GPT-5、8月に登場か サム・アルトマンCEO「怖さを感じる」と告白

OpenAIのサム・アルトマンCEOが、次期AIモデル「GPT-5」を使用しているスクリーンショットを自身のSNS「X」に投稿しました。GPT-5は2025年8月のリリースが予定されており、その性能は従来のモデルと比べて劇的に向上しているとされています。

アルトマン氏は米国のポッドキャスト番組『This Past Weekend』に出演し、GPT-5のテストを振り返り「非常に速く、不安になるほどだった」と率直に語りました。アルトマン氏は、AIの急速な進化を第二次世界大戦時に原子爆弾を開発したマンハッタン計画になぞらえ、「私たちは一体何をしてしまったのか」と、自問自答のように述べています。

同氏が抱える不安の背景には、技術の進展スピードに比べて、安全面や倫理的な規制整備が追いついていない現状があります。「まるで責任ある大人が誰もいないかのようだ」という表現からは、AI開発の制御が不十分であることへの深刻な懸念がうかがえます。

GPT-5は、従来のモデルよりマルチステップの推論能力、長い記憶保持力、画像や音声を含むマルチモーダル機能が大きく進化しているとされます。テスト段階の開発者からも、「方向性を見失うほどAIが自律的にふるまう」という報告が相次いでいます。

しかし一方で、米メディア「The Information」は最近の報道で「GPT-5は実質的な改良があるものの、GPT-3からGPT-4への進化のような飛躍的な向上には及ばないだろう」と伝えています。これは、GPT-5に対する過度な期待を牽制するものであり、慎重な見方を示す関係者もいることを示しています。

アルトマン氏自身、OpenAIが目指す「汎用人工知能(AGI)」に最も近づく可能性を示すのがGPT-5だと認めつつ、AGIに向かうほどに制御や管理を巡る国際的な合意が不足している問題を指摘しています。特に、人間とAIの境界線が曖昧になりつつある現状について、アルトマン氏の懸念は「AIが悪意を持つことではなく、人間がAIの制御を失うこと」に集約されています。

さらに、OpenAIを巡る企業環境も緊迫しています。同社は営利企業化を迫る投資家の圧力を受けており、135億ドル(約1兆3500億円)の資金を投じているマイクロソフトとの関係も注目されています。Google DeepMindなど競合企業も急速に進展しており、GPT-5の成功が同社の未来を左右する可能性もあります。

こうした状況のなか、「OpenAIがAGI到達を早期に宣言し、マイクロソフトとの関係を解消する可能性」も一部で指摘されています。期待と不安が交錯するAI技術の発展は、GPT-5を巡ってますます議論を呼びそうです。


出典:THE TIMES OF INDIA
出典:Inside OpenAI’s Rocky Path to GPT-5 — The Information

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