本記事では、Anthropicの最新モデルであるClaude 3.5 Sonnetの始め方や使い方について紹介します。
他のモデルとの比較や、具体的なユースケースを挙げながらClaude 3.5 Sonnet概要やメリットを解説します。
初任者にも分かりやすいよう具体例を交えながらステップごとに解説し、無料プランでできることや回数制限、有料プランの料金体系の詳細も明らかにします。
Claude 3.5 Sonnetとは？概要と魅力を紹介
まずはClaude 3.5 Sonnetの概要や特徴について、他のAIモデルとの比較も交えながら解説します。
Claude 3.5 Sonnetの主な特徴
Claude 3.5 Sonnetは、Anthropic社の生成AIモデル「Claude」の最新版です。
以前のモデルであるClaude 3は、Haiku、Sonnet、Opusという3つのラインナップがありましたが、Claude 3.5シリーズではSonnetが先行して公開されています。
Claude 3.5 HaikuおよびClaude 3.5 Opusも年内にリリース予定です。
Claude 3.5 Sonnetは、業界基準を引き上げ、他の競合モデルやClaude 3 Opusを上回る優れたパフォーマンスを実現しています。
また、速度とコストのバランスが取れた中間価格帯のモデルとして位置付けられています。
Claude 3.5 Sonnetは、Claude.aiおよびClaude iOSアプリで無料で利用でき、さらにAnthropic API、Amazon Bedrock、Google CloudのVertex AIを通じて利用することも可能です。
モデルのコストは、入力トークン100万トークンあたり3ドル、出力トークン100万トークンあたり15ドルで、200Kトークンのコンテキストウィンドウを備えています。
特に、チャートやグラフの解釈など視覚的推論が必要なタスクにおいて大幅な改善が見られます。
Claude 3.5 Sonnetはマルチモーダル機能にも優れており、標準的なビジョンベンチマークでClaude 3 Opusを上回る、Anthropic社の最も強力なビジョンモデルです。
さらに、部分的に欠けた画像から正確なテキストを生成することができ、小売、物流、金融サービスなどでの応用が期待されています。
Claude 3.5 SonnetとChatGPTやGeminiとの違い
Claude 3.5 Sonnetは、大学院レベルの推論（GPQA）、学部レベルの知識（MMLU）、そしてコーディング熟練度（HumanEval）で新たな業界標準を打ち立てています。
GPT-4やGemini 1.5などの競合LLMと同等、もしくはそれ以上の成果を上げている点も注目です。
特に、複雑なニュアンスやユーモアを理解する能力が大幅に向上しており、自然で親しみやすいトーンでの高品質なコンテンツ作成に優れています。
Claude 3.5 Sonnetは、Claude 3 Opusに比べて2倍の速度で動作します。
このパフォーマンス向上により、コスト効率も改善されており、特に文脈に依存するカスタマーサポートや、複雑なワークフローの管理に最適です。
Anthropic社内でのエージェントコーディング評価では、Claude 3.5 Sonnetが64%の問題を解決し、Claude 3 Opusの38%を大きく上回る結果を示しました。
このテストでは、自然言語に基づいてオープンソースコードのバグを修正したり、新しい機能を追加したりする能力が評価されました。
指示と関連ツールが提供された場合、Claude 3.5 Sonnetは独立してコードを記述、編集、実行することができ、さらに高度な推論およびトラブルシューティングの能力を発揮します。
また、コードの翻訳にも長けており、レガシーアプリケーションの更新やコードベースの移行に特に効果的です。
Claude 3.5 Sonnetの料金プランと利用方法
ここでは、Claude 3.5 Sonnetの料金プランについて紹介します。
無料プランでの回数制限や、有料プランの種類やできることを解説し、適切なプランの選択に役立ちます。
Claude 3.5 Sonnetの料金プラン
Claude 3.5 Sonnetの料金プランは、無料・Pro・Teamの3つがあります。
| プラン | 無料 | Pro | Team |
|---|---|---|---|
| 料金 | 無料 | 月額20ドル | 月額25ドル/アカウント （5アカウント〜） |
| 機能 | • Claude 3.5 Sonnetの機能を無料で利用可能 •チャット回数とプロンプトの長さに制限あり | • 無料プランと比べて5倍多くのClaude使用量を提供 • 最速のモデル「Claude 3 Haiku」と「Claude 3 Opus」へのアクセス • ドキュメント、コード、ファイルに関してClaudeと共同作業できるプロジェクトの作成 • 混雑時の優先アクセス • 新機能への早期アクセス | • Proプランのすべての機能 • Proプランよりも高い使用制限 • チームメンバーとのチャットを共有・発見できる機能 • 一元化された請求と管理 |
Proプランは、月額20ドルで提供され、無料プランと比較して5倍のClaude使用量が与えられます。
このプランでは、最速のモデルである「Claude 3 Haiku」や「Claude 3 Opus」へのアクセスが可能です。
また、ユーザーはドキュメント、コード、ファイルに関してClaudeと共同作業を行うプロジェクトを作成できます。
混雑時には優先的にアクセスが提供され、さらに新機能への早期アクセスも含まれています。
一方、Teamプランは月額25ドルで、最低でも5アカウントが必要です。
このプランはProプランのすべての機能を含んでおり、さらにProプランよりも高い使用制限が設定されています。
また、チームメンバー間でチャットを共有し、発見できる機能が追加されており、請求や管理も一元化されています。
Claude 3.5 Sonnetの無料プランでは回数制限がある？有料との違いは
