Nothingとは?どこの国のメーカー?提供しているAIガジェット一覧

2020年に設立されたガジェットブランド「Nothing」が、今までにないデザイン性とAIと連携した機能面で注目を集めています。

本記事では、Nothingとはどこの国のメーカーなのかを紹介し、Nothingが展開しているガジェットの特徴やChatGPT連携機能などを解説していきます。

初めてNothingを知る方でも、Nothingの全容が把握できるでしょう。

目次

Nothingはどこの国のメーカー?

出典:Nothing公式

Nothingは、2020年にOnePlusの共同創業者であるCarl Pei氏が立ち上げたロンドン発の企業です。

ミニマルなデザインとグローバルな展開戦略が注目を集めています。

英国発のテックブランド

Nothing Technology(通称:Nothing)は、2020年にイギリスのロンドンを拠点にしたテクノロジーブランドです。

スマートフォンブランドOnePlusの共同創業者として知られるCarl Pei(カール・ペイ)氏が立ち上げました。

欧州らしいミニマルな思想を軸に、スマートフォンやイヤホンといった日常使いのデバイスに革新を加えています。

ガジェットの“透明ボディ”や、LEDによる視覚的なインターフェースなど、プロダクトデザインへの徹底したこだわりが他ブランドとは一線を画しています。

また、製品の設計だけでなく、ブランディングやパッケージデザインにも一貫した世界観があり、見た目だけでNothingとわかる独自性が特徴です。

2022年には日本法人「Nothing Technology Japan株式会社(通称:Nothing Japan)」が設立され、おサイフケータイが搭載されたスマートフォンを発売するなど、日本市場にも本格的に進出し始めています。

創業者Carl Pei氏とNothing立ち上げの経緯

Nothingを立ちあげたCarl Pei(カール・ペイ)氏は、スマートフォンブランドOnePlusの共同創業者です。

2020年、スペックや価格競争に偏りがちなスマートフォン業界に対して、デザインや体験価値を重視したブランドを新たに創出する目的でNothingを設立しました。

「テクノロジーを再び面白くする」という理念のもと、従来のプロダクトにはない透明デザインやインタラクティブな光表現など、視覚体験と操作性の両立を追求。

創業初期にはグーグルベンチャーズなど多くの投資家が支援に加わり、スタートアップながらも世界的な注目を集める存在となりました。

Nothingは、 株式非公開企業であり、 GV(旧Google Ventures)、 EQT Ventures、 C Ventures、 およびTony Fadell(Future Shapeの中心人物、 iPod発明者)、 Casey Neistat(ユーチューバー、 Bemeの共同創設者)、    Kevin Lin(Twitchの共同創設者)、 Steve Huffman(Redditの共同創設者兼CEO)からの資本提供を受けています。

出典:PR TIMES

Nothingの特徴とは?

出典:Nothing公式

Nothingの製品は、見た目のインパクトだけではありません。

操作性やAIとの連携も含め、実際に使ったときの体験にこだわって設計されています。

透明ボディのデザイン性が高い外観

Nothing最大の特徴は、内部構造が透けて見える“透明ボディ”です。背面がスケルトン仕様になっており、内部基板やパーツが見えるデザインは他のスマートフォンにはない独自性を放っています。

発売当初から、背面にはGlyphインターフェースと呼ばれる、着信や通知をLEDライトで視覚的に伝える設計が注目を集めていました。

背面の透明ボディとGlyphインターフェースがNothingの特徴
出典:Nothing公式

しかし最新モデルのスマートフォン「Phone(3)」では、従来の光をメインにしたGlyphインターフェースが廃止され、新たにGlyphマトリックスが搭載されました。

Glyphマトリックスでは、背面右上の円の中で489個のマイクロLEDがドットで表示されます。

サブディスプレイのように時刻やバッテリー残量が表示されるだけではなく、ストップウォッチ機能やミニゲームで遊ぶことも可能です。

右上の円にGlyphマトリックスが表示される
出典:Nothing公式

「テクノロジーを再び面白くする」というCarl Pei(カール・ペイ)氏の理念が、デザイン面にも十分反映されています。

UI・操作性へのこだわり

Nothing OSは、Androidをベースにした独自UIで、ミニマルな思想に基づいたシンプルかつ直感的な操作性を提供しています。

ホーム画面にはアプリ名の表示が削除されたり、よく使うアイコンのみを表示させたり、フォントやウィジェットを含めシンプルでデザイン性高く、カスタマイズが可能です。

アプリがカテゴリごとに整理される
出典:Nothing公式

「Phone(3a)」からは、側面に「Essential Key」と呼ばれるボタンが配置され、ワンクリックでスクリーンショットができたり、長押しで録音が開始されたり、よりシンプルな使い心地となりました。

