この記事では、OpenAIが2024年7月に発表したChatGPT-4o miniの概要と特徴について取り上げます。
画像生成を含むさまざまな利用シーンに応じたAIモデルの使い分けや、利用方法、回数制限、料金体系についても詳しく解説します。
ChatGPT-4o miniとは?
ChatGPT-4o miniは、OpenAIが2024年7月に発表した、コストパフォーマンスに優れた小型AIモデルです。
このモデルは、AIのアクセシビリティを拡大し、企業が手頃な価格で汎用タスクやAIモデルをベースとしたアプリケーションを構築することを目指しています。
ChatGPT-4o miniは、AIモデルの性能を比較する複数のベンチマークで高いスコアを出しています。
MMLUという多様な知識とその応用力を評価する指標では82%のスコアを達成し、LMSYSリーダーボードでGPT-4を上回っています。
低コストで応答速度が速いChatGPT-4o miniは、顧客向けチャットボットなどのシーンに最適です。
ChatGPT-4o miniの特徴は高速で高性能!そして低コスト!
ChatGPT-4o miniのおもな特徴として、軽量モデル、高性能、高速処理、マルチモーダル、低コストの5点が挙げられます。
それぞれについて詳しく解説します。
ChatGPT-4o miniの特徴①:軽量モデル
ChatGPT-4o miniはより効率的でコンパクトなモデルで、少ないリソースでテキスト理解や推論タスクで非常に優れた結果を出します。
ユースケースとしては、小規模プロジェクトやリソースが限られたアプリケーションに適しています。
ChatGPT-4o miniの特徴②:高性能
ChatGPT-4o miniは、GPT-3.5 Turboや他の小型モデルをベンチマークテストで上回っています。
ChatGPT-4oと同様に広範な言語に対応し、特に関数呼び出しや長いコンテキストの処理能力が向上しています。
このモデルは128Kのコンテキストウィンドウを持ち、リクエストごとに最大16Kの出力トークンをサポートします。
また、2023年10月までの知識を持ち、非英語テキストの処理がさらに効率的になっています。
ChatGPT-4o miniの特徴③:高速処理
Artificial Analysisの検証データによると、ChatGPT-4o miniの処理速度はGPT-4oの約2倍となっています。
ChatGPT-4o miniは、高速な応答が必要なシーンや、頻繁なAPI連携が必要なアプリケーションに最適です。
ChatGPT-4o miniの特徴④:マルチモーダル
ChatGPT-4o miniは、テキストだけでなく画像認識にも対応するマルチモーダルモデルです。
将来的には、テキスト、画像、動画、音声の入出力に対応する予定ということです。
ChatGPT-4o miniの特徴⑤:低コスト
ChatGPT-4o miniの価格は、入力トークン100万あたり15セント、出力トークン100万あたり60セントで、GPT-4oと比較して非常に安価です。
GPT-3.5 Turboと比べても60%以上コストが抑えられています。
ChatGPT-4o miniの料金!回数制限はある?
ChatGPT-4o miniは無料ユーザーでも利用することができ、回数制限はありません。
アカウントを作成した無料ユーザーは、デフォルトでGPT-4oが設定されていますが、回数制限(5時間に約10回)に達すると自動的にGPT-4o miniに切り替わります。
ただし、ChatGPT-4oで利用できるWebブラウジングやカスタムGPTsなどの機能は利用できません。
ChatGPT-4o miniとChatGPT-4oの使い分け方
ChatGPT-4o miniとChatGPT-4oの両モデルはそれぞれ異なる特徴を持つため、利用目的に応じてうまく使い分けることが重要です。
ここでは、それぞれのAIモデルが適している利用シーンを紹介します。
ChatGPT-4o miniが適している場面
- 高速レスポンスが必要な場合
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ChatGPT-4o miniはChatGPT-4oの約2倍の処理速度を持ち、素早い応答が求められる場面に適しています。
顧客向けのチャットボットや、検索システムを使用したRAGアプリケーションなどのシーンで、生産性と効率を大幅に向上させることができます。
- コストを抑えたい場合
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ChatGPT-4o Miniの利用コストはChatGPT-4oの3〜4%程度と非常に安価なため、計算リソースやコストを抑えられ、中小企業やスタートアップにも利用しやすくなっています。
- 日常会話や簡単な質問応答
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GPT-4o miniは、性能とコストのバランスが良く、より単純な汎用タスクに適しています。
メールの下書き、顧客からの問い合わせの処理、文書の要約、非構造化ソースからの構造化データの抽出など、テキストベースの日常的なタスクに活用できます。
ChatGPT-4oが適している場面
- 高度な推論や分析が必要な場合
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ChatGPT-4oは大規模なモデルで多くの計算リソースを必要とする一方で、高精度な分析や大規模なデータ処理を必要とする、より複雑なタスクに最適です。
- 画像認識や生成が必要な場合
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ChatGPT-4oは、テキスト、画像、音声のマルチモーダル機能において、非常に高度な能力を発揮します。
GPT-4o miniではAPIのみ画像認識に対応しているため、ブラウザ版のChatGPTで画像認識や画像生成を利用したい場合は、GPT-4oを利用する必要があります。
- 高品質の文章生成が必要な場合
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ChatGPT-4oは、特に複雑なテキストを深く理解することに長けており、高品質で洗練されたコンテンツを作成する場合により適しています。
ChatGPT-4o miniの始め方
GPT-4o miniの利用にあたり、アカウントの登録は不要で、OpenAIのサイトにアクセスするだけで利用可能です。
ただし、ログインをしない場合はチャット履歴が保存されません。
履歴を残したい場合は、以下の記事を参照して会員登録を行なってください。
まとめ
ここまでChatGPT-4o miniについて、その特徴や使い方、料金体系を解説してきました。
ChatGPT-4o miniは、高速な処理と低コストを実現した小型モデルで、主に日常的な会話や顧客対応など、汎用タスクに適しています。
一方で、高度な推論や画像生成などが必要な場合は、より高性能なChatGPT-4oが推奨されます。
コストパフォーマンスに優れたChatGPT-4o miniは、中小企業やスタートアップにも適したモデルと言えます。
それぞれのモデルの特徴を正確に理解した上で、目的やシーンに応じて適切なモデルをうまく使い分けましょう。