
米OpenAIは最新のAIモデル「GPT-5」を発表し、本日から順次、すべてのユーザーに向けて提供を開始しました。GPT-4の登場からおよそ2年を経て公開された今回の新モデルは、過去最高の性能を誇り、さまざまな分野で著しい性能向上が図られています。同時に開発者向けのAPIも提供されており、エンジニアがすぐに新機能を試せる環境も整っています。
GPT-5の特に顕著な進化が見られる分野はコーディング性能です。これまでのどのモデルよりも強力なコーディング機能を持ち、複雑なフロントエンド開発や、大規模なコードリポジトリのデバッグ作業も容易になりました。

OpenAIによるベンチマークテストでは、実際のソフトウェア開発課題を解く「SWE-bench Verified」で74.9%、コード編集性能を測る「Aider polyglot」で88%の精度を達成しています。

文章生成においても性能が大幅に改善されています。日常業務での文章作成や編集支援がこれまで以上に優れており、ベンチマークでは、文章生成評価「COLLIE」で99.0%、「Scale MultiChallenge」で69.6%という高いスコアを記録しました。

感情豊かで文学的な文章も作成可能なため、メールや報告書作成といったユーザーの日常的なタスクをより強力にサポートするでしょう。
さらに、健康分野における質問回答の精度も向上しています。GPT-5はユーザーの状況や知識レベル、居住地域といった文脈を的確に判断し、より正確かつ信頼性の高い回答を提供します。従来の課題であった「幻覚(hallucination)」の発生も大きく抑制され、回答の精度や信頼性が飛躍的に高まりました。また、新たに導入された安全性向上トレーニング「safe completions」により、安全に回答できないリクエストに対しては、その理由を明示した上で安全な代替案を提示する仕組みになっています。
ユーザーへの提供形態も改善されています。今回のGPT-5は、「Plus」「Pro」「Team」ユーザーに加え、「無料ユーザー」にも提供されます。ただし、無料ユーザー全員が利用できるようになるまでには数日かかる場合があるとのことです。
無料ユーザーは一定の利用上限に達すると、コンパクトで高速な推論モデル「GPT-5 mini」への切り替えが行われます。また、Proユーザー向けには最も高度で複雑なタスク向けの「GPT-5 Pro」が提供され、Plusユーザーも日常的に快適に使えるよう十分な利用量が確保されています。
なお、現時点ではGPT-5は全ユーザーのデフォルトモデルに設定されており、Plusユーザーは追加で「GPT-5 Thinking」を選択可能、Proユーザーは設定から旧モデルも引き続き利用可能となっています。
より詳しい情報は以下の記事にまとめました。

出典:2025年夏の最新情報 | OpenAI
出典:Introducing GPT‑5 for developers | OpenAI
出典:https://x.com/OpenAI/status/1953526577297600557