側面のEssential Keyにより思い立ったらすぐにアクションに移せる
出典:Nothing公式

無駄をそぎ落としたUIにより、快適な使用感を実現しています。

AIとの自然な連携

Nothing OSの最新アップロードにより、ChatGPTが搭載され、スマートフォンだけでなくイヤホンからもスムーズにAIにアクセスできるようになりました。

たとえば「スマホでメモを取る」には、スクリーンショットやメモアプリ、写真、ボイスメモなど、複数のアプリにまたがり情報が散在してしまいますが、NothingのAI連携によりアプリを切り替えることなく、シームレスに情報を確認することが可能になりました。

日常のさまざまなタスクをAIで補完できるため、複雑な操作に慣れていないユーザーでも自然に使いこなせるでしょう。

Nothingのガジェット一覧

出典:Nothing公式

スマートフォンやイヤフォンも日本での展開が本格化し、目にする機会が増えてきました。

Nothingの製品の中から、日本でも使用可能な製品を中心にスペックや特徴を紹介します。

スマートフォン:Phone(3)

出典:Nothing公式

2025年に登場したNothingの最新モデル。日本では楽天モバイルのみと提携し、8月28日から発売が開始されました。

パフォーマンスを重視するユーザーに向けた高性能モデルでもあり、複数アプリの同時利用やゲーム、動画編集など重めのタスクにも対応できる処理性能を備えています。

新たに搭載されたGlyphマトリックスは細かくカスタマイズ可能で、ビジネス用途でも通知の見逃しを防ぎやすい設計です。

高解像度カメラやより長寿命なバッテリーも魅力で、ハイエンド機としての完成度が高い一台となっています。

スクロールできます
項目内容詳細
価格256GB
512GB
124,800円
139,800円
スペックサイズ(高さ/幅/厚さ)約160.6 x 約75.59 x 約8.99 (mm)
重さ約218g
カラーホワイト/ブラック
メモリ12GB (RAM) / 256GB (ROM)
16GB (RAM) / 512GB (ROM)
バッテリー5,150mAh
カメラ
(アウトカメラ3、インカメラ1)
それぞれ5,000万画素
その他・防水(IP68)
・おサイフケータイ
・ハイレゾオーディオ
・顔認証/指紋認証
・ワイヤレス充電
・高速通信

スマートフォン:Phone(3a)

2025年3月に登場した「Phone(3a)」は、上位モデルの機能やデザイン性を引き継ぎつつ、価格を抑えた点が大きな魅力です。日本では楽天モバイルのみと提携しています。

今までのモデルに引き続き、背面にあるGlyphインターフェースが体験でき、光と音で通知を一瞬で把握できます。

また「Phone(3a)」から新たに搭載された「Essential Key」により、瞬時にAIのサポートを受けられるようになりました。

旧モデル(現行)「Phone(2a)」と比較して、性能が向上した機能の一つがカメラ機能です。

アウトカメラのレンズは2つから3つになり、5,000万画素の望遠カメラが追加されました。ズームレンジは0.6〜最大30倍となり、目で見た景色をそのまま切り取ったかのように写真に残すことができます。

自分のプリセットも保存することができ、撮影から編集まで「Phone(3a)」で完結します。

望遠レンズが加わり3つのレンズが搭載
出典:Nothing公式

価格を抑えながらもNothingの特徴は抑えておきたいユーザーに最適なモデルです。

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項目内容詳細
価格128GB
256GB
54,800円
59,800円
スペックサイズ(高さ/幅/厚さ)約163.52 x 約77.5 x 約8.35 (mm)
重さ約201g
カラーホワイト/ブラック
ブルー※楽天モバイル限定カラー
メモリ8GB (RAM) / 128GB (ROM)
12GB (RAM) / 256GB (ROM)
バッテリー5,000mAh
カメラ
(アウトカメラ3、インカメラ1)
アウト:5,000万画素 + 5,000万画素 + 800万画素
イン:3,200万画素
その他・防水
・おサイフケータイ
・ハイレゾオーディオ
・顔認証/指紋認証
・ワイヤレス充電
・高速通信

ヘッドホン:Headphone(1)

出典:Nothing

Nothing初のオーバーイヤー型ヘッドホンで、2025年7月に発売が発表された注目の製品です。

Nothingの象徴である透明なデザインと、触覚による直感的な操作性が「Headphone(1)」にも搭載されています。ボタンやホイール、「パドル」と呼ばれるスライド型のスイッチを動かすなど、スムーズな操作が可能です。

