta Vanguardは499ドルで、スポーツシーンを意識したデザインと耐久性を備えています。
これらと比較すると、Meta Ray-Ban Displayは799ドルと高めですが、HUDやMeta Neural Bandが標準搭載されている点が大きな違いです。
Displayは単なる拡張モデルではなく、従来のスマートグラスと一線を画す「新カテゴリ」として位置づけられます。価格の高さは先進機能を反映したものであり、ターゲットは日常利用を超えて、より効率的なワークスタイルや新しい体験を求める層だといえるでしょう。
モデル | 価格 | 主な特徴 |
---|---|---|
Meta Ray-Ban Display | $799 | HUDディスプレイ Meta Neural Band |
Ray-Ban Meta Gen 2 | $379〜 | カメラ・音声中心 HUDなし |
Oakley Meta Vanguard | $499 | スポーツ向け 耐久性重視 |
Meta Ray-Ban Displayは日本で入手できるのか

Meta Ray-Ban Displayは現時点で日本国内では公式販売が行われていません。
発売は米国からスタートしており、Best BuyやRay-Ban直営店などの実店舗限定で展開されています。
今後の展開については公式発表が限定的で、2026年以降に対応地域を拡大する計画があると報じられていますが、具体的な時期や日本での発売については明らかにされていません。
今後の展開見込み
Meta はMeta Ray-Ban Display の海外展開について、2026年初頭にカナダ・フランス・イタリア・英国へ展開する予定であると発表しています。
カナダ、フランス、イタリア、英国への展開は、2026年初頭を予定しています。お客様にぴったりのメガネとバンドをご提供できるよう、まずは一部の小売店と地域から販売を開始し、その後、購入オプションを拡大していく予定です。
出典:Meta
一部の国とチャネルを限定して販売を展開し、その後段階的に対応地域を拡大する戦略を取ることが読み取れます。
日本を含む他地域については、この時点で公式発表がなされていないため、発売時期は未確定のままです。
日本のユーザーは、公式サイトや最新プレスリリースを定期的にチェックしながら、購入可能性を見極める必要があります。
購入時の注意点
Meta Ray-Ban Displayを日本で利用する場合には、いくつかの注意点があります。
まず技適マークに関して、現時点でメーカーからの公式発表はなく、日本国内で使用すると電波法に抵触する可能性があります。したがって、安心して使うには国内発売を待つのが安全です。
また、Ray-Ban公式店舗では度付きレンズへの対応が進んでいますが、Displayモデルが国内で展開されていないため、日本で度付き対応を受けられる保証はありません。
さらに、海外からの並行輸入で購入する場合は、保証や返品条件が現地規約に依存する点に注意が必要です。通関手続きにおいても追加のコストや時間が発生するケースがあるため、購入を検討する際には事前に条件を確認し、総合的なリスクを把握することが重要です。
まとめ
Meta Ray-Ban Displayは、HUDを搭載した新世代のスマートグラスとして、メッセージ送信、通話、ナビなど日常のあらゆるシーンの動線を大きく変えるポテンシャルを持っています。
操作面ではMeta Neural Bandの導入が革新的で、筋電図(EMG)を利用して指のわずかな動きを検知し、直感的に操作が可能になりました。
Meta Ray-Ban Displayは未来的な体験を日常に取り込む革新的な製品です。
ただし、現段階では米国でのみ販売され、日本での発売時期や技適取得については不明です。購入を検討している方は公式の発表を待ちながら情報を確認し続けることが重要です。