Claude 3.5 Sonnetの無料プランを使用している場合、一定時間内でのチャットの回数と、プロンプトの長さにそれぞれ制限があります。
Anthropicの公式サイトでは、具体的な制限は明記されておらず、需要に応じて変動する場合があるということです。
6つのプロンプトを送信後に制限がかかり、4時間後にリセットされる旨のメッセージが表示されています。
無料プランですぐに利用制限に達してしまう場合は、無料サービスに比べて少なくとも5倍の使用が可能な「Claude Pro」のプランを検討しましょう。
Claude 3.5 Sonnetの始め方と使い方をステップごとに解説
では、Claude 3.5 Sonnetの始めるにあたって、具体的な手順をステップごとに解説していきます。
ステップ①：Claude 3.5 Sonnetの始め方
まずはClaudeの公式ページにアクセスします。
メールアドレスを入力するか、Googleアカウントを利用してアカウントを作成します。
ユーザー名を入力し、利用規約に同意すると、アカウントの有効化が完了します。
ステップ②：Claude 3.5 Sonnetの基本的な使い方
テキスト入力欄に質問を入力するだけで、使用を開始することができます。
今回はSQLのNOT IN句の使い方について聞いてみます。
NOT IN句の構文と、使用方法についての回答が生成されました。
その他、画像を添付した上で指示を出すことで、画像解析を行うこともできます。
以下のように。添付したグラフから読み取れる内容についての要約が生成されました。
Anthropicの公式サイトで公開されているプロンプト集も参考にしてください。
ステップ③：Artifacts機能の活用方法
「Artifacts」は、コードスニペット、テキストドキュメント、ウェブサイトデザインなどを生成する際に、Claudeと対話しながらアウトプットを作成・修正できる機能です。
以下のAnthropic公式の動画でも紹介されていますが、これまではAIを使ってアウトプットを生成する際、複数のツールやブラウザを開いて、それぞれを行ったり来たりしながら作業するに必要がありました。
Artifacts機能は、アウトプットを見ながらAIへの指示内容を調整することができ、Claude内で作業が完結できる点が大きなメリットと言えるでしょう。
2024年10月現在では無料ユーザーも利用することができ、有効化の設定も必要ありません。
Claude 3.5 Sonnetの活用事例
Claude 3.5 Sonnetの活用事例として、3つの具体的なシーンを挙げて紹介します。
Claude 3.5 Sonnetの活用事例①：ビジネス戦略立案での活用
新製品を市場に投入する際、Claude 3.5 Sonnetを使用して過去の販売データや市場トレンドを分析し、最適なタイミングと市場セグメントを見極めることが可能です。
また、競合企業の発表した情報を自動的に解析し、その動向を予測することで、ビジネス戦略における競争優位を確保できます。
さらに、Claude 3.5 SonnetのArtifacts機能は、重要な分析結果や戦略レポートを体系的に保存・管理できるため、将来的な戦略立案に役立てることができます。
Claude 3.5 Sonnetの活用事例②：カスタマーサポートにおける利用
Claude 3.5 Sonnetをベースにチャットボットを開発することで、顧客が技術的な質問をした場合でも、リアルタイムでナレッジベースから最適な回答を検索し提示するため、顧客満足度が向上します。
また、Artifacts機能を利用すれば、過去の顧客対応の記録や重要なサポート資料を分析・可視化できるため、ナレッジの蓄積と管理が効率化されます。
これにより、サポートチームは、同じ問題に繰り返し直面することなく、新しい課題に集中することが可能になります。
Claude 3.5 Sonnetの活用事例③：教育・研究支援での活用
研究機関では、Claude 3.5 Sonnetを利用して論文や研究文献を自動で要約し、研究者が短時間で必要な情報にアクセスできるようになります。
また、教育現場においては、AIが生徒からの質問に即座に対応し、学習支援を行うことで、教師の負担を軽減します。
学習進捗に応じて適切な教材を提示することも可能で、学習者一人ひとりにカスタマイズされた教育体験を提供します。
さらに、Artifacts機能を活用することで、教育や研究におけるプロジェクトのプロトタイプを簡単に作成することができ、さまざまなシミュレーションに役立てることができます。
Claude 3.5 Sonnetに関するよくある質問
最後に、Claude 3.5 Sonnetについてよくある質問とその回答を紹介します。
Claude 3.5 Sonnetの日本語対応について
Claude 3.5 Sonnetの画面UIの言語は英語ですが、日本語にも対応しており、日本語で対話することが可能です。
ただし、英語の精度と比較すると、専門用語などの理解が不完全なケースもあります。
Claude 3.5 Sonnetの利用制限について
Claude 3.5 Sonnetの無料プランを使用している場合、一定時間内でのチャットの回数と、プロンプトの長さにそれぞれ制限があります。
Anthropicの公式サイトでは、具体的な制限は明記されておらず、需要に応じて変動する場合があるということです。
6つのプロンプトを送信後に制限がかかり、4時間後にリセットされる旨のメッセージ表示されています。
無料プランですぐに利用制限に達してしまう場合は、無料サービスに比べて少なくとも5倍の使用が可能な「Claude Pro」のプランを検討しましょう。
Claude 3.5 Sonnet専用アプリの有無
Claude 3.5 Sonnetは、2024年7月にiOS版とAndroid版それぞれのアプリがリリースされており、ストアからダウンロードして利用することができます。
まとめ
Claude 3.5 Sonnetは、最新の生成AIモデルとして、優れたパフォーマンスと使いやすさを兼ね備えたツールです。
特に視覚的な推論や高度な推論力に優れ、さまざまなビジネスや教育、研究の場で活用できます。
ニーズにあったプランを選択して、業務の効率化に活用しましょう。