人間工学をもとに設計されたフィット感と柔らかさも特徴のひとつです。長時間の視聴でも圧迫感なく装着でき、あらゆるユーザーにフィットします。

ノイズキャンセリング機能も搭載され、外音取り込みモードとの切り替えも可能です。

また、Nothing Xアプリを通じてChatGPTとの連携も可能で、再生中に音声アシスタントを呼び出して天気を確認したり、スケジュールを確認することもできます。ボタンのカスタマイズも可能です。

Nothingらしいスマートなデザインと直感的な操作性、AI連携による利便性を求めるユーザーに適しています。

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項目内容詳細
価格39,800円
スペックサイズ(高さ/幅/厚さ)173.85×78.0 MM×189.25(mm)
重さ約201g
カラーホワイト/ブラック
ブルー※楽天モバイル限定カラー
再生時間ANCをオフにした再生: 最大80時間
ANCをオンにした再生: 最大35時間
充電ANCをオフにした高速充電:5分で5時間(再生)

イヤホン:Ear

スマートフォンと同様に透明ボディが特徴
出典:Nothing公式

Nothingの最新モデルのイヤホンです。

透明感のある外観に加えて、繊細でクリアな音質、そしてNothing Xアプリ経由でのChatGPT連携が特徴です。

旧モデル(終売)「Ear(2)」と比較すると、ノイズキャンセリング機能の性能が1.8倍あがりました。

Nothing Xアプリで設定することにより「Ear」が自動で周りの音を検知し、適切なレベルのノイズキャンセリングが適用されます。音質をカスタマイズさせることもできます。

またデュアル接続により2つのデバイスに接続が可能。パソコンで会議をしながら、スマートフォンにかかってきた電話にシームレスに切り替えることができます。

日常的に使うイヤホンとして長く使いたい方にフィットします。

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項目内容詳細
価格22,800円
スペックサイズ(高さ/幅/厚さ)29.4×21.7×24.1(mm)
重さ約4.62g
カラーホワイト/ブラック
再生時間(ANCオン)ケースの使用時には最大 40.5 時間
イヤホンのみでは 8.5 時間
充電ANCをオフにした場合、10分の充電で最大10時間再生

イヤホン:Ear(a)

新しくイエローが導入
出典:Nothing公式

2024年に発売が開始され、「Ear」よりも軽量かつ手頃な価格です。Nothing製品では珍しくイエローがカラー展開に加わり、ファッション性を重視するユーザーから高い支持を得ています。

最新モデルの「Ear」より、コンパクトなデザインとなっています。

音質や装着感に妥協せず、ChatGPT連携などNothingらしさを低価格で体験できます。

初めてNothingのイヤホンを試す人、カジュアルに使いたい人に適しています。

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項目内容詳細
価格14,800円
スペックサイズ(高さ/幅/厚さ)30.9×21.7×24.3(mm)
重さ約4.8g
カラーホワイト/ブラック/イエロー
再生時間(ANCオン)ケースの使用時には最大 42.5時間
イヤホンのみでは 9.5時間
充電ANCをオフにした場合、10分の充電で最大10時間再生

CMFとは?Nothingのサブブランドを解説

出典:Nothing公式

CMFは、Nothingの思想を受け継ぎつつも、より手に取りやすい価格帯を狙ったブランドです。

CMFとは?Nothingとの違いを解説

「CMF by Nothing」は、2023年に発表されたNothingのサブブランドです。

優れたデザインをより身近に取り入れて欲しいとの想いから、Nothingより値段を抑えた製品を扱っているブランドです。

CMFは、Color(色)、Material(素材)、Finish(仕上げ)の頭文字を組み合わせたもので、カラーや質感、素材の選定にこだわった設計思想を持っています。

デザインはNothingと同様にミニマルで統一感がありながらも、透明パーツの使用などは控えめで、より日常使いにフィットする仕上がりです。

Nothing製にはないカラー展開です。出典:Nothing公式

スマートウォッチやイヤホンなど、ガジェット初心者にも取り入れやすいラインナップが揃っています。

Nothingのデザイン性の高さと操作性を取り入れつつ、最新機能よりは少しでも安く体験したいユーザーにとって最適なブランドです。

CMF製品とNothing製品との比較

現在、発売されているCMFの製品は、スマートウォッチ、スマートフォン、イヤホンの3つがあります。

機能面ではNothing製品に劣りますが、薄さや軽さなどハード面を重視するユーザーや、AIとの連携などNothingの特徴を安価に試したいユーザーに最適なブランドです。

たとえば、スマートフォンの最新モデル「CMF Phone 2 Pro」は、オレンジ、ブラック、ホワイトの3色展開され、Nothingの特徴であった透明ボディやGlyphインターフェースとは違った本体デザインです。

透明ボディはなくなり、カラーにオレンジが加わりました。(出典:Nothing公式

「CMF Phone 2 Pro」は、「Essential Key」によるAIとのシームレスな連携を体験することもできます。

価格は47,800円(256GB)と「Phone(3a)」と比較して10,000円ほど安いモデルになっています。

また、イヤホンはコスパを求めるユーザーに最適なモデルが展開されています。

たとえば2025年5月に発売された「CMF Buds 2a」は6,000円という低価格ながら、日常使いには十分な機能があります。

ChatGPTとの連携について解説

出典:Nothing公式

Nothingの製品は、ChatGPTと連携することで、ユーザーの操作体験をよりスマートかつ柔軟なものに変えてくれます。

スマートフォン、イヤホン、スマートウォッチといった各カテゴリのデバイスで、シーンに応じたAI活用が可能です。

ChatGPT連携とは

「Nothing OS 3」からChatGPTが搭載され、スマートフォンやイヤホン、スマートウォッチなど、NothingやCMF製品との連携がはじまりました。

2025年9月時点ではNothing OS 3.5までバージョンアップ可能
出典:公式サイト

アプリを起動させることなく、ボタンやウィジェット、音声操作を通じて即座にChatGPTに接続。調べものや予定確認、翻訳、買い物リスト作成などのタスクを会話形式で完了できます。

従来のアプリ切り替えを必要としないため、日常生活の中でより自然にAIと共存できる設計が特徴です。

スマートフォンとの連携

2025年8月時点で販売されている全てのNothingとCMF製のスマートフォン「Phone(3)」「Phone(3a)」「Phone(2a)」「CMF Phone 2 Pro」「CMF Phone 1」でChatGPTが使用可能です。

Nothingウィジェットかボイスコントロールで、ChatGPTを呼び出し会話を始めることができます。

ChatGPTとの連携をさらに活用するには、「Phone(3)」「Phone(3a)」「CMF Phone 2 Pro」に搭載された独自アプリ「Essential Space」があります。

スクリーンショット、音声メモ、TODOリストなど、散在しがちな情報を一つのスペースで管理してくれる機能です。

Essential Spaceであらゆる情報が管理される
出典:Nothing公式

たとえば、会議中にスマートフォン側面の「Essential Key」を長押しすることで、会議の音声を録音、文字起こしをして「Essential Space」で要約やTODOリストまで作成してくれます。

メモ代わりのスクリーンショットを「Essential Key」で行うことで、いつ、どこで、どんなシーンを撮ったかが「Essential Space」に記録され、スマートフォン上で記憶の整理が可能です。

アプリを起動することなく、思いついたらすぐに情報を残すことができ、記憶忘れを防げます。

イヤホン/ヘッドホンとの連携

2025年8月時点で販売されている全てのNothingとCMF製のイヤホン/ヘッドホン「Headphone(1)」「Ear」「Ear(a)」「Ear(open)」「CMF Buds 2a」「CMF Buds Pro 2」で、ChatGPTが使用可能です。

現在では、NothingかCMF製のスマートフォンが必須となります。

ワンタッチでスマートフォン上のChatGPTが呼び出され、音声で会話することが可能です。

チャットボットを聴きながら、移動しながら、思いついた時に調べたいことを音声メモで残すことができます。

また「Headphone(1)」には、「Essential Key」が実装され、ボタンをクリックするだけで「Essential Space」内に音声メモを残すことが可能です。

ヘッドホンにある右上の丸ボタンを押すことで音声メモの録音が始まる
出典:Nothing公式

イヤホン/ヘッドホンとChatGPTが連携されたことで、手が話せない時でも即座に記録を残せるようになりました。

スマートウォッチとの連携

スマートウォッチ「CMF Watch 3 Pro」には直接ChatGPTが搭載されています(Nothing OSにのみ対応)。

CMF Watch Pro 3に直接話しかけるだけで文字起こしができる
出典:Nothing公式

スマートウォッチに話しかけるだけで、TODOリストや今日の予定を作成することができます。

また最大30分間の音声録音が可能で、Nothing Xアプリと同期させることで文字起こしまで完了してくれます。

まとめ

Nothingは、イギリス発のブランドとして、デザインとユーザー体験を重視した製品を次々と展開しています。

“透明ボディ”や直感的なUI、ChatGPTとのシームレスな連携機能は、今までのスペック重視のガジェットとは一線を画していると言えるでしょう。

また、サブブランドCMF by Nothingが登場したことで、より多くの人が手に取りやすい価格でNothingを体感できるようになりました。日本でも楽天モバイルと提携され、今後さらなる広がりを見せることが予想されます。

AI×デザインを軸としたガジェット選びを考えている方にとって、Nothingは非常に魅力的な選択肢です